2018.6.24(日) 同行者:チェルシーさん
大川林道ゲート -大川林道 -コブキ沢林道(コブチ沢林道・小淵沢林道) -刑部沢林道 -刑部沢 -900m二俣を右 -970m二俣を左 -1150m二俣を左(支沢) -湧き水ゲット -トラバースして1190m二俣右俣へ
-沢形消える(1240m辺り) -モンスターネマガリダケゾーン突入 -県境稜線 -北東に移動
-番屋コル(番屋のコル 1489m) -反射板跡地 -1624m地点 -赤柴山(1634.5m三角点)
-1530m地点 -1530m地点南東尾根(コブキ沢右岸尾根?) -1328m地点北鞍部 -トラバースしてみる -諦める -尾根復帰 -1270mくらいから北東に派生する支尾根 -コブキ沢支沢
-コブキ沢(小淵沢) コブキ沢林道(小淵沢林道) -大川林道 -大川林道ゲート

モンスターネマガリダケとの死闘、そして無雪期赤柴山へ。


今年もこの季節が来てしまった。
誰に頼まれたわけでもないのだがこの時期年一で裏那須の栃木・福島県境を歩くことにしている。まあ既にして裏那須なのか男鹿山塊なのかその辺りの境はあいまいなのだが。
昨年番屋のコル(1489m)まで達したので今年はその続きを行きたい。
問題は番屋のコルへのアプローチだ。北、福島側へと下れば3時間ほどで音金集落へ行けることし昨年の歩きで分かっている。ただ福島側からアプローチすると車が2台いるし林道歩きが相当長い。
折角なので今の時代誰もやったこともやる気も起きないであろう番屋のコルへのアプローチ東西南北制覇もしてみたいとも考え栃木側に目を向けてみる。
どうやら刑部沢を遡行していくと辿りつくようだ。
この刑部沢、最終堰堤までは林道がある。その先は沢屋の対象外で遡行図もないが釣り人は昔からよく入るらしい。奥二俣まではいるらしいがどれがその奥二俣かは不明。グーグルアースで見てもどうも上部は藪っぽい感じはするが尾根よりはましな気がしないでもない。とりあえず記録もないし足跡を残すべくアプローチはこれで。

問題はどこまで県境を歩くか。
番屋のコルから1624m地点、赤柴山を越えて1504mまでできれば歩きたいのだが、この区間恐ろしいことに1624m地点-赤柴山-1504m地点を無雪期に歩いた記録がネット上に公開されていない。正確にいえば慶応大学のワンゲルが秋に県境を縦走しており何枚か写真は公開されているのだが文章での説明はないため参考にはできないしコースタイムも不明。
この県境尾根の無雪期歩きといえばまず烏ヶ森の住人さんの記録を見ろと言うのが基本であるが唯一1624m地点-赤柴山-1504m地点区間だけは残雪期に歩かれているためその藪具合とコースタイムは不明である。
まあいつもお世話になっているしたまには僕がコースタイムを出してくるのもいいだろう。出たとこ勝負ではあるが。
1504m地点までいければ下山ルート・時間は烏ヶ森の住人さんの記録を参考にすればよいのだがその手前、1530m地点からのエスケープも視野に入れた方が良いだろう。
調べてみるとノラさんがどうやって回り込んだのかはわからないが1624m地点からの下りからトラバースし続けて1530m地点南東尾根(コブキ沢右岸尾根?)の途中から1328m地点先へと下った記録を見つけた。下るにつれて藪は薄くなるようでここの利用もありだなと思った。ただノラさんも藪に嫌気がさして赤柴山を目指さなかったというのが気にはなったが。

大体ルートの選定が終わり、あとは裏那須藪開きのお共、N田君と予定を合わせるだけとなったが一度目は天候が悪く延期、そしてこの週末となったがどうも立て込んでいるらしく土曜が無理になり日曜・・・日曜もすみません無理なりましたと言う。事情を聴くにしばらく遠出するのは中々難しそうなのでまた都合がついたら藪な、と今年の裏那須はN田君の同行を諦めることにした。
じゃあ仕方ない一人で行くか。みー猫さんもここは乗り気ではないようだしとなるが、実はこの裏那須藪開きに興味を持ち参加を熱烈志願される方が居た。某登山アプリの知り合いチェルシーさんである。昨年の裏那須藪開きを記録を見て今年も僕が行くことを知り是非ともとアプローチを受けていた。
某登山アプリ、基本は普通の登山の記録ばかりだが中には藪志向の人もいて僕と活動範囲が被る人はたとえば先日ご一緒したbongenkiさんやたそがれさんと先日接近遭遇したきたっちさんがいる。チェルシーさんは那須を中心に活動されている方で先日井戸沢の帰りに一昨年僕がN田君と登った西沢右岸尾根(大倉山南尾根)のゲロ藪を下ったり、大川林道から男鹿岳に行ったりと精力的に活動されている。
裏那須の藪はゲロきついので行きたいですと言われた所ではい無理です、と断るのが普通ではあるが下りとはいえ西沢右岸尾根の灌木オールスターズとモンスターネマガリとの死闘を生き延びたチェルシーさんなら問題ないだろう。その歩きでデジカメを無くされたらしいのだがそれでもなお裏那須の藪に挑もうと言う熱い想いには感じいるものもある。
日曜しか都合がつかないとのことであったが天気も味方して日曜の天気予報が良好に。これも天の導きかと二人で出かけることになった。

6/24、2時まえに家を出て深山湖を目指す。高速下りてから霧が深くて運転が怖かったり寄ろうとしたコンビニが潰れて行て別のコンビニを探したりもしたが4時まえに集合場所到着。30分寝る。
集合時間の4:30になったがチェルシーさんが来ない。これは適当に伝えた集合場所がうまく伝わらなかったかと電波の通じない場所にいたので深山ダムへと移動すると発見。無事合流した。
大川林道ゲート前に移動し準備をする。ドーピングしませんか、とチオビタドリンクを頂いたのでありがたく飲み干す。
5:01、出発。今日もまた先の見えない藪との闘いが始まる。

ぶらぶらと話しながら落石のある大川林道を歩いて行く。ゲートが出来る前、まだ荒れていない頃にチェルシーさんはバイクでここを通ったことがあるらしい。
5:22、コブキ沢林道分岐。林道コブキ沢線だの小淵沢林道だのコブチ沢林道だのどれが正しい呼び名かは知らない。右のコブキ沢林道へ。
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コブキ沢が林道を横切る。見た感じ水は綺麗だ。
その少し先で刑部沢林道が右に分岐する。コブキ沢林道を歩いたノラさんの記録では入口が藪に消えているとのことであったがわりと分かりやすかった。今も釣り人が入るのだろう。5:29。
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藪めいているが笹が狩り払われた作業道レベルの道を歩いて行くとやがて土砂で埋もれて歩きにくい区間が出てくる。松木沢の崩壊林道ほど豪快ではないが。
そんな歩きにくい所を抜けて行くと最後は藪に覆われた中踏み跡は続くが林道は終点。地形図通りで最終堰堤手前だ。
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沢へと下りる踏み跡を辿り堰堤の巻き道は、と探すとそのまま右岸を高巻く踏み跡がある。辿るがこれが結構怖い。片足おけるだけの幅しかなくつるっと言ったら数m滑落だ。ネマガリで確保しながら通過。堰堤直前から法面横の狭いスペースをトラバース。太い木に塞がれていた。木に足の置き場と言う事か切れ目がいれてあったが実はここ沢から10mくらい高い場所。そんなギャンブルはしたくない。ストックとザックを潜らせて匍匐前進で法面と木の隙間を潜った。通り抜けて堰堤の上から。
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その先沢へと下りる所にトラロープあり。釣り師のものだろう。
最終堰堤上の河原で沢靴に履き替えて休憩。6:00。
今日は軽量化重視でハイパーV。
しかしここでアクシデント発生。ザックカバーの小物入れのジッパーが壊れた。仕方なく合羽をザック本体に移す。もう3年間毎週使いづつけてあちこちボロボロだしいい機会だから買い替えるか・・・。図らずも酷使無双してきたザックとのお別れ山行となりそうだ。
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なんだかんだで20分近くのんびりしてしまったが刑部沢入渓。
水は凍える程は冷たくない。
なんとも地味な渓相ですぐに900m二俣。ここは本流である右俣へ。
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しばらく平凡な河原みたいなところが続くが5mくらいの小滝も出てきた。
右の段差を利用してよじ登る。
なお今日の沢ハイパーVだと滑る。
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平凡な沢にちょっとした沢や深い釜が出てきて少し楽しく。
深い釜を持つナメ小滝は右からへつって。
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沢がちょっと左に曲がる辺りでいくか細い支沢が入る。最近のものらしき焚火跡。今でも釣り師が入るようだ。
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刑部沢中滝とでもいうべきか。そんな滝が現れた。
この確実に滑るし濡れるので大人しく左にあったルンゼで巻く。
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その先10分ほど平凡な渓相にナメがちょろっとある中を進むと970m二俣。7:03。
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一段よじ登り右俣を観察。
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進む左俣は小滝をかけて。
なお二俣手前からまるっと巻ける。暇つぶしに直登したが。
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二俣で水量がぐっと減ってしまった。
釣り師がつり上がるのは奥二俣までらしいのだがさっきのがそうだったのかもしれない。
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二俣から5分で4mくらいの滝。水流右をよじ登る。
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すぐ上の小滝は適当に水流左から水流に移動して超えた。
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刑部沢、それなりには楽しませてくれるなと思っていたがやはり地味沢。その上は既にして源流部の様相。これは水が無くなってしまいそう。不味い。
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1010mくらいのしょぼい二俣は左俣に水はほぼ見えず。
ショウキランを見つつ7:25、河原で休憩。
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15分ほど休み先へ進む。いつ水が枯れてもおかしくないちょろちょろした源流域をわっせわっせと登っていく。既にして沢登りではない雰囲気。
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7:56、1150mくらいの二俣。
沢形は顕著であるが本流であるはずの右俣がすごいボサっているように見えた。
藪っていない左に行きたくなる。
新たに導入した高度計、コンパスを見ても右ではあるのだがあえて左へ行ってみた。
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拓けて雰囲気のいい左俣であったがすぐに水流が細くなり数分進むと木の下に消えてしまった。無念。でもこの湧き水は冷たくてすごくおいしそうだ。
トラバースしてさっきの右俣、本流に帰ろうと思うがこの水を汲むか悩む。
悩んだがうまそうなのでここで3L補給。計4.5Lを背負う事に。まあそこまで重くはない。冷たくておいしい水がゲットできたので左俣にきた甲斐はあったか。少し休む。
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水は消えたものの藪がうすい部分が右上にカーブしているのでそちらへ進んでみる。
すると急にガレ沢が現れた。どこから出てきたんだお前と言った感じで。
恐らくこれは1190m二俣の左俣だと思われる。上部はグーグルアースで見る限りガレガレなのだがこんな下からガレているのか。
1624mへ行くのであれば大分楽できそうではあるが今回番屋のコルへ行くため見送る。
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ガレ沢から獣道で藪を突っ切るとボサったしょぼ沢が現れた。
残念ながらこいつが番屋のコルへと続く1190m二俣の右俣だと思われる。
覆いかぶさるネマガリをのけつつ登っていく。
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苔むして少し開けた。それはいいのだが今にも水が枯れそう。まだ1250mにも行ってないのに。
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しょぼ右俣に入って10分の8:30。
水は消えて沢形も消えようとしている。
1250mくらいについた辺りだろうか。
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沢形が消え、ついに裏那須名物モンスターネマガリダケとの死闘が幕を開ける。
尾根じゃないから獣道は皆無。おかげでダニもいなそうではあるが。傾斜があるのでネマガリを掴んで、ネマガリを踏んで、ネマガリで滑りつつよじ登る。
ここまで順調だったのになあ・・・。もっと沢で楽できると思ったが大間違いだった。
傾斜が緩いから藪なのは覚悟してましたとチェルシーさん。心強い。
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ちょっと北西に方向を変えたいがトラバースはきつい。滑る。
隙間を見つけては潜り込む感じで僕らは終わりの見えないネマガリヤブをじりじりと登って行った。
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続く