2016.6.4(土) 同行者: ヒゲ、S木君
菅沼登山口 -弥陀ケ池 -白根山 -窪地 -白檜岳 -白根隠山 -前白根山 -五色山
-金精山 -金精峠 -菅沼登山口

好天に恵まれたが欲張って歩いたので登山道でもそれなりに疲れた。


五月半ばに後輩達を足尾入門ツアーへ連れて行ったのだが、ヒゲは登山道でないのがシャクナゲさんの密藪というトラウマを刺激されるらしくついてこなかった。
そこで六月は白根山が100名山で展望がいいことを餌をにしてまずS木君を釣り、登山道であることを名目にヒゲも誘い出そうと考えていた。どこかでシャクナゲさんに穏便に会えれば和解もありうる。というかそれが狙いだ。

白根山周辺の登山道で僕が行っていないのが金精山だ。ここは是非周回に入れたい。ここだけ目的に行くほどの山とは思っていないのだ。
さりとて奥日光まで行くのに白根山+金精山だけではもったいない。でも登山道縛りがあるしどうするかと地形図といつものGPSアプリを眺めていると恐ろしいことになっていた。

僕の使っているスマホのGPSアプリ、時々一般登山道でないルートがさも一般道であるかのように実線とコースタイムが乗っていたりする。
奥日光のを見ていたらなんと錫ケ岳に至るための山部さんルートや宿堂坊山の東尾根、北尾根ルートが実線ルート・コースタイム付きであたかも手入れされた登山道であるかのように乗っていた。
おいおいこれ大丈夫かよ・・。普段藪漕ぎしない登山道マーク頼りの人が行ったら遭難するんじゃ・・。なんだか心配になった。

そしてそんなあたかも登山道であるかのように書かれているルートの一つに白根山の避難小屋辺りから窪地を通り白檜岳に至るルートまであった。ハイトスさん等先人の方が歩かれた記録を見たことがあるが間違いなく一般登山道ではない。

しかしこれは僕にとって好都合。後輩達にも万が一はぐれた時のためにGPSアプリは入れさせているのでそのアプリにルートあり=登山道であるという認識をさせている。窪地-白檜岳-白根隠山のルートを登山道であると言い張って歩くことができる。利用させてもらおう。

かくして今回は日本100名山と好展望の白錫尾根を95%登山道で歩くから余裕と誘ったところS木君は簡単に釣れた。というか今までで一番期待しているようだ。100名山バッジも買いたいとか。上手いことヒゲも誘い出すことができた。
問題として白檜岳周辺にはシャクナゲさんが多数生息しているらしい。後だしでシャクナゲさんはいまーす!!と言うとキレられそうなのでシャクナゲさんはいるけど邪魔にならないように大人しくしている、白檜岳周辺だけは登山道でないかもしれない、と事前説明して5%は許してもらうことにした。後は現地対応でうまいこと丸め込むだけだな・・。
他の後輩は都合が合わないしわりと疲れそうなので三人の少数精鋭で6/4晴れたら決行ということになった。



6/4、夜中二時半に茨城を発つ。当たり前だが三人とも金曜は仕事で僕とS木君は残業で8時過ぎまで会社にいたから寝不足。居眠り運転するような眠気はいつもどおりないが歩きに影響しないかが心配。
移動はレガシィ、運転は僕なので二人は寝ていればいいのだが。帰りは疲れたら仮眠して帰ろう。

朝マックして日光宇都宮道路へ。今日は天気がいいな。朝から山がはっきり見えるのは久々かも。オーディエンスの期待は爆発しそうだ。
しかし中禅寺湖の横を通るくらいで気温の下がり具合に驚く。4℃とは。まあ歩いていれば暑くなるだろうけど。
五時半ぐらいに菅沼駐車場についてお金を払う。千円は高いよなあ。ただ今日の周回にはここを起点にするしかないので致し方ない。交通費三人で負担じゃなかったらここには停めない。
ヒゲにストックを一本貸す。実は日頃の無茶な使用がたたりストックが一本長さ調整がしづらくなってしまったのだ。堅いだけで使う分には特に問題はないが面倒なので新しいのを一本買った。古いのは後輩への貸し出し用にすることにした。

のんびりと準備して歩きだす。6:00。
ほぼ同時に歩きだす方々が何組か。流石100名山といったところか。まあ白根山は見ても登っても良い山だからな。
後輩達からふみぃさんと山にきて最初からこんなに人がいるのは久々だと言われる。そうだっけなあ?人なんて他に一人でもいれば多いほうだろう。僕は山で人よりシャクナゲさんに会う回数のほうが多いのだ。

お馴染みのオブジェクト
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最初は寒い寒いと言っていたが10分も歩くと暑くなる。上着脱ぐから休憩というと後輩達もタイミングを窺っていたようだ。少し後ろにいた僕らと同じようなペースで登る三人組の同年代の人らに道を譲る。どうもいつもマイペースで歩いているせいで後ろに人がいると落ち着かない。前にいても落ち着かないけど。藪に帰りたい。

適当なペースでさくさくと登っていく。
このルートは去年の八月、僕が初めて一人で登山をしたルートでもあり感慨深いものがある。あの時と比べると登りが苦にならないのは体力がついた証拠だろう。

シャクナゲさんはまだかな?
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7:27、弥陀ケ池。前回より当たり前だが早いし足も疲れていない。
この光景は後輩達にも好印象。シャクナゲさんに備えてポイントを稼いでおかないと。
ちょっと休憩してからいよいよ白根山。まあ僕は二度目だけど。



そんなに疲れていないのに呼吸が苦しいのは酸素が薄いからだろう。僕は高山病になりやすいからな経験上。
シャクナゲさんもにょろにょろと現れてくる。
ヒゲに友達がいるぞと声をかけると俺は嫌いやしと冷たい対応。

今日は抜群に天気がいい。雨男のS木君がいるのに。
つい青空成分が多くなる。燕巣山は湯沢峠へと是非歩きたい。奥の尾瀬も今年一回ぐらいは・・。行きたい山は尽きない。
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ここからはちょっと気をつけろよと後輩達に。ここを下りで行くのは後輩達には危険かなと思ったので菅沼からの登りにしたのだが実際どうなんだろう。
登山道の両サイドはシャクナゲさんの支配領域。人の目がなければ一藪行こうぜと行きたいところである。花はまだ咲いてない。
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あの沼達は繋がってるんですか?などと聞いてくる後輩とあーだこーだと話し合う。こういう時にぱっと地図を見ようと思い至らない不具合。大分登ってきた。後は平行移動だ。
手前で×マークのところを無理やり登っていくおじさんがいたが黙っていた。
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南西方面の山々はあまり馴染みがない。笠ケ岳・三ケ峰の稜線が左奥に見えてるのかな。
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8:40、白根山山頂。酸素が薄くてペースが上がらないのと写真撮ったりだらだらしていて時間がかかった。まあ前回よりは早いけど。寝不足影響してるのかな。
約一年ぶりのここはやっぱり展望最高。天気が良くて良かった。
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男体山、小真名子や女峰山辺りがかすんでよく見えない。季節的要因だから仕方ないのか。手前の稜線は後から行く。
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頂上付近はゆっくりできないし社の近くまで来る。
足尾の盟主も錫ケ岳も今年中に行きたい。どのルートで行くかが問題だが。
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平たくて大きな岩があったのでそこに腰かけて休憩。
時間もあるし少し休むかと。
寝る気満々だな君達。寝不足と言っても僕が運転中寝てたろ。
仕方ない奴らだな。・・・・僕もタオルを顔にかけて横になった。
日差しは暖かくほどよい風。やばいこれは寝れる。
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このままでは起きたら夜がありうるので先に進む。9:10。
五色沼。
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避難小屋南西方面、窪地を目指して登山道をガシガシ下る。
ガシガシ下るが石ごろごろなので慎重に。ヒゲが膝に来ると言っている。
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9:45くらい、避難小屋との分岐まで下りてくる。
ちょっと南に進んで窪地入口まで来て休憩。そして窪地突入だ。
ここからがいかに登山道かのように振る舞うかという後輩達との勝負である。
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窪地の地面はなんだかふかふかで心地よい。S木君もこの窪地の光景は面白く満足なようで印象は悪くない。
テープがたまにあったが登山道ですからと納得させる材料に利用した。

もう一つ奥の窪地へ。右奥の残雪を超えて鞍部に行けばいいようだ。
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水さえあればテントでも張りたいが貴重な植物がいるんだっけ。やめておこう。
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10:17、残雪手前にやってくる。
さて雪を避けるか雪の上を進むか。沢の上のスノーブリッジみたく下が空洞で踏み抜いてゲームオーバーはなさそう。滑っても平たい地面にずさーっと来るだけで危険はなさげ。
男達は少年に戻り雪を駆け上がり始めた。
あえなく滑ってスタートに戻るS木君。軽アイゼンもってくれば・・と言っている。
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残雪冒険隊、へばる。一方賢者はストックを使いさっさと登り切った。
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もう一つ残雪の塊を超えると笹藪抜けて鞍部のようだ。
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隣の残雪上でS木君が何かしようとしているようだが?
滑ってみたかったらしい。滑り下りてきたが思ったより楽しくなかったとのこと。
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馬鹿やるのはこの程度にして先に進む。
溝の中に茂る笹。獣道なのか踏み跡を辿り鞍部へ。
登山道なのにおかしいよなぁ?とすっとぼけ。後輩から誰が登録してるんですかこのアプリのルートと言われるが誰なんだろう。コースタイムまであるし。界隈の記録を見てアプリ作成関係者が歩いたのだろうか。

鞍部に10:27。さてここから便宜上の5%の登山道じゃないかもしれないところだ。本当はとっくに登山道じゃないのだがアプリにルートがあるから後輩達にとっては登山道ということでいいだろう。知らないほうがいい真実もあるのだ。
ハイトスさんの記録では藪は大したことはないと書いてあったがどうなんだろうと思ったらご覧のありさまである。
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踏み跡あるのはいいけどテープがあからさま過ぎる。後輩達を丸めこむのに役だったから今日は見逃すが普段なら街に持ち帰っている。

倒木が邪魔だなと登っていく。藪は右サイドにシャクナゲさんがわさわさと。ヒゲにシャクナゲさんどうよ?と聞くと進路を邪魔したら燃やすなどと物騒なことを言い出す。和解は遠そうだ。
尾根を登っていくと白骨化した木々の並ぶ日当たりのいいところに出たので休憩。
取りつきはテープありすぎと思ったがこの辺りに来ると間隔が開いていた。誰かが剪定してくれたのかな。
やっぱり青空がいい。
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白根隠山の西面に恐ろしげな崖が見える。あそこを登る人はいるのか。
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お待たせ!シャクナゲ畑。山頂近くではシャクナゲさんが集落を形成していた。まあ広い場所だからかシャクナゲートに隙間が沢山あるからいいけど。笹の深さもそこそこ。
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続く