2017.9.30(土) 同行者:N田君
白毛門駐車場 -東黒沢左岸道 -東黒沢入渓 -ハナゲの滝 -白毛門沢出会い -二俣(910m)
-金山沢出会い(950m) -丸山乗越辺り -白毛門目指して藪る -1526m地点 -藪番現る -展望地 -ネマガリ&広葉樹with灌木オールスターズ -1608.0三角点 -白毛門 -白毛門駐車場

ナメ天国の沢は素晴らしかった。しかし紅葉藪で記憶が塗りかえられた。


予てよりN田君とは夏の終わり以降槍ヶ岳へ行く予定だった。というのもN田君の友人Aが槍ヶ岳山荘で働いて下り友人Bとともに会いに行きたくその予行演習をしたいとの依頼であった。
しかしながら中々天気に恵まれずそうこうしているうちに9月になり、なんとN田君友人Bに誘われて勢いで土日に行って来たと言う。どちらかというと金曜の夜に出て車中泊、日曜の夜に帰ってくると言うドライブがつらいと思っていたのだが。
登山靴どうしたん?と聞くと運動靴で行ってきましたと言う。先手を打って運動靴でも槍ヶ岳に登れると言う既成事実を作ってくるとはやりおる・・。なお行ってみてここは地下足袋だとつらいなと言う事実は認識したらしいが。
山荘の友人にはまた来るよと言ったらしくじゃあ別ルートで槍ヶ岳行くかと再び予定していたのだがお互いの都合と天気が合わず。結局のところ二人で槍ヶ岳はお流れになった。まあいずれM崎君が帰国したら行くとしよう。

そんなわけで槍には行かないのだが日帰りでどこかへ行こうと言う事に。
じゃあ今年の沢納めしとくか?藪漕ぎもありでというと了解しましたと言う。裏那須の藪よりましなら特に気にならないようだ。
行き先はナメが多く初級者でも問題ないらしい東黒沢。通常はその先ウツボギ沢の枝沢を下りウツボギ沢かナルミズ沢の遡行に繋げるようだが、やはり紅葉の藪漕ぎの方が趣深い。白毛門東尾根を藪いて白毛門へ向かう事にする。
この尾根当然道はなく無雪期の記録は一部のワンゲルか藪愛好者に限られる。情報もあんまりない。それゆえ時間も藪の濃さもいまいち分からないのだが日没までに下山は余裕だろと判断。出かけることにした。


9/30、午前二時過ぎにN田君がやってきた。ヘルメットを忘れたし寝つきが悪くあんまり寝れてないと言う。ヘルメットは滑落しないようにしてもらうとして寝つきが悪くあんまり寝てないのは僕も同じ。久々の藪に血が騒いだんだろう。
まあ運転はいつも通り僕なので助手席でN田君は眠りに着いた。
買いだし・朝飯済ませつつ5時前に白毛門駐車場に着く。こんな時間なのに8割方埋まっていて結構準備中の人が居る。
まだ夜明け前なので少し仮眠することにした。おやすみ。

5時半を回り朝日で目が覚める。眠気とだるさは消えた。N田君を起こして活動開始。車がちょくちょくやってくる。満車になるのも時間の問題だな。
5:53、歩きだす。予報通り朝方は雲が多い。そして寒い。
僕はカッパを羽織りN田君はパーカーを着た。
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駐車場からでてすぐに道が白毛門方向と林道っぽいのに分かれる。ここは一度来ているからこの先白毛門方向ですぐ橋なのは知っている。しかしきりんこさんの記事曰く左岸につけられた道があるしらしい。そんなのあったかなあと白毛門方向に進むがすぐに橋。
もしかして林道っぽい奴が左岸の道なのかとすぐ戻ってその先へと進む。正解だったようだ。

さて左岸道は結構続いているどこから入渓するのが正解なんだろう。
きょろきょろ様子を見つつのんびりと歩いて行く。一つ河原に下りれそうな個所をスルーしたらそのごしばらく下りられる所が無くて。これハナゲの滝まで巻かないだろうな?と思っていたら沢へ下りられる踏み跡。これ幸いと降り立った。
6:12、入渓。といいたいところだがここで登山靴から沢靴に履き替えた。N田君は地下足袋にサワーサンダル装着。今日はストックをしまって両手フリーで行く。
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さて行くかと歩きだそうとしたら少し手前にノーヘル兄さん。N田君のノーヘルもこれで咎められないな、よし。
お先にどうぞと言うがここ初めてなんでと先に行くよう勧められたので先に行く。6:20。

これがスラブってやつか。乾いている部分はフェルトだとよく滑りそうだ。でもぬめってる部分はフェルトの方が良いらしいし。そんなわけでフェルトである。
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5分後、ハナゲの滝手前にやってきた。右側を歩いていたので沢に下りてから左へ移る。
N田君に先登って良いぞとやり観察していると急な乾いた岩で滑り少し苦労。ノーヘル兄さんがそれをみて緩いもう少し手前からのぼっていった。N田君もそれに追随。僕はN田君が苦労していた場所を登る。背が高い分N田君が届かない手がかりが使えるから。
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ノーヘル兄さんハナゲの滝を行く。つかつかと真ん中を歩いて行ったあと様子を窺い水線の左をよじ登って行った。僕らは最初から左を。
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上の方に行くと意外と角度あるなあ。ノーヘル兄さんはそのまま上部で滝を横切り直登して行ったが僕らは横切るとこで滑りたくないので最上部から高巻道へ。
ここでN田君がサワーサンダルを直していたので滝を横切らなくて良かったなと思う。サワーサンダル流されたらこの先困るし。
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5分ほどN田君が再装備している間にノーヘル兄さんは先へ行ってしまった。
僕らも進んでいく。この沢今まできたどの沢よりも沢登りしてる感じあるなあ。難易度は大したことないらしいが。よく考えたら石楠花沢の方がやばかった。
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淵をへつって進んでいく。大岩の下をくぐるとこでザックが引っかかるためしゃがんだら結構濡れた。N田君はスムーズに通過して来る。
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6:45、白毛門沢出会い。ここまで予定通り。まあまだほとんど沢歩いてないけど。
淵が深いのでカサカサと右端を通過して右の東黒沢本流へ入って行く。
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そしてすぐに5×10m滝登場。
N田君にどう攻める?とけしかけてみると。
「簡単なのは右からですよね」
といいつつ左から果敢に攻めて行った。じゃあ僕も行くかと釜を避けて左によじ登っているとN田君がウォータスライダーで滑り降りてきた。
どうしたん?と聞くと最上部が急で滑るから自分から滑り降りることにしたらしい。
N田君もまだまだだな・・・と今度は僕が左の水流を登る。
ウォータースライダーで滑り降りる男が一人増えた。
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その先のナメを進むと直ぐに3m滝。水流右の濡れた岩を登る。
N田君は安全をと見たかさらに右から巻いて登ってきた。
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その先もナメ床が続く場所が多い。これが谷川の沢か・・・。今まで登ってきた沢達とは全く違うな。人気が高いのも頷ける。まあこれで傾斜がきつかったら素人の僕らにはお手上げなのだが。
天気予報は9時ぐらいから晴れのため今は曇っているのが残念。そして寒い。
僕は長袖一枚でもわりとすぐ体温上がるからいいが小柄なN田君はしきりに寒がっていた。
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普通の河原になったと思ったらビーバーのダムみたいな感じで倒木が塞ぐ。深いこと考えず僕らはその上を乗り越えていったのだが実はここがプチゴルジュの入口。トロが深いのでここで左岸で高巻くらしい。
ゴルジュがあることはしっていたがしょぼいので気付かなかった。
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倒木を越えた先でここがプチゴルジュだと気付く。一瞬だし大したことないのだが深い。ここからでも左岸に登れたので小さく高巻き小滝の先へと下りた。
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こんどは右岸をへつってゴルジュ脱出。通常は大きく巻いてこの先に下りてくるらしいがちょっと危ういクライムダウンになるらしいので小さな巻きで正解だったと思う。
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出口の滝はもちろん左へ進む。7:09。
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滝上のナメから河原を通過してしばらくするとまたナメっぽく。
つるりといったらドボンなへつりもN田君はスタスタと歩いて行く。
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7:17、2段7m滝にやってきた。勢いよく水をはね上げている。
瀑泉さんなら滝観賞に精を出すところだろうか。沢においては自称瀑泉さんの弟子である僕らは撮影だけしてさっさと登ることにした。
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プロは左から登るらしいので一段上がって左から観察するもぬめりそうだしずぶ濡れになるのでやめておく。右から簡単に登れるらしいが戻るのが面倒なので左の涸れ沢から小尾根を越えることにした。するとしっかりした巻き道があり容易に越えられた。

7m滝上の釜の深い小滝をへつって越えるとまたナメが広がる。
水の奴いい仕事してますねとN田君も腕組みしてご満悦。
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幅広滝は水流右で行きたかったがそこにいくのが面倒なので左側で登った。7:26
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そしてこの滝上からが圧巻のナメゾーン。以後30分くらいナメ床しか見なかった。
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7:29、910mの二俣。ここは左へ。ポットホールを眺めつつここの滝は真ん中の踏み跡で巻いてしまった。
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滝にはカウントされない程度の傾斜でナメが続いて行く。後は日が差していれば文句はない。紅葉していればもっとか。
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上下横スライド滝についた。下段は三段長さ20mらしい。20mと言っても10mくらいは下の滝っぽい部分の奥にある平和な細い流れだ。
下段は特に問題なく越えて行く。
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続く