1620m地点へ向けて歩いて行くと次第に傾斜は緩くなり雪原にたどりついた。
山頂が見えたかのように思えるが実際はもっと奥だろう。
IMG_4962
P3200149
平坦なゾーンを抜けて前方のピークへ登っていく。
くの時に小尾根が湾曲しているようだ。
小尾根の上を行くのが安全なんだろうが灌木オールスターズの頭が見えている。気を抜いたら踏みぬくくんだろうな。
P3200158
実際に登って見ると見えていた藪はネマガリだった。踏みぬくのに変わりはないが。
この辺りから足が痙攣し始める。
余りの暑さに汗をかき電解質を失ったらしい。
しかし戻る選択肢は無いのでのろのろ進んでいく。
P3200166
IMG_5039
足がつかれたならストックで補えばいいのだが、大分びびっていた僕は左右には傾いていなくてもピッケルのまま登っていく。1750mくらいにつくと雪の下からナゲ達が顔を出している。
P3200177
踏みぬかないように登り1850mを越えるとナゲ達は完全に氷に閉ざされていた。
エビの尻尾もどきと言うか。山頂は近い。後一息。
P3200189
IMG_5109-PANO
12:30、山頂付近にやってきた。
この辺りは傾斜の緩い雪原になっている。
とりあえず山頂踏むかと思ったが大分足に来ているのでせこせことみー猫さんの方へ歩いてザックを下した。後は下りだから何とかなるだろうたぶん。
P3200212
懐かしのジャクションピークから大烏帽子山・檜倉山・柄沢山と続いて来る県境稜線。
あの藪はきつかった。この季節歩いた方がどう考えても楽なんだろうがせり出した雪庇や傾いた稜線を見ると歩く気にはならない。
藪は死なないからな。やっぱり安全第一だろう。
P3200230
南、東、北へは見渡す限り山しかない。
尾瀬の北西にあるやばい山達もいつかいってみたいものだ。
南の尾根に足跡が続いていたがどこへ歩いて行ったのだろう。滑り降りて登り返した足跡なのだろうか。
IMG_5141

IMG_5139-PANO

12:55まで休んで下山。
北の巻機山へと続く稜線を1809mまで。
午後になり雪が緩んできた感じがする。
P3200265
トラップ注意
P3200278
巻機山から東に続く稜線も、下に見えている沢筋も無雪期に歩いたら面白いんだろうな。沢は難易度的に、稜線は激藪で気楽に歩けないのだが。どうしてもワクワクしてしまう。
P3200279
時間がと体力があれば巻機山までいくんだけどなあ。
叶わぬ夢である。
そして景色を見ながら歩いていると踏みたく。
P3200282
P3200283
IMG_5263
1809mに13:29。
ここからスタンダードな沢筋を下るか威守松尾根を下るかの選択肢があるのだが
みー猫さんは雪崩の恐れがある沢筋を避けたいとのことで尾根へ。
藪尾根ならなんともおもわない感度も雪山だと緊張する。
P3200341
ズルズルと滑りそうな感覚のする雪を下りて行く。
みー猫さんが捕獲された。これは少し回り込むかと思ったら結構大きい空間が雪の下に。
大きく避けてついでに浮力を得るため尻で滑った。
P3200346
P3200347
前方の続いている尾根との落差を考えると結構下らなければならない。
少し急なとこはびびって中腰になりピッケル突きさし下りて行く。
下りは足の負担が少ないのが救い。
P3200357
P3200365
1550mくらいまで下りてくると傾斜が緩くなって大分安心できた。14:03。
この尾根に足跡は見つからないがどうも右の谷間へと下りて行くスキーの人もいるらしい。
P3200369
1500mより下へ下り、前方を見るとどうも威守松山手前の尾根で難易度高いゾーンがあるとみー猫さんが言う。そういえばヤマレコか何かでも見たような。
この時点で僕はずっと尾根通しで歩くのをあきらめた。
それではどうやって下山するかと南側の支尾根を考えるがどうもどの支尾根も細くて斜めトラバースとか強いられるのではないかと怖かった。
一本近づいて様子を見るがいまいち様子が分からず。
1340m地点ちょっと先から北へ下りて広い谷間で離脱するのはどうかと提案。
雪崩を懸念するみー猫さんは難色を示すが谷間も広がっているだろうし細尾根行くよりは怖くない気がしたのでこのルートを推した。
結局北側のそのルートで行くことにする。
P3200383

P3200391
14:49、尾根を離れて北へ下りて行く。
わりと傾斜がきつくピッケル差して慎重に下りて行ったのだがある程度進み少し傾斜がましになったところで、これもうピッケルでブレーキかけて尻で滑った方が楽だなと気付く。
P3200401
IMG_5424
P3200404
滑り降りるのは楽しかった。
しかしやはりブレーキをかけ損ねると危ない。
最後一気に下るかとブレーキかけなかったら少しひやっとした。
IMG_5428
IMG_5435
15:09、滑り降りて一息ついたので谷間を歩いて行く。
スキーの痕があって安心するがみー猫さんはスキーだと雪崩に会う前に滑って先へ行けるからと言う。
対する僕らはもそもそと沈みつつ。
いや、正確にいえばワカンを履いていない僕はみー猫さんよりかなり沈む。
P3200407
P3200408
沢の真ん中を行きたいところだが水流が出ていたりするらしく壁際を行く。
沢の真ん中にぽっかり穴が開いていたので壁をトラバースしていった時は酷くグズグズではまりまくって困った。
1000m辺りで東からの支沢を合わせて谷間が大幅に広くなったため雪崩の危険は回避。
休憩&この先はトラバース無しとみてスノーポン装着。そうしないと沈んでしまう。
やがて沢から左岸に上がり歩いて行く。
無雪期だと藪ってるのかもしれないが今は関係ない。
P3200418
860m地点あたりまで来て16:00。
沢を合わせて左に折れる。
右岸に作業道が通っているがどうせ雪に埋もれている今は関係ないのでそのまま左岸を歩いて行った。
P3200421
やがて地形図の実線道があるはずのところまでやってきたが雪に埋もれているので沢なのか道なのか区別もつかず。関係なく歩きやすいところを行く。
巻機山の登山口へと続く舗装路についたが除雪されていなくて。
心もち沈みにくくなった気はしたが。
P3200428
途中巻機山にでも行ったのかハイカーが後ろから近づいてきたが違うところに車を停めたのか気付けば後ろから消えていて。結局清水集落の東の端に入るまで除雪はされていなかった。
16:47。ようやくスノーポンを外して足が軽くなり、沈まない地面を歩けるので楽になった。
P3200432
一息ついて駐車地へ。
ここまでくればそう時間はかからない。17:05、ゴール。
先にいた車はいなくなり、レガシィの手前に一台停めてあった。
足も疲れたが日焼けが酷い。
途中雪をぬって冷やしたが酷いやけどレベルだ。
日焼け止めを塗れば良かったと後悔した。

明日はどうせ休みなので温泉へ。
金城の里とやらは320円の割に別にぼろくもなかったので悪くない温泉だった。
この前トンカツを食べそびれたのでトンカツ屋を探す。
駐車場は空いていたが中は満席。諦めて別の店に行こうとしたがみー猫さんが粘り腰。
座席を相席させてもらい事なきを得た。
トンカツのたたきはおいしかったがストーブがんがんたいており汗だく。
ゆっくりはできないお店だった。
その後僕が運転して帰ったのだが下山後から花粉症が酷くひたすら鼻をかみつつ帰るのであった。


今回の軌跡
この地図の作成にあたっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用した。(承認番号 平24情使、第26号)
無題

展望は最高だしまさに雪山登山と言った一日であったが反省も多かった。
何を一番反省するかと言えば日焼け止めを塗らなかったこと。この後1週間程日焼けに苦しむ事になった。照り返しを舐めてはいけない。
今回のルート、みー猫さんと予定が合わなかったら一人で行こうかと思っていたがやはり一人ではきつかったと思う。経験が足りない。裏那須辺りと比べてもやはり豪雪地帯は違う。ピッケルの使いどころとか慣れが必要だろう。来年はワカンも買おうかなあと思う。
今年はもう雪山シーズンも終盤であるが、後1,2回は行きたいなあと思っている。