1200mくらいまで下りてくると地形図で分からない支尾根が三つくらいに分岐。
一番左に進んでみる。
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どうやら一つ右の支尾根はアウトだったようだな。
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対岸を見る。正面の尾根で塔の峰への稜線いけるのかな。たそがれさんが使った尾根はどれかな。
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その先が危険地帯。岩交じりの落ち葉が堆積した急斜面。
潅木が生えていなかったらアウトである。ロープをだすか迷いつつなんとか潅木頼りに斜めに下りて岩場下の尾根形に乗れた。見上げて。
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尾根形にのれたはいいが雲行きがかなり怪しい。右は切れ落ちたガレ、左は仁田元沢に注ぐ支沢である。前方尾根が右へ湾曲しているように見えるがその先左に曲がっていた。
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かなり下りてきたなあ。仁田元沢はすぐそこだ。
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さて、どうしようか。尾根の先端にいる。その先は見ての通りである。アウト。
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仕方なく左の沢に降りる。しかして小さな滝の上に出てしまった。
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滝をそのまま下りるという選択肢は存在するわけがない。仕方ないので滝右の岩場をひょいひょいと下りる。そこまで高さがなくてよかった。

滝を見上げて見る。スケールは小さいが飛沫も凍っててなんか悪くないぞ。
瀑泉さん、かわいい滝ありますよ。
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しかし喜んでいる場合ではない。この滝2段滝の上の部分でまだ沢まで崖を下らなければならないのだ。この滝、崖の奥に引っ込んでいるので下からでは分からないだろう。小さいし。存在を知っている人が何人いるのだろうか。

二段滝の下を見下ろす。怖い。
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滝の右は完璧にアウトなので左奥に進んでみる。
うーん、なんとかいけるかなあ?
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とりあえず慌てず騒がずストックを収納する。邪魔。
時間はまだたっぷりあるから下りれなかったら少し上に戻って別の道探そう。
ロープを出すか迷ったが少しずつ進んでみるといい感じに潅木と段になった岩がありそのまま下りていける。

ミッションコンプリート。見上げる。左上から降りてきた。
ここから登って尾根に取り付こうと発想する御仁はほとんどいないだろうなあ。
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二段滝の下のヤツ。水量少ないのもあり凍っている。
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ところでこの滝、仁田元沢の左岸に注いでいるのだがたそがれさん達が仁田元沢を遡行した際に見た左岸に直瀑が落ち込むとかいてあるヤツかもしれない。上登れば別の滝見れますよ。しょぼいけど。

後は沢を下って林道に合流すれば無事帰れる。石の上を適当に進む。12:17。
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スリットダム
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スリットダム、靴を脱げば隙間を通れそうだったが後学のために左岸側から高まいた。
林道合流。時間あるけど今日は大人しく帰ろう。一か八か沢に寄ってる場合ではないのだ。
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雲が増えてきた気はするがいい天気だ。社山行けばよかったかなとずっと考えながら歩いている。林道歩きは長い。
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猿がいたのでカメラを向けていると照れるだろ、と顔を草に隠されてしまった。
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水道管橋を渡り駐車場へ戻る。13:24ゴール。

水戸ナンバーの車がいる。僕や瀑泉さん以外にも茨城から来る人いるんだ。まあ僕は名古屋ナンバーだからもっと奇異の目で見られるけど。
何をしにくるのかは知らないが車が着たり帰ったり。登山以外にも景色を見るためにきたりするのかな。

ちょっと早いがもう次の山に行く気力もなく大人しく帰った。


今日は本当に危険な思いをするつもりはなかった。ちょっと中倉山から景色を見たかっただけなのである。
でも不意に人に見向きもされなそうな未知なる地味尾根があると誘い込まれてしまう。
褒められた行為ではないが、僕は未知なる地味尾根達の秘密をこの目で暴き出したいのだ。道なき場所に未知があり、地味尾根達の秘密を集め続けていればいつか僕だけの地形図が完成するはず。こればかりは譲れない。
今日も危険な思いはしたが勝算があるという動きだけしかしていない。本当につんだら上り返してでも撤退するつもりだしそのための用意と時間の余裕は持っている。

ともあれ、石塔尾根を登れたし、知る人も稀そうな隠れた小さな滝にも出会えたのは悪くなかった。
次こそは安心安全を目指しつつ地味尾根達を歩いていきたい。



ところでたそがれさんは小足沢右岸尾根の先に何時ごろ行かれるのだろうか。こっそり先行するのもなんなのでしばらく行く予定はないが、花咲くシャクナゲさんが見たいので5月の半ばくらいに忍び込んで上まで登り上げようかと思っている。
それまでに足尾とかでたそがれさんに遭遇したら声をおかけしたいところだが、安蘇の山も行きたいし遭遇するのは難しいだろうなあと思っている。近くを登っていても大体ニアミス。世の中そんなもんである。