岩と灌木のすきまを歩いたりしつつ観音岳近くまでやってきた。
観音岳に到着だ!という達成感は特になくこれでもう登りは大体終わりだなと言う安堵が大きい感じ。
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10:37、観音岳。地蔵岳と比べると地味。鳳凰三山で一番高いのに。
地味なせいかあんまり人が居ない。どこか不憫だ。
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薬師岳はすぐそこって感じがする。休憩せずに行ってしまおう。
左からガスが上がってきた。
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大してアップダウンもないので気分良く稜線歩き。
あちこち雲が増えてきた。白根三山にいる人は気が気でないかも。
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左の岩場の方が山頂っぽいけど、山頂は右のようだ。
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10:59、薬師岳。
山頂辺りは広い砂地で岩場の近くでポーズを取る人もいたりあちこちに人が点在している。どこが山頂かはっきりしないだだっ広さなので人が居る割に窮屈さは感じないのだがゆっくりできる気もしないのでそのまま先に進む。適当な人気のないところで休もう。
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改装だか建て替えだかで工事中の薬師岳小屋が見える。その先の岩場っぽい小ピーク手前で休むか。
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小屋前を通り過ぎ小ピーク手前まできて振り返る。あの岩場でちょっと遊んでも良かったかもとか思ってしまう。
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下っていく先も雲に襲われつつある。
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わりかし疲れつつもありそろそろ休憩・・と思っていたのだが折り悪く小ピークのところで30人規模の団体さんの後ろに着いてしまった。道を譲られてしまったのでどうもと一気に抜かす。これでこの辺りで休んでいるわけにはいかなくなったぞ・・。仕方ないので南御室小屋まで歩きづつける羽目に。

やがて樹林帯に入った。踏み固められてるけどふわふわなところもあって。膝に優しい少し柔らかい地面の方が僕は好きだ。踏み固められすぎた登山道は疲れる。
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山の南面は気に入らないのか気づけばナゲ達も消えて一人寂しく淡々と下りて行く。
11:45、南御室小屋。この時間でも結構テント張ってる。
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ようやく休憩できる・・。片隅のベンチに腰掛けて昼飯を取る。
水場はどこだろう。小屋の人がテン泊者に周辺設備を説明しているのを聞き耳立てるが水場はよくわからない。
この時間ならもうここにテン泊せずに帰る気でいるため泊まりもしないのに水場はどこですか?と聞くのはずうずうしい気がして小屋の人に聞きづらい。
ヒントを求めて山と高原地図を見ると小屋の東とある。歩いて行くと案内があり水場に辿りつけた。冷たくておいしい。
早川尾根小屋で汲んだ水は悪いが全部捨ててここの冷たい水を2L補充。後4時間くらいだし2Lでたぶん足りるだろう。
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正午を過ぎたので下りにかかる。
と思ったらいきなり緩い登り返しだった。ここにきては緩い登りでさえ足に来る。
こういう半端な岩が並んでいるの嫌なんだよな。ふかふかな土ならずりずり進めるのに。
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とはいえそのうち道は水平になり苺平に辿りついた。12:33。
団体さんが休んでいるのでなんとなくそのまま先に行く。
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どこかで休みたいなあと思いつつちょうどいい場所もなく無心で下っていく。ナゲさんもいないし景色もなくつまらない登山道が続く。
20分ほど歩いて少し開けたところ。雲で景色は悪いし団体さんが何組も休んでいたので先に進む。
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わりとこの時間登ってくる人多いんだなあと何度も登りの人とすれ違いつつ。
13:05、杖立峠まで30分と言うところで休憩。大分足に来ている。
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5分ほど休んで樹林帯のキワを歩いて行くと果たして30分で杖立峠に着いた。13:40。
ぐったりと座り込みザックを下して大休止。17時台のバスもあるし流石にそれには間に合うだろう。
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14時近くなって重い腰を上げる。でも15分歩いたくらいで道端の椅子に座りたくなったりして。
登山道横の斜面。本来僕が歩くべきなのはあちらではないのか。
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なにやら霧が出てきた。まあ霧というか雲の中にいるんだろう。時間が時間なのか登ってくる人は居なくなった。後ろから抜かす人は二人いたが前方を歩く人もなし。今になって静かな山歩きか。
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やがて笹が出てきたが六林班峠の道と違いしっかりと道幅分刈り払われている。まあこちらはトラバース道でもないしな。
少し休みつつ疲れた足で下りて行く。平坦になったから夜叉神峠は近そうだ。
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14:50、夜叉神峠。山小屋は廃小屋だと勝手に思い込んでいたが普通におばさんが小屋前を掃除していた。人が居るなんて思っていなかったので箒の音を獣が獲物を引きずる音かと思い怯えつつ近づいたのは内緒だ。
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横のテン場にはテントが一つ。ばててたおじさんのものだろうな。あの様子でここまで辿りつけるのか心配だがまあ他人のことを気にしても仕方ない。
さて、あと一息バス停まで下るか。
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お気をつけてと声をかけてもらい下りて行く。分岐を夜叉神駐車場方面へ。14:53。
ここから40分とある。
芦安中学校作の標語がやたらとある登山道を降りて行く。第一カーブで何か疲れたので気に座り込んだ。まだ時間はあるしな。15:05。
16:10くらいにバスがあったはずだから超のんびり下りても良いだろう。
なんて思いつつバスの時間を見たらこの後のバスは15:41、16:41、17:20だった。何を勘違いしていたのやら。16:41のバスだと下りてから一時間くらい待つことになるぞ・・。
売店で時間を潰せるのだろうがここは一念発起して15;41のバスに乗ることにする。もう足は限界近いのになあと思いつつ重い腰を上げた。
せっせと下りて行く。
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標高も下りてきたし湿度が100%近いため酷く蒸し暑い。もう汗だくである。このまま風呂に飛び込みたい気分でいっぱいです・・。
15:28、夜叉神峠バス停に到着。時計見る余裕もなく(疲れているなりに)必死に下りてきたがもう少し余裕があったか・・。
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さて、問題は乗車券をどう入手するのか勝手がわからないことだ。芦安と違い売り場が見当たらないなあ。先にバス乗り場に並んでいた人に聞いてみると車掌から還ると思いますよとのこと。じゃあいいや。

定刻を過ぎてからバス到着。車掌のおばちゃんに定刻ですから~とバス内に追い立てられつつ何処まで行くのか聞かれる。
バスに乗り込み当然立ったまま。まあ20分くらいだからいいけど。そしてバス内で切符を買う。乗客同士で乗車券と運賃、お釣りのバケツリレー。ぎっしり人と荷物が詰まっており動けないから仕方ない。
時折登ってくる一般車とバスがぎりぎりすれ違う。バスの運転手は流石手慣れてるなあ。やはりこうなることを考えると夜叉神峠までは車で入らなくて正解だった。

芦安駐車場で下りて一息。ジュースでも飲むかと自販機を見るとジュース・スポドリ軒並み売り切れ。皆考えることは一緒か・・。仕方なく茶を買おうとしたら10円の釣銭切れ。これは初めてみた。細かい小銭は持っていたので買う。
ぶらりと第八駐車まで疲れた足を引きずって下りた。

レガシィに辿りつき靴を履き替えて帰る前に寄る所はもちろん風呂。どこがいいのかさっぱり分からずすぐ近くにあった金山沢温泉は通り過ぎてしまった。天笑閣とやらに寄って見る。ロッカー代はただで入浴券は600円なのはまあまあだが狭い。洗い場10人分なくて露天風呂なし。でも地元民は入浴料安いせいか結構にぎわっていた。
お湯自体の湯加減はちょうどいいし源泉かけながしでちゃんとそれっぽい肌触りの湯なのでわりと気分良くゆっくり体を伸ばして疲れを取った。

リフレッシュして眠くなる前に帰ろうと帰途に着く。17時くらい。
中央道で山の帰りに渋滞に会わなかったためしがないんだよなあと思ったら案の定勝沼辺りで事故渋滞7km。のろのろと突破。
さらにその先25km事故渋滞とみて嫌気がさしたので高速を降りた。下道とて混んでいるのだが渋滞の高速道路に金払うより気分的にまし。
結局温泉から3時間以上かけて高尾山ICで高速に乗りその後は順調に帰った。行き3時間、帰り5時間とはやれやれである。途中PAに寄って車から降りたら疲れた右足がぷるぷると凝り固まってびっこ引く羽目になった。


そんなわけでわりと天気も良く南アルプスの稜線歩きを存分に楽しんだのだがやはり人気ルートに差し掛かるとどこか人の多さが気になって。初日と二日目の高嶺までは人は居ても気になる多さではなく、アルプスを歩く時はあれくらいのマイナーなルートが良いなと思った。思い返せば去年のブナ立て尾根は往路は恐ろしい人だったのに復路は同じ尾根なのに本当人が居なくてギャップに怖くなったが時間帯と言うのも重要なんだろう。
ピーカンな稜線は暑かったのだがまあ足尾と比べたら流石に標高分涼しかったのか熱中症で力尽きることはなく。やはりこの季節は標高あげるか沢に行くしかないようだ。アルプスは遠いし人が居るからしばらく行く気はないがお盆はまたどこかに出かけようかな。上手い感じに人気がなくナゲづいている場所があればいいのだが。なにはともあれ暑い季節をうまいこと乗り切りたいものである。