2017.7.22(土)   同行者:みー猫さん
山薊橋先下降点 -高滝下吊橋 -滝川右岸道合流手前で彷徨う -標識と思ったらキノコ -尾根に登りあげる -滝川右岸道合流 -曲沢 -滝川右岸道が荒れ始める -鹿が駆けあがる岩場手前崩壊地 -踏み跡見つからず連続する岩場を下巻く -尾根を登れば藪番現る -滝川右岸道復帰 -金山沢 -倒木とナメ天国 -ゴーロ -金山沢大滝 -地味尾根に登りあげる -登山道合流 -川又分岐 -二瀬分岐 -和名倉山(白石山) -二瀬分岐 -適当に尾根を降りる -川又道合流 -ヒルメシ尾根を下る -最下部で日没 -橋近くでテープ消滅 -踏み跡らしきものを方角合わせて辿る -腐りかけた橋発見 -踏み抜く -国道に登りあげる -川又バス停付近路肩


みー猫さんとの初コラボ。とんでもないアプローチにお付き合い頂いたのだが時期が悪く暑すぎた。


奥秩父で行きたい所の候補の一つして和名倉山を考えていた。地味で200名山にもかかわらずあまり人が来ないようで古道や廃道、地味尾根地味沢を利用すればルートは非常に多く考えられる。いずれも困難は伴うようだが・・。
調べているうち金山沢と言う地味でアプローチが面倒だがナメが多い沢があることを知り暑い季節に沢ジャブしに行こうと思っていた。
そんな折り、みー猫さんが奥秩父に興味を持たれていることを知り一応200名山だし如何でしょうとオファーを出してみたところ快く承諾を頂いたので沢の水量が落ち着く梅雨明けに行きましょうと言う事になった。

さて金山沢へのアプローチであるがいくつか考えられる。
①滝川右岸道。R140から作業道を使って橋を渡りひたすらトラバースして金山沢より先まで続いている廃道らしい。金山沢近辺で怪しげな個所はあるものの4時間程度で辿りつけるようだ。このルートの良い点は水量の多い滝川本流を通過しなくて良いことと下流のゴルジュを通らなくて済む事。

②豆焼沢出会い辺りから滝川本流を遡行し金山沢へ。
滝川本流は水量多いようだし時間もかかり日帰りは怪しい。

③出会いの丘から登山道と廃道利用し金山沢出会い辺りで滝川本流を渡渉する。
沢屋さんの間では主流なようだが滝川本流の渡渉と金山沢下流が心配。

そんなわけで水量の多そうな沢の渡渉とゴルジュを行くよりは廃道の方がまだましだし時間も2時間くらいは短そうなので①の案をみー猫さんに提案した。
帰路は色々考えられるが川又バス停付近へと続く川又道と言う登山道が場所的に利用しやすいと判断。あまり使われないようだがテープはあるようだ。水場もあるしとここにした。最後の腐りかけの橋が気になるところだがOKでたのでここにすることにした。


7/22、前日の予報で昼過ぎからの天気が微妙だったがまあ沢さえ離脱すればなんとでもなるでしょうと行くことになった。みー猫さんも僕も色々(山の?)予定がある身、行ける時に行こうと言う意向である。
三時間ほど寝て一時過ぎに家を出て一路奥秩父へ。川又バス停近くの路肩についたのは三時半過ぎ。みー猫さんは車中泊されていた。僕も五時近くまで仮眠しようと寝た。

四時半くらい、みー猫さんの車から動きがあるような気配。僕も起きだして初めましてとあいさつ。知っての通りブログでは前々よりお世話になっておりニアミスも多く今更という感じであるが初対面である。
起点となる山薊橋先下降点近くの路肩まで僕の車で移動。用意をして歩きだす。
5時。

川側にちょうどいい路肩があったので停めたのだがちょっと早すぎて10分ほど車道を歩く。山側にいくつか路肩があり(グーグルストリートで知ってはいたが)ちょっと気が急いたかなと思った。

日本の夜明けである。
360efc83.jpg



ガードレールの切れ目から作業道に下りて行く。踏み跡思ったより明瞭。右に曲がって適当に曲がった後また分岐これどっちですかねえ?下りる方じゃない?とみー猫さんの判断で左へ下りると橋があった。金属製で僕が乗っても安心。5:20。
11bf6203.jpg



橋を渡り登り返す。最初はテープもあり鉄製階段もあり踏み跡明瞭。現役の作業道のようだ。



しかし歩きだしは良かったものの少し歩いていきなり悩む。
トラバース方面は小さな岩が重なっており歩けるのだがその先不明瞭。
下の方には道がありトラバースして歩いて行けるような・・。みー猫さんは上へと進む踏み跡が正しいんじゃない?との判断。で、上へと進みかけるのだがトラバースする道という既成概念がありこのまま尾根を登るのは違うのでは?と考えてしまう。
そしたら下の方に赤い標識みたいなのを見つけてしまう(僕かみー猫さんどちらが見つけたか忘れた)。じゃあやっぱりあっちでは?と上に進む事に僕が疑念を持っていたこともあり下に進んでしまった。

下に進むとトラバースできそうな感じではあったが赤いのは標識ではなくキノコであった。この時点で戻って登れよという感じではあるのだがトラバースできるし先に進めばなんとかなるんじゃね?という楽天的な考えでトラバースしていく。
どう見ても道じゃないという意見もあろうが廃道で荒れていると言う先入観の元こんな場所もあろうと思っていた。
僕が持参した地図をよく見ると予定より下を通っているっぽいのだがみー猫さんがGPSに入れた軌跡とは何故か大体あっているし僕は自分のスマホのGPS軌跡を信用していないためそのままトラバース。



しばらく進んでまだいけそうではあるがやっぱりこれ道じゃないのでは?と意見が一致。下は踏み跡なさそう。ここで改めてもってきた地図とみー猫さんのGPSを見て、みー猫さんの入れてきた予定ルートは何故か間違っていて印刷してきた滝川右岸道ルート図を信じると上に登らないと行けないのでは?と判断。恐らく最初のみー猫さんの判断、踏み跡で上へは正しかったのである。
水平に通る道は良く見えないが上へと登っていく。斜度がきつい・・。というかまだ6時前なのに暑くて汗だくに。ぜいぜいいいながら寝起きの体に鞭打ち既に満身創痍なんですが・・。
歩行開始から一時間足らず、既にして今日の日帰りに暗雲が立ち込める。
a30d590a.jpg



きつい斜面を登れど登れど踏み跡は見つからず。この角度の斜面じゃ落ち着けないしとりあえず右上の尾根に乗って頭冷やしますかとみー猫さんの意見に異議なしと尾根の上へ。
さてどうしますか?最初の間違えた所に戻るのも手ですねとみー猫さん。それが一番安全というか人として正しいのだが僕は戻るのが面倒なので周辺を探る。
すると果たして少し上に踏み跡がありテープもあった。滝川右岸道合流成功!無駄に体力を浪費して汗だく。失ったミネラルが後を惹かなければいいが・・。塩飴と水を補給。
5:58。




滝川右岸道はテープが時折あり踏み跡もまあわかる。
5分ほど歩くと古い標識。みー猫バスのバス停ではない。東大演習林の看板である。



その先の涸沢先に踏み跡がなく見渡すと上にテープ。そちらに行ってみるがその先が分からぬ。上か下か?と迷うがさっきのこともありここは慎重に踏み跡、テープを探すと上にテープと踏み跡を発見。一段上に上がり沢を渡り事なきを得た。

しばらく安全地帯(と言っても人一人通れるだけのトラバース道だが)が続き体力回復を図る。最初の右往左往と暑さのせいで既にして体力を消費してしまったのだ。
みー猫さんに先を譲り体力回復しつつ進む。休憩しますか?と声をかけて頂くがせめて水の流れる沢まで行きたい。
d70fd666.jpg



危うげなとこにロープがあったりなかったりしつつ6:19、1264m地点南に端を発する無名沢を横切るところで休憩。
冷たい水で手・顔を洗うと気持ちいい。一息ついて生き返る感じ。みー猫さんからレモンのドライフルーツみたいなのを頂いた。クエンさんが効くといいが。
アブが多くて辟易したので鞄をあさると出てきたムヒスプレーを噴霧。みー猫さんにも手渡す。よく知らないが日本ではこれくらいにしか入ってない良下げな成分が入っているとか。



その後は道を見失う事もなくしばらくは安心して歩いて行く。いや、道が細くて気が抜けなかったリはするのだが。
地味に嫌な感じだなと慎重に行く僕。
8ab5e651.jpg



7時ごろ、曲沢と並行する個所までやってきた。
ここは沢としばらく平行し回り込みつつ沢を渡渉して対岸を再び回り込むと調べてきたので注意して進む。
e7a43580.jpg



7:06、曲沢渡渉。渡渉地点は思ったよりスムーズに判明した。



さて滝川右岸道はここからが本番である。
ここまでは釣り人がそれなりに利用しているらしいのだがここから先は極端に人が入らず廃道となった30年ほど前から荒廃の一途をたどっているらしい。
倒木を跨いだりしつつ進む。
こんなんでも思ってたよりはましだな?と感じさせるだけ僕は滝川右岸道に対して身構えている。



小崩壊地にロープあり。滑り落ちたら奈落の底。ロープ使わなくても渡れるけど安心感が違う。渡る前に鹿による落石があり怖かった。
05c66403.jpg



少し真っ当な植林帯の小道を歩いた。こんなとこに植林してどうやって運んだんだろうとか演習林で何をしているのかとか話しながら。
安全地帯を抜けたら倒木潜り抜け。僕は抜けるのが面倒そうだったので上から巻いた。



少しのガレや危うい細い所は日常茶飯事で滝川右岸道の本領発揮と言うところか。
そしてついにやばい崩壊地に来てしまった。鹿がぴょんぴょん駆けあがって行ってすげー!と二人して感嘆していたのだがこの崩壊地、渡った後のルートが分からない。
上の方を見上げるみー猫さんの手も緊張で震えている一枚。
73559fbe.jpg



上の方の岩稜帯は怖いからと下方向に目をそらした僕の一枚。



どうします?これ?と話した結果上の方は怖いから下行きましょうと下の方を通過した。
歩き始めから3時間、汗でスボンがずぶ濡れで既にしてヨレヨレな男がいた。こんな様子で大丈夫か?
fa1574f0.jpg



この先に踏み跡があってくれ!との願いもむなしく現実はこれだよ。



この谷間、20mくらい下りれば傾斜が緩やかになり安全に通過できそうだ。しかし登りあげるのが大変だろうとみー猫さんがロープを取りだす。本人いわく思っていたよりロープが短かったそうだが。
とりあえず谷間を渡るべく谷間手前まで岩場をロープしようで下りる。
そしてロープを伸ばして谷間を何とか渡る。リーチ長くてよかったと思った。

渡ってからナナメ上の小尾根へと這い上がる。
2bb9e0ae.jpg



しかしこの先トラバースしていくのは無理っぽい。
下の方が傾斜が緩やかでトラバース出来そうなので小尾根をしばらく下りて行く。
68c58b85.jpg



しばらく下りてここならトラバースできるんじゃないですかねぇ?と思ったのでいけそうですよと斜めに下りてトラバースして見る。みー猫さんも下りてくる。


トラバースして辿りついた小尾根でまたも行き詰る。この先絶壁なり。もう金山沢は近く下の方から沢の音は聞こえるのだが。
確か読んでくきた記録の一つに岩稜に追いやられて下へ下へと進んだら金山沢の予定地より大分下に出たというものがあった。
今回の僕も下へ下へと来てしまった。そうであるならば上に行けば滝川右岸道に戻れるのでは?幸い今いる尾根は地形図を見ても見た目的にも登って行くのは比較的楽な細尾根。

そんなわけで上に登っていくと突如現れるいつものイキモノが。
"ちょっと汗かきすぎじゃないか?"
動かないナゲさんは楽でいいな。
e1e1ae73.jpg



ナゲと別れて10分くらい、この辺り暑くて記憶もあいまいなのだが確かワイヤー掴んだりしつつぜいぜいと登りあげたら少し平坦で残置ワイヤーや割れた一升瓶のある場所にやってきた。こいつはもしや?!
果たしてその先にテープがありどうやら滝川右岸道に復帰できたようだ。8:49。
7fb39dc2.jpg



"いやあ、なんとかなりましたね""この先は安全だと思いたい・・"などと話しつつ休憩。みー猫さんからきゅうりの浅漬けを頂く。染みるなあ。
お返しにと塩飴を渡すが実はみー猫さん柑橘類のすっぱいやつ苦手らしい。レモンのドライフルーツみたいなのはクエン酸補給に持参されたようだが。

10分ほど休んで先に進む。
こんなんでもさっきまで巻いてたよくわからないルートと比べたら断然ましである。
665a59c6.jpg



5分ほどトラバースすると突如前方に岩稜。道は終わっている。
ここで慌てず騒がず。読んできた記録では最後は適当に金山沢に下りるとあったはずだ。
そんなわけで下を観察すると斜面に踏み跡がある。
角度はそんなに緩くもないが踏み跡を辿るとしっかりしていて滑り落ちることもなさそうだ。こいつはいけますぜと沢へ下りて行った。
fca09804.jpg