左俣も出合いは小滝というか1mもしない段差が連なっている。
そのためジャブジャブ進むが出会いからは見えなかった左にまがった部分は釜の深い小滝になっていた。へつるの失敗するとこの季節大惨事なので右の斜面から巻く。適当に登りふと左を見ると落ち口より上へ既に来ていた。トラバースして落ち口横の岩場へ。
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ふと出合いの上を見上げるといい感じに紅葉している木々が見える。地肌が岩のようなので行けないが。
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滝上を進むと崩壊斜面の横に小滝。釜が深いので横を巻く。
その先にプチゴルジュというほどではないが少し両岸が壁になった小滝ゾーンが。
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釜が深い小滝や濡れそうな小滝も左からささっと巻けるので安心。
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階段状で登れる小滝も多い。
空が曇ってしまい紅葉が映えないのが残念だ。
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遊べる小滝ゾーンが続き楽しんでいると左岸から顕著な支沢が入る。地形図にもあるやつだろうたぶん。12:57。本流の小滝は階段状で登れそうなのでへつってから取りつく。肘まで濡れると流石に冷たい。
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小滝はなおも続いて行く。
水苔が洗い流されたのか清潔感に溢れた下流部と違い、この辺りまで来ると水流が少ないのか岩が見るからにヌメっていたりする。登れそうだが大人しく横を巻く場面も。
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下流部と打って変わって小滝が多くなった。RRさんが小滝の多い沢といっていたわりに滝がないなと思っていたが上流部のことだったのか。
滝屋が見るべき大滝は無いし、沢屋がガチでいくレベルでもないから人気がないのは分かる。でも僕にはこれくらいの地味沢が程良く遊べて良いかな。
と、小滝をいくつか登りつつも油断していると前方に今までより大きそうな滝が見えてきた。もしやあれを登るのか?
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13:12、1570mの奥二俣に着いた。まあ最初は1550mの右岸支沢が流れ込むとこかと勘違いしたのだが。
ここまで近づくとよく見えないのだが、正面の右俣はこの上に滝が連なっている。
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やっぱり滝が連なっていると登るのが怖いので予定通り左俣へ。
左俣は水量が大幅に少ない。とはいえのっぺりしているので左から巻くか右俣を一段登ってトラバースするかだが・・・。
とりあえず右俣一段目に回り込んでみると登れそうで2m程度高さなので取りつく。しかし足を置く所が細かいしやたら脆そうなので焦った。急いで登りあげる僕を見てみー猫さんは左の方から高巻きにむかった。
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一段登ってから見る本流の右俣。
遠目に見た時は落差ありそうだし絶対無理だなと思ったが階段状で直登できそうだ。まあ岩がポロっといかなければの話だが。奥まで小滝が連なっている。
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奥の方をカメラで覗きこむとなんだかいい雰囲気だ。右俣を詰めないにしてもあそこまでいくのはありかなあとも思った。
まあ今日は記録のない左俣にどれだけ時間がかかるかわからないのでそのまま先へ進む。
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みー猫さんに先を譲り奥二俣左俣を行く。こちらも水量少ないが小滝が多段に連なっている。東面の沢なので午後になると日が差さないのが残念だが。
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棚状が連なり全部合わせると落差はそれなりにあった。のぼれないやつが出てきたら面倒だなと思ったがそんなことはなく。ただヌメりと岩が脆かったりするのが注意点。
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多段小滝は終わったがその先も小滝が続く。傾斜があるため岩があればとりあえず小滝になる。支沢が流れ込む所は確か右へ右へと進んでいった。
やがて小滝もなくなりただ傾斜があるだけな感じにも。
大分水量も細くなったがしぶとく生きている。出来れば稜線直下で湧いていて欲しい。楽だから。
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13:40、1690mの二俣に着く。左へ行くとダイレクトに1847m地点へいけそうだがすぐに土壁が立ち塞がり、右に行きますかと話しがまとまる。
この辺り参考記録もないので手探りである。
左はぽたぽたと水が垂れている程度、右もガレで水流は見えない。ちょうどこの二俣直下で水が湧いていたのでここで水を汲み大休止。
なんか急に火山チック地層に変わったが毒は入っていないだろう。たぶんな。
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小石の隙間から湧き出る清水。
500mlのペットボトルを突っ込むとわりと早く汲める。
土が入らないしこういう湧き方してる水場は高評価。冷たくておいしいのでとりあえず1L飲んだ。そして今日の夜分、明日分を考えて7L汲む。みー猫さんに呆れられる。
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40分くらい休んで14:18、稜線まで標高150m差くらいを詰めにかかる。
まあ大したことのない距離と標高差だが7L汲んだザックが馬鹿みたいに重い。みー猫さんの後をのろのろとついていく。
そしてよくあることなのだが涸れたと思っていた水流はほどなく復活。ガレで伏流していただけらしい。まあ一応数十メートル分地下で濾過されているしここまできたら本当の水枯れもすぐだろう。気にしない。
ナメ沢でもトウガン沢でも同じことをやった。
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重いし傾斜あるしでちっとも足が前に進まないが1740mの二俣。14:30。水は涸れた。
ここで右に行くか左に行くか迷うがさっさと稜線に出て楽をしたい僕の意向を汲んでもらい、鞍部に出る左へと進む。
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急な涸れ沢を登るとついに沢形は笹藪へと没する。地形図で確認できるすこしでっぱった小尾根へと左に回り込もうとすると鹿道らしきものをみー猫さんが発見。笹を掴みつつ小尾根によじ登った。
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小尾根で最後の標高差50mを埋める。傾斜はましになり笹は鹿が食べたのか薄いし獣道もある。でも7Lの重みに押しつぶされそうだった。
ひいひいいいつつみー猫さんに後れを取りながら県境稜線到着。14:54。
予定通り入渓してから5時間はかからなかった。最後水を欲張らなければもっとはやかっただろうきっと。ザックを下しぐったりとした。
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稜線に出ると思ったより雲は無く、でも風は多少強い。
テントは吹き飛ばされないだろうがバーナーの火が消えてしまいそうだ。
みー猫さんが荷物を置いて先にテン場探しに出る。
一呼吸置いて空身で復活した僕も1847m地点に向けて歩きだす。
少し進むと東の展望が良い場所に出た。
ちょっと休憩がてら秋の足尾を眺めた。
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一足先に1847m地点まで行ったみー猫さんが戻ってくる。風が当たらない場所があったらしい。ふと西斜面下を見ると二人分のツェルトは張れそうな平坦個所がいくつか。みー猫さんに吟味してもらうが風が北西から来るのでやめておく。
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みー猫さんが見つけたテン場へ向かう。1847m地点に取り合えず着。15:07。
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テン場確認の前に皇海山方面の紅葉が良いと言われるので笹藪を少し下りて確認しに行く。釜北のコルから南、西斜面が良い感じに紅葉している。那須とかと比べたらあれなんだろうが、見に来る人間がほとんどいないことを考えると僕には足尾の地味紅葉の方が好ましかった。今日はここまできて正解だったと。
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あれは峰山から南西に延びる尾根だろう。あそこも歩きたいと思ったが今年は無理だった。地形図を見て、山に行って、歩きたい場所は増えるが中々思うように消化できない。今年は怪我もあったが、天気の問題だったり、気が乗らなかったり、良い時期を考えすぎて季節が移り変わってしまったり。行きたい場所を行きつくす日はきっと来ないのだろうが、足尾だけでも心残りなく歩いておきたいものだ。
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頭だけ出した皇海山を眺めてみー猫さんのテン場を確認。狭いけど確かに風が来ない。今日だけは極上のテン場だと思う。ここに確定してザックを取りに鞍部に戻った。
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ザックを背負い戻る途中、またも展望地へ。先週歩いた裏筑波が見える。いつも筑波山だけ見てその北の山は意識してなかったからなあ。意外とこんなところからもシルエットはわかるものなのか。
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狭いけど2人分のツェルトなら余裕じゃね?と思っていたがいざ設営しようとするとやっぱり狭いものは狭かった。二人分縦に並べると左のツェルトは下に滑り落ちそうに微妙に傾斜しているのでL字にすることに。
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しかし張って見るとやっぱり僕のツェルトは左右が結構傾いていた。もう面倒だしツェルトごと落ちることはなさそうなのでセーフと言う事にした。
上下に傾いているみー猫さんもそれはそれでなんか妙な感じだろうきっと。
とはいえ風がこないだけで今日は文句ないのである。
住めば都といったかんじでゴロ寝。
ツェルトというかモンベルのU.L.ドームシェルター1型、これで計四泊目だがテントではなくこちらでも今のところ支障はない。この先もっと寒くなればきついとは思うが。4万近くしたがいい買い物をした。
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軽量化した分こういうものを持ってくるので負担は大して変わらない。
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いつも通りみー猫さんが餅を焼いてくれたりするので僕は麻婆豆腐で対抗して見たが試しに買って見たレトルトの辛口は思ったより辛かった。これは山椒の痺れる辛さ、麻。
家で麻婆豆腐を作る時は豆板醤で辛くして山椒はあまりかけないのが僕の好み。レトルトなんか食べないから味を知らなかった。まあ山椒が強すぎる以外味は悪くないのでパスタを茹でて辛さを和らげる。おいしく食べられたが次山に持ってくる時は中辛にしよう。
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パスタを茹でる時に気付いたのだが160g×2袋持ってきたはずが160gと500gを持ってきていた。他にも食料はあるしこれは2泊3日余裕だな。しないけど。
のんびりと夕飯を食べて後は寝るだけ。
県境なのに何故か電波が入るので天気予報を見る。明日の天気も良いようだ。これなら南岸尾根の紅葉も楽しめるだろう。
翌日の歩きを楽しみに眠りについた。
まあ結局のところ、翌朝になると天気予報は変わっていたのだが。
世の中そんなものである。

二日目に続く。