2019.1.27(日) 同行者:たくさん
銅親水公園 -バラクラ沢 -1201m三角点 -赤倉山 -大畑山 -茨倉山 -深沢古道-深沢大滝 -林道終点

稀に見る同行者数


僕は同じルートを歩くのが嫌いだ。
一度自分が歩いたルート、多くの人が歩く手垢にまみれたルート。よっぽどの魅力があれば別だが変わり映えのしない景色であるならば極力避けたい。
時間は有限なのにまだ歩いていないルートはいくらでもある。やる気がない時は別だけど、今週は歩くと決めたのであればやはり知らない場所へ行きたいのだ。飽きっぽいとも言う。

そんなわけでみー猫さんからたそがれさん達と赤倉山北西尾根を歩きに行きますがどうでしょうと連絡が来てもはい行きますと即答はしかねた。だって年末歩いたばかりだし。
メンバーはみー猫さん、とくちゃんさんを除いて会ったことがないたそがれさん、ハイトスさん・おKさんコンビにななころびさんだという。勿論会ったことはなくてもいつもブログを見ている先人なので一度お会いしたいと言う気持ちはある。これが福島・栃木の県境で藪開きとかだったら5秒でいきますという所なのだが、最近歩いたばかりの足尾の入り口となればあえてこのメンツで攻め込むような所かなあと思ってしまうのは僕だけだろうか。
ルートを一部だけ被るようにして顔合わせだけ済まそう。日光から足尾に抜ける、黒沢の方から適当に、などと色々考えはしたもののいまいち決め手に欠ける。やっぱ奥多摩に行こうかなあとかも考えつつ土曜日の夕方に明日足尾に行くことだけは決めた。

1/27、4時過ぎに家を出る。いつも通り50号を走り岩宿辺りで50号を離れるといきなり道が全面凍結していた。これは聞いてない。久々の雪道と言うか凍結路と言うか。勘を取り戻すのに時間が必要。コンビニで少し休んで6時近くなったので凍結した122号をいつもより大分慎重に走っていく。それでも6時半過ぎには銅親水公園についた。とりあえず装備を整えつつ先客の様子を窺うがハイトスさん達らしき人影は居なかった。どこかの山岳会っぽい集団はいたが。まあ集合は確か7時だし。

準備はできたがまだ7時にはならない。そして関係者はまだ来ない。結局のところみー猫さんには足尾には行きます、としか返信していないので今のところ僕の行動は縛られていない。暇だし先に行こうかな、違うルートで。そんなことを考えていると見覚えのある車がやってきた。とくちゃんさんだ。これで黙って一人出発と言うのは無くなった。せめて挨拶してからだろう。
そんなわけで到着したとくちゃんさんとしばらく話していると赤い車が一台やってきたので様子を窺う。僕には分かっていた、これはハイトスさんとおKさんだなと。でも自分から話しかけにはいかず出方を窺っているとハイトスさんがこちらにやってきてとくちゃんさんと会話を始める。とくちゃんさんとハイトスさんも初対面同士なので行き先を探ったりしつつお互いが誰かと言う事が分かったようだ。会話が途切れたところでハイトスさんにこちらから名乗ると驚かれた。まあ僕が今日来ることハイトスさんは知らないしね。とくちゃんさんと親子かなとも思ったらしい。

その後準備を始めるハイトスさん達を横目に僕は車に戻った。寒いから。そしてみー猫号にのったみー猫さん、たそがれさん、ななころびさんがやってくる頃には7時半前になっていた。凍結路に手こずって遅刻したんだなと聞かないでも分かった。とりあえずお馴染みのみー猫さんに挨拶してからななころびさんとたそがれさんに挨拶。
雪を見当てにか他のPTがきたりオレンジ装備のハンター軍団がいたりと寒いのに銅親水公園は割と賑わっている。7:35、出発。
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ゲートを越えて歩いて行くとしばらくは先行者の足跡があったものの皆中倉山や松木沢方面に行くらしく久蔵沢方面は足跡なし。大した深さではないが昨夜降ったばかりの新雪が楽しい。
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話しながら新雪の林道を行く。道端のミツマタにみー猫さんが足をとめたり。この期に及んで僕はもう顔合わせ済んだし、一人で中禅寺山方面に行くか1504mピークに利根倉沢からダイレクトアタックでもしかけようかと少し迷いがあった。
ただここまで来て一人で行きますね、とかやると何か空気読めてない感じが酷いなとこのまま赤倉山に行こうと言う気持ちに八割方傾いてもいたが。
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上桐久保沢を過ぎてしばらくいくと作業道が右に分かれる。これを歩くと先月歩いたルートと完全一致。どうしますか?と尋ねると傾斜的にバラクラ沢の方から取りつきましょうとなった。それならば先月と違うからまあいいかと思う。
850m地点辺りでアイゼン装着。久々にアイゼンを付けた結果まず前後を間違えた。致命的すぎる。その後左右も間違えて、直して正しくとりつけたはずだが何か違和感。少し手間取ったこともありここから僕は単独行動でいきますまた後で、という思いは捨てた。沢を渡って尾根末端に取りつく。結構強風が吹いて雪が舞い上がる。普通に寒い。
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赤倉山を西から行くとどこも尾根末端が急と言うのはここも例外ではなく。上に行けば緩やかになるのは知っているがしまっていないこの雪ではどうも歩きにくい。いや、一番の問題はアイゼンがずれはじめたことだったが。何が不味かったのかアイゼンがずれてなんと外れてしまった。この前長さ調節したはずなのに。やっぱりはき古した布の軽登山靴だとソールが柔らかい上に反っているから相性悪いのだろうか。布登山靴の雪に対する防御力はゼロなのでネオプレンソックスで防いでいる。
アイゼンが外れてつけなおすを何度もやるため隊列の真ん中あたりを歩いて行く。
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1050mを越えて傾斜が緩くなるとやはり歩きやすい。しかし無情にもアイゼンはやはりずれる。男体山がすっきりと見えないが歩き心地もスッキリしない。
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皆軽アイゼンの中一人チェーンスパイク装備のハイトスさんにチェーンスパイクどうですかと聞くと団子ができてどうしようもないということもないようで。僕はアイゼンからチェーンスパイクへと換装することにした。アイゼンとチェーンスパイク両方持ってきている辺り僕の優柔不断さが窺える。
今日も中倉山は寒そうだ。
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先月歩いた支尾根を合わせるがやはり雪があると雰囲気が違う。雪がなかったら流石に今回の焼き直しルートは歩いていないのでこれも巡り合わせか。
9:48、1201.4m三角点到着。
雪に埋まっていても三角点はすぐ分かる。先月位置を覚えていたからな。
たそがれさんが早速山名板というか標高板を取り付けた。
皆でワイワイしているとそこらの山岳会団体っぽい気がする。余計なことを考えずただ楽しめばいいのだがふとそんなことを思ったりもする。
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すぐ先の小ピーク辺りで展望を楽しむ。やっぱり雪があると景色が違うなあ。でも去年よりさらに雪が少ない。
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歩きだしは雲が多く思えたが10時過ぎた今は青空成分多め。予報通り。
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撮影するならこの展望地、といった所でとくちゃんさんがポーズを取り写真を取ってもらっている。皆さんは(自分を)撮影しないんですか?みたいなことを言われるが、この風景は人が入らない方が綺麗に思えたりもして。基本ソロ歩きだから自分の写真を撮る習性がないのも大きい。
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赤倉山手前ピークへの最後の登り。それなりに急でここにきてチェーンスパイクの威力不足が露呈。今更アイゼンに戻す気もしないが。みー猫さんの後をついて登っていたらやたら足が滑りこれはいよいよ不味いかと思ったらチェーンスパイクが無くなっていて焦る。でもみー猫さんと後ろにいたとくちゃんさんが探してくれてすぐ見つかった。
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箱庭的風景を眺めてから赤倉山へ。11:02。
さすがにたそがれさんの山名板は一月程度では劣化もなく。
三角点いつもどこらへんか迷うんだよなあなどと言っているとたそがれさんがあっさり雪から掘り出してくれた。やはりプロか。
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何故か僕先頭で大畑山へ。
一列縦隊を振り返る。七人だと七人ミサキみたいだなとろくでもないことを思いついたのはたぶんこの中で僕だけだろう。
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しばらく歩いて行くと突如現れる今日のものらしき足跡。赤倉山までは繋がっていなかったのに。ハイカーではなくハンターのものではないかとの意見に納得。
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景色を見つつぶらぶら歩いて大畑山へ。落ち葉の上に雪が乗った登りは良く滑る。地味に足に来る。
11:47、大畑山。たそがれさんの山名板がセットされた。
ちょうど昼なので昼食を取る。やっぱり雪があると時間がかかるなあと再認識。もっとしまった雪なら話は違うのだろうが。
煮卵やベビースターを頂くが本日持たざる者である僕はお返しに渡せるものがなかった。これが泊まりであれば余計なものを色々持ってきているのだが。
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12時半に歩きを再開。12:47、登り返して茨倉山へ。イバクラなのかバラクラなのか。鳥獣保護区の看板を掘り出して。たそがれさんの新山名板セット。
とくちゃんさんが皆の影と男体山をセットで撮影しようとしていた。僕はちいちゃんのかげおくりみたいで不吉だなあと思ったのだが、ちいちゃんのかげおくりを知っているのは僕だけだった。これがジェネレーションギャップかと思ったが地域教育の違いと言う事で誤魔化した。
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茨倉山から下り作業道で林道へ。ななころびさんからポケモンゴーの話を聞くが僕は開始2ヶ月でやめた飽きっぽい男なので既にして語れなかった。
しかしどうも最近僕の周りでポケモンゴーを秘かに再開している人間はそれなりにいるようで、ヒゲは近所の公園にまた人が増えていると言っていた。先輩なんかポケモン仙人に会うため春日部に行くとか良く分からないことを言っていたし。僕はビッグウェーブに乗り損ねたのかもしれない。

林道を古道へと歩いて行く。遠くにうっすら見える山はどこかなあと思っていたが帰ってからみー猫さんがブログに奥多摩と丹沢辺りの山々と書かれていた。ここからそんな遠くの山が見える気はしなかったのだが見えてしまうらしい。
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林道ショートカットしようとしたらちょっと面倒だったりしつつ古道へ。
流石にこの前歩いたばかりなのでどこが崩れているとかどこで沢に下りればいいかも覚えている。
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大分歩いてこの崖下が深沢大滝だったかなーという辺りにやってくる。いつも上から見るだけで正面から見たことはない。今日はこれが凍っているのを見るのも目的の一つらしい。ヤマレコで前日に氷瀑見に来た人の記録を読んでいたので凍っているのは知っているがどうやって行くかは適当にしか見ていなかった。植林から適当にトラバースしつつ沢に下りて行くんだろう程度だ。
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まあそんな適当加減でも踏み跡っぽいの辿ればどうにでもなるだろうと思っていたのだがそういえば昨夜雪降ったから踏み跡分からないのでは?という致命的なことに気づく。
案の定たそがれさんがここなのではというトラバース道の入り口っぽい所から雪の上に足跡は無くて。
とりあえず適当に進んでみるがこの先進むと滑って危ないかなあと思い適当にジグザクに下りて行く。するとどうもこのルートは違うようだと僕とみー猫さん以外は古道へ登り返していった。もう少し先から改めて下りてくるようだ。
僕は登り返したくなかったので適当にみー猫さんと下りて行った。倒木を潜り沢の方へと下りて行くと相変わらず踏み跡はないが最後6mくらいの急なところを灌木掴んで慎重に下りればなんとかなりそう。
先に僕が沢へと降り立ち、みー猫さんに後続どうですか?と聞くが下りてこないようだ。僕らとは違い正規ルートを見つけて下りてくると思っていたのだが。写真撮って来てと言われたとかいわれなかったとか。
沢には足跡がありどうも正規ルートはもっと下流に下り立つものだったらしい。帰りはこの踏み跡を辿ろう。
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少しまって後続が来るようすがないのでみー猫さんと深沢大滝に向けて沢を登っていく。
たまに氷を軽く踏みぬくのが怖い。しかし10分もかからず僕達は深沢大滝の前に辿りついた。一段登ればその上の方が見応えがありそうだが?
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見上げているとみー猫さんが一段登ってくると言う。
確かに登れそうではあるがアイゼンに履き替えて前爪ないと無理そうだし下りるのは結構怖そうだ。僕はみー猫さんの雄姿を撮影するため滝下に留まることを決意した。2段目の光景は後で写真もらおう。
みー猫さんは危なげなく登って行った。
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みー猫さん2段目テラスに立つ。
2段目の滝も上に登った痕があるらしい。滝前に続いていた踏み跡は一つで帰りの踏み跡がなかった謎は解けた。
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みー猫さんが慎重に滝を下りてから二人で沢を下っていく。
踏み跡は僕らが下りてきた場所からしばし下流へと続いて行く。
やはり沢からの最初は急斜面であったがそこを越えれば後は大分楽に古道へ繋がるようだ。道を逸れた所に石垣があるのは知らなかった。
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古道沿いの石垣、石灯籠の所で皆と合流。5人が来なかったのは僕らが先に下りて行ったものの正しいルートが分からなかったのが大きいようだ。まあ間違いなく正規ルートで下りなかったから最後危うい下り方したしどうぞこちらですと呼び寄せるわけにもいかなかった。僕は悪くない。雪が悪い。
そんな雪も下っていくにつれて段々減ってくる。そして最後は雪ではなく落ち葉に沈む。沢に沈んだら一大事だがそんなこともなく渡る。
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そして最後の1kmちょいが以外と長く感じる。これは道が凍結しているせいだ。あっさりと滑るのであえて足跡を外して新雪の上を行くとこちらの方が滑らない。
これは街中はいってもまだ凍っているのだろうか。
坂を下りれば足尾の街中というところにデポされたたそがれさんとななころびさんの車。当初の予定では街ナゲさんに挨拶するために一人銅親水公園まで歩くつもりだったのだが時間は16時半を回った。今日は寒いし諦めるか。大人しくお願いしますとたそがれさんの車に乗せてもらい銅親水公園に戻った。

銅親水公園に戻り所用があると言うななころびさんは一足先に帰られた。お疲れ様です。
残ったメンツでホルモン焼きを食べに行く流れになる。どうしようかなとここでも迷ったのだが、どうせ途中で肉食べて帰りたい気分だったのでそれならいいかとご一緒することにした。ホルモン焼きの相場は知らないのだがこの前会社の飲み会で行ったホルモン料理のバーと比べるといたく良心的な価格で満足度は高い。凍結していた道路も9割方溶けて運転も気楽。いい気分で家に帰った。

そんなわけで年末とほぼ同じルートの歩きではあったが雪があると全く違う光景なので中々楽しめた。一度お会いしたいと思っていた先人の方々とも一日過ごせたので満足。でもやっぱりこのメンバーならもっと良く分からない出たとこ勝負の場所を歩きたかったというのはある。今度はナゲも加えて一藪行きたいと思っている。