窪地の南端に辿りついた僕は1901m地点へ向かうべく尾根の端に取りつくことにした。
またもや凍結した急斜面を一登りすると尾根の上に出るかと思ったが、尾根と言うか巨岩の集合体。岩の隙間に乗ったの部分を歩きでっぱりを巻いて行く。
一瞬少し平坦な所に出たがまたもや巨岩ゾーンへ。凍っていてチェーンスパイクが利く分歩きやすかったが。
急斜面を登ると傾斜が緩む。岩峰を右からまいてしばらく平和なゾーンを行くが1860mくらいでまた岩の積み重なった凸凹ゾーン。滑り落ちないように場所を選んで通過。
渡り切ると横の巨岩ゾーンから縦の巨岩ゾーンへ。
ここもまた岩の上にうっすら土がのっているだけなので凍っている今はずるっとしなくて都合が良い。がしがしとよじ登る。
"しゃく・・・"
倒木の上にうっすらと乗った土、そんな所にベビナゲが生えている。
今は良いだろうがこのまま育っても根を張れないと思うのだが。
灌木が生えているのでわりと安定してよじ登っていくと最後はかなり急になったがナゲ達を突き破りようやく岩場の上に出た。ようやく視界が広がる。1890mくらい。9:46。
1901mピークへ向かう前に少し東の岩野上が展望良さそうなので移動。ナゲと針葉樹が邪魔だが。
岩場の上は狭くザックを下すのには微妙だがしばらく今日一の展望を楽しんだ。
10分ほど展望を楽しんだので1901mを目指す。
岩場から先へ行くとナゲと針葉樹が入り組んで面倒。ナゲはさほど邪魔してこないのだがとにかく針葉樹が厄介だ。
ひょいと藪から抜き出したので後は流れでと思ったがすぐに藪入りするようで。
10:08、大岩を避けつつ藪に擦れながら1901mピークにたどりついたのだが藪に覆われ展望はろくにない。横の大岩の上に乗れば展望が得られる気もしたが面倒なので止めた。
少し東に下りると藪から解放されて快適。
このまま下るかと思ったがすぐ先の岩峰を回り込むように登るとここは展望○。
もうこれで三岳の東峰に用はないので北へ下ることにする。
すると北面の武士ことナゲ達が急斜面に繁茂していた。
どうも岩場っぽいし危ういので右から岩場を回り込んで下っていく。
岩がかさなり危うげな個所もあるが適当に下ると急ではあるが土の斜面。トラバース気味に回り込んでおりると急斜面は終わった。
平坦になった1850m辺りでくぼみを回り込み北へ。
尾根上を真っすぐ歩いて行くと日光浴をするナゲ達の姿が。
これは岩場がでてくるか?と思っていると案の定大きな岩場。
ここは右から巻いて下りた。
岩場を過ぎて1840mくらいからの平坦地は今回の行程で最も平和で歩きやすい個所だった。
たまにナゲ日光浴をしているナゲ達がいたがそれも散発的なもので。
藪もなく歩きやすい尾根を進んでいった。
しかし鞍部から登り返して1835m辺りにくると突如藪の番人が牙を剥く。
尾根上をガッチリとシャクナゲートが立ち塞いでいた。
隙間を通ってもその先にもナゲがいるようだしどうしようかな。
少し様子を見ようと右に少し回り込んでからサイドアタックを仕掛けるとシャクナゲートに綻びあり。隙間を縫って尾根の上に出るとナゲの壁は既に薄くなっていた。
その後は藪もなく歩きやすい尾根をぶらぶらと歩いて行く。岩場を歩くこともなし。
広場のコブ付きの木を見て立ち止まる。
10:56、1882m地点に到着。
鞍部手前からは非常に歩きやすい区間だった。
三岳らしくない個所だったともいえる。
何もない平坦なピークに適当に腰をおろし昼食を取った。
10分ほど休んで先へ進む。
ここの西側は入り組んだ良く分からない地形をしているのだが南西、西と進んで鞍部へ行くつもりだ。
斜面を下りて尾根沿いに歩いて行くと小尾根が立ち塞がった。1840mの地形だろうか。よくわからない。
乗り越えて進み1830mの地形図では平坦だが細かい凹凸がある個所を通過して西へ。1820藻辺りで尾根形に出たが尾根上を歩いて行くより左をトラバースしていった方が歩きやすいように思えた。
ここもまたなんとも言い難い巨岩の集まった地形だがトラバースするにはうまいことルートが繋がりありそう難しくはなかった。
11:32、1780mくらいの鞍部に到着。
よくわからない地形を歩いてきたので一休み。
10分ほど休んで1883m地点へ。距離的には大したことがないが傾斜は急なのだろうか。
しかし尾根に乗って見るとそうでもなかった。
平和な地味尾根だが登っていくと岩が出てくる。
適当に間の地面を利用して登って行けるが。
針葉樹の倒木が邪魔な場所もあったが一瞬だけだった。藪の心配はしなくていい。
傾斜が緩むと山頂は近い。
尾根上は木の根が蔓延り歩きにくそうなので左からトラバース気味に。最後は岩の隙間を通過して。
山頂一帯につくとにょろづいたイキモノが久々に現れた。やはり東側より西側が好きなのか。1883m地点も何もなくナゲ達が繁茂しているだけである。12:02。
烏帽子みたいな大岩の上が本当の山頂かもしれないが、まあ危険を冒して登るほどではないな。
1883m地点の岩場を右から巻いて下ることにする。
巻いてから見上げるとナゲ達が僕を見ろしていた。
これが今年のナゲ納めだろうか。
続く
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