そのまま滑り降りたくなる新雪の斜面。
トレースは右から巻き下りているのでそれに従ったが。
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ラッセル未遂な積雪具合が続いている。
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青空キープで行きたいところだが。
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やはり進行方向である北は薄暗い。
風に流されていく雲を見て山頂に着くころに晴れないかと願うがどうみても晴れそうにない。かくも現実は非情なのか。
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ようやく蕎麦粒山が射程範囲内に着たが、既にして事態は晴れる晴れないではなく雪が降る降らないの瀬戸際外交に突入しつつある。
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気持ち急ぎ足になりつつモフっていくと1339m地点の少し手前で正面に蕎麦粒山を捉えて。
1339m地点までは北へ行きそこから左へ少し回り込む形になっている。雲が北から押し寄せてきているような?
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それでも南西は明るく青空見えているし後光も差してきたので山頂に着くまで希望は捨てない方向で。斜面を地道に登っていく。
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破線を横切り左から回り込んで1400mを越え後は真っすぐ北へと登りあげるだけ。
でもこれ曇りどころか雲の中に突っ込んでいく感じがするんですが。
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巻き道との十字路。破線路よりも上を通っている。踊平への巻き道へはトレースがあるが仙元峠方面への巻き道にはトレースなし。まあ随分細くて危なっかしいトラバース道らしいから皆回避するんだろう。踊平からのトレースも合わせたせいか山頂への足跡が濃くなった気がした。
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これ半分吹雪いてるだろ。
上記の写真を取ってさあ最後の登りだと思った直後雪が舞いだした。風が弱いからセーフ。バラクラバ装着しようか迷ったがそのまま行く。
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足を止めずにせっせと歩いて行くと見覚えある岩達が並んだ山頂が。いつもとは違う方面からだが。くるりと回り込んで12:49、蕎麦粒山到着。
やれやれと腰を下ろした。
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東の展望を目当てにやってきたもののご覧の有様だよ。
朝天気予報を見たら昨日と変わっていたのだろうか。
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ここまでスタートから5時間。無雪期コースタイムが4時間だから遅いなあ。トレースありでも50-60cmの積雪あるとこんなものなのか。
カロリーと水分を補給しつつ下山ルートを考える。
ぶっちゃけ時間がない。日没は17時過ぎくらいと考えると持ち時間は4時間あるかないか。無雪期であればピストンが一番早いが笙ノ岩山まではアップダウンあるし時間はギリギリになるだろう。一杯水まで行きヨコスズ尾根下山は比較的アンパイに思えるがこれも積雪があるからトレース次第だ(帰ってから知ったがこちらはトレースがとれなりにあったようだ)。
最速舗装路到達を考えると蕎麦粒山の北尾根が早そうだが無雪期でも年に数人あるくレベルの所でこの視界の悪く積雪のある状況では問題外。一昨年歩いた仙元尾根も歩く人が少ないし北側の尾根なので積雪が気になる。
と、なれば選択肢の多い日向沢ノ峰までとりあえず行くのが妥当か。
20分近く手袋をはずしていたせいで手が冷えてしまった。ほっておくと凍傷になりかねないので慌ててかじかむ手に手袋を装着。
そして今更ながらアイゼン装着。面倒なのでここまでしてこなかったが登りでもした方が良かったのだろうか。休んでいる間に少しだけ雲が薄くなった。13:07、下山開始。
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最初に急斜面を降りてからは緩い登り返しとアップダウンで緩く歩いて行く。日当たりが良いせいか積雪量は少なめ。アイゼンつけたおかげで快適。締まってない雪でもかなりの滑り止めになるな。
南の方は明るいし一瞬光も差して期待したのだが相変わらずここは暗いままだ。
微風なのが救い。
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様々な登山口から来れるからかそれなりにトレースのある稜線を歩いて行くと日向沢ノ峰が近くに見えてきた。雲の中からも離脱しているので雪も止んでいる。このまま晴れてくれればいいのに。有間峠へと北へ進んで行くのが舗装路に出る最短ルートではあるが舗装路歩きは長いしバス・電車をかなり乗り継がないと行けないのでやめておく。
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棒の嶺方面へのトレースを分けて南に曲がると13:57、日向沢ノ峰。当たり前だが誰もいない。トレースはある。今日は御岳山とかいけば晴れていたんだろうなと思ったり。
しかしこの区間も雪は大してなかったように思ってもいつもより時間かかった。
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見返す蕎麦粒山の天辺は雲から出ていた。僕は最悪の時間帯に山頂に着いたらしいな。
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まだ先は長いなと言った感じで。
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少し先の天目山(三ツドッケ)と蕎麦粒山揃い踏みスポット。一杯水方面行っててもなんとか雲の中は免れてたか。
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踊平へと下りにかかるが南斜面なので雪が半端にない。雪があった方が早いのに。
川乗山(川苔山)へ寄っている時間はない。
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急斜面を下ってから緩く歩いて行くと鹿が現れた。一度こちらを振り返ってから逃げだしていく。
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14:22、踊平。
ルート的にはここから獅子口小屋跡へ下りて百軒茶屋方面へと進んで林道に出るのが一番早そうだ。17時前に舗装路に出さえすれば後はヘッデンで歩いても問題ないから。
しかし獅子口小屋跡へのルートは崩壊個所があるらしく閉鎖されて久しい雰囲気。去年もこれは見ているから知っていたがやっぱり復旧してないか。某登山アプリには普通にルートが乗って30分とコースタイムもあるのが恐ろしいところだが。
閉鎖とか関係ねえ!時間がないから僕はロープの先へ進むぜ!とはならない。
また雪が降りだして視界があまりよくないし崩壊しているらしい谷間のルートにこの積雪で進むのは自殺行為。まだ登山道のない尾根を下った方がましだ。20分近く周り道になるが横ヶ谷平までいけば獅子口小屋跡への別ルートあるしな。時間がない時こそ慎重に行くべき。
重要なのは日没までに舗装路に出ること。横ヶ谷平まで20分くらい、獅子口小屋跡までで+30分、林道合流まで+90分とコースタイムから計算すれば17時前にはたぶん舗装路に出られる。急がば回れの精神で僕は横ヶ谷平へ進む事にした。
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続く