2016.4.16(土)
駐車地 -狸原 -小友 -石灯籠の裏 -693地点 -855地点 -市境の尾根(小平雨量観測所) -三界ピーク -小平雨量観測所 -鍋足沢の頭 -丸山 -十二時山 -小夜戸山 -陣近平(789m) -おかぼ平(502m) -駐車地

適当に出かけた無名の地味尾根で秘密の花園に迷い込んでしまった。


今週はついてなかった。
月末のゴルフコンペのために仕方なく半年振りにゴルフの練習をしようと打ちっぱなしに出かけたらアイアンが手からすっぽ抜けて飛んで行き折れた。さよなら2万円。レガシーブラックという名前だけに惹かれて買ったのに(一応六年間は使った)。心が折れて買いなおす気にもならなかった。
週末が近づくにつれて面倒な仕事が舞い込んできて先のことを考えると憂鬱。中日は連敗。そして極め付けに九州で大震災。

今週はアカヤシオなんか無視して地味な尾根に出かけようと思っていたがこれで先週のような鬱蒼とした植林帯を数時間歩いた日には山が嫌いになりかねない。
こんな時こそシャクナゲ大明神の力を借りに行きたいところだが五月中旬までシーズンオフでヘタれていそうなので却下。
仕方ないので人がきそうも無いところでアカヤシオのピンクに一人癒されることにした。
一応後輩にも一藪行こうぜと声をかけたのだが誘い方が下手とにべもない。趣深い道のりで陽だまりハイクして花を見よう、と言い換えたが結局登山道じゃないんでしょう?と振られてしまった。依然として世間は藪山に厳しい。

それはそれとして人知れず咲くアカヤシオはどこにいるのかな、と地形図で広葉樹林が集ったところを適当に探してみる。今週のねらい目は700-800mくらいと読んでいるのだが安蘇の山はどこも植林帯らしき場所が多い。

鳴神山辺りまで探してみると鍋足沢の頭から西へと続く尾根、なんだか自然林が多そうである。この地区の情報ならハイトスさんとあにねこさん、やまの町桐生のサイトだな・・と記録をあさってみると四月下旬であるがあにねこさんが歩いてアカヤシオが咲いていたとの記事を発見。名前の付いた山達がそこそこいることも分かり小夜戸山という名前にも惹かれるものがあるので以前歩いた三界ピークまでと繋げて歩いてみることにした。この稜線ほかにもたそがれさん、ノラさん、仮面林道ライダーさん等々歩かれた方の記録が色々出てくる。

一方でこの一本南、小友から693地点、855地点 を経由して市境の尾根、小平雨量観測所まで続く尾根は名前のつく山もなさげで桐生地域百山にも入らず世間からハブられて寂しく過ごしていそうな感じがする。・・・救わねば。出かけることにした。

とりあえず道の存在である小友からの地味尾根を往路に使い市境の尾根へ行く。その後は一旦南下して三界ピークへ行き北へ取って返して鍋足沢の頭、丸山、十二時山、小夜戸山 、陣近平(789m)、おかぼ平(502m)へと縦走し駐車予定の狸原南へ戻ることにした。
前置きがいつも以上に長くなったがこんなわけで大間々の山奥に行くことになったのである。


いつも山に行く時はそんなに眠れないのだが(遠足前日に熟睡できないタイプ)疲れてたせいか、昨日ビシ神様のスリーランで中日が快勝したせいか、ぐっすり眠り四時前に起きた。また九州で地震が続いているらしく緊急地震速報と自動連動して安否確認をしてくる会社の災害対策メールが4通ぐらい入っていた。自動送信だから仕方ないのだろうが僕以外に夜中に叩き起こされる人はたまったもんじゃないだろうなあ。適当に準備をして5時半に家を出た。


いつものように買出し、立ち読みを済ませて駐車予定地にたどり着く。7:33、支度して歩き出す。狸原地区の南の方だ。
とりあえず1.5kmほど車道を歩いて小友の尾根取り付き予定地まで行かないと。
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歩いていくと左に柵で囲まれた怪しげな場所が。カッコウソウ保護地か。カッコウソウがいかなるものか良く知らないのだが珍しい草が生えていたら通報したらいいのかな。
車道を北上していく。
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たぶん取り付き予定尾根が画面中央。少し急そうな気もするのだがさて。
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小平川の支流が北と東から合流するところをちょいと北に進みすぐ橋を渡り東へ。
狭い作業道を少し歩く。
この黄色い花はなんてやつかな。
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橋を渡ってからさほど歩かずに石灯籠登場。7:56。
ちょっとこの奥へ登ってみようかな。横を失礼しますよ・・・。



体を持ち上げようとしたら枝で眼鏡が飛んでいった。すぐ拾う。石灯籠の呪いか。横を通っただけなのに。枝を払いつつよじ登った。

急斜面を少し進んで。
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右の植林帯をトラバースしつつ進みそうなふみ跡を覗いてみる。いけそうだけど結局は土の急斜面が待つようだ。左の岩場をよじ登った。

少し危険地帯が続いたがほどなく安全地帯へ。標高450mくらい。
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ツツジを横目に進む。
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雑木林を歩いていくと左から植林帯。狭間を歩くと藪が無くてよい。
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地面を電線が這っているなあと思ったら打ち捨てられたようなアンテナ君。550m過ぎ。
8:25。
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600m手前で細尾根になる気配を感じ一休み。でもそんな気になるところではなかった。
またアンテナ君。これは完全にお陀仏。
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その先でポツポツとアカヤシオが現れる。
へえ、こんなとこにもいるんだ。岩尾根っぽくなってきたから出てくるかなと思ったけど。でもまだこれじゃあ寂しいなと半分無視して尾根を進む。
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620m辺りから。これは流石に無視できませんな。(以下アカヤシオ達の写真は少し拡大可)
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?!
突如として尾根が賑やかになった。これは祭りの予感が?
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ええじゃないか、ええじゃないか。
尾根のあちこちがピンクに染まる。
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期待していなかった世間から忘れ去られし地味尾根でアカヤシオ達の歓待を受け上機嫌。
気分よく進行方向を北東へと変え693地点に向けて鞍部から登っていく。
アカヤシオ達が好きそうな岩っぽいところである。



693地点に向けて祭りのボルテージが上がっていく。
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華の693地点。どうしてここは世間から相手にされていないのか。
僕の写真ではこの場所の素晴らしさを何も伝えられまい。縮小もしてるし。
全方位を淡い色合いのアカヤシオ達に囲い込まれてしまった。
僕のヤシオ山はここにあったか・・・。8:56。
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まだ序盤だと言うのにこんなに咲き誇って・・・。こんなの足が進まないだろう。
しばし見惚れてふらふらする。

花のトンネルを潜り鞍部へ向けて少し下る。
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復路は向こうの稜線を歩くのだなと花越しに。
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鞍部から登り返す先がピンク色に染まっているように見えるんですが?
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波状攻撃が迫ってくる。
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これぐらいの色合いが好みかな。
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左の斜面も凄いけれど
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尾根上も半端ないですよ。(大きめに拡大可)
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なんということだろう。地元民でも立ち入っているか怪しい山名もない地味尾根だというのに、この一帯はアカヤシオ達によって支配されていたのだ。

続く