見えてる二段壁(10m滝×2)は明らかに越えられず笑うしかない。
左側もまた壁だ。では右はどうなっているかと言うと水が滴る壁。とても登れる角度ではない。
越えたところでさらにその上に見えざる15m滝が待ち構えているという周到さ。
そんなわけで少し戻りケサマールの赤い壁の滝上で左岸から入る枝沢、というにも細すぎる細流を利用し離脱することにした。
標高あげるしここからトラバースすればいいんじゃないかとも考えたが上部に存在する土壁&ハングゾーンを越えて上に上がり傾斜のきついトラバースはわりと絶望的。
チェーンスパイク持参していても向かったかどうかは不明。道中の沢が地味すぎるので僕が来ることはもうなかろう。
右の笹藪に突入。
こちらも楽な傾斜ではなかったが笹がつかめるだけましで。
さらに登り1784m地点の南尾根ちょっと西側1720mくらいに10:09。このまま小法師尾根に登るのは楽勝なのだがちょっと時間的に早すぎる。
トラバースしていけそうとみー猫さんも言われるのでそれじゃあ行ってみますかと沢復帰を目指して西へとトラバース開始。まあ離脱地点から標高100mくらい上げてしまっているのだが。
何故さっきまで下に板もみー猫さんが先行しているかと言えば答えは簡単。急斜面を登っているうちに僕が疲れて抜かれた。
10分少々歩いて行くと笹が邪魔をしてくるように。それでもトラバースは続行。
もうこの先は壁も待ち構えていないはずだ。いつかれてもおかしくない程度の水量しかないが一応ナメ床?10:27。
沢靴に履き替えるほどでもなかろうと登山靴なので慎重に。
1820mくらい。10:42。
この辺りで沢は左にカーブして小法師尾根と並行して県境尾根へ向かうのだがもう良いだろう。どうせ県境尾根のナゲ達もまだ咲いていないのだ。小法師尾根で帰ろう。
そんなわけで遡行打ち切りをみー猫さんに打診。
みー猫さんが笹のはで細工をして水を汲みやすくしてくれたおかげでペットボトルへ自動で取水するシステムが完成した。水は冷たくてうまい。
パッケージは南アルプスの天然水だが中身は足尾の天然水。
この後ピーカンの小法師尾根歩きなので3Lくらい汲んだ。
といっても尾根は本当にすぐそこで徒歩1-2分。
さっきの水涸れ地点は小法師尾根を歩いてきた場合すごくいい水場になるのではないだろうか。
県境尾根からもそんなに遠くない。
こんなヌタ場の水をろ過して飲む必要はないのだ。
小法師尾根を適当に下りて行く。
袈裟丸の東側、谷間に残雪がぽつぽつと見えて今年はやっぱり残雪の多い年だったのかなと思う。
1690m地点への登り返しでピンク色の者たちが見え隠れ。
期待して歩いてくと消費期限切れのアカヤシオ達が一週間遅かったらしい。
まあそれなりに株数が咲いているのでナゲと違って地味尾根を彩ってはいる。
休憩して昼食をとることに。
陽射しの遮られたちょうどいい所は・・・と探っているとナゲ登場。
もう少し頑張れよ。
この程度の地味尾根がちょうどいい。
アカヤシオの残滓は結構楽しませてくれた。写真映えはしないが。
まあ最後は端の方で笹藪を突っ切る必要があるのだが真っ正面から突っ込むのとは疲労の差が段違い。
アカヤシオがまたも現れて。やっぱり満開の時期に見たかったなあと思っていたら少し前にYoshiさんが満開のアカヤシオを見に来ていたのを帰ってから知った。
盟主の頭がチラリ。
たそがれさんの山名板は健在。何か化粧しているなと見るとアカヤシオの花びらが乗っていた。ナゲに誓って言うが僕がのせたわけではない。この辺りアカヤシオが多いのだ。
小法師岳南尾根を下って帰るという案もあったのだがまだ時間もあるし南尾根にはナゲがいないので久々に巣神山まで縦走して帰りたいと提案しみー猫さんの了承を得る。歩きを再開。
ぶらぶらと東進。ワラビ生産工場は時期を過ぎたようだ。
天然芝生で気持ち良さそうな斜面だがナゲはいなさそうだ。
どこでナゲ見たんだったけなあと記憶を探る。
やつらと邂逅したのは確か二年前に庚申川を渡渉して小法師岳に来た時で。そう考えてみると確かもう少し東に進んだところだったような気がする。
巣神山への稜線とは別方向だ。仕方がないので諦めた。
シロヤシオも大して花がついてないし終わったなと思っていたら何故か活きのいいミツバツツジが出てきた。みー猫さん大歓喜である。
1425mへの登り返しで疲労から足の重い僕とは対照的に足取り軽くミツバへ向かっていくみー猫さんの姿が。
ひねくれ者か。
砥草沢の源流であまり水を汲まれなかったらしい。
今日は暑かったから予想以上に水を消費したと見受けられる。
僕は3L補給していたので流石に余裕だった。
4年前来た時はひっくり返って地面に落ちていた山名板。適当に岩の上に置いて僕は帰ったのだが取りつけ直した親切な人がいたようだ。
ヤマツツジは結構咲いていた。
後は唐風呂林道をぶらぶらと。暑い。
まあこれだけピーカンだとなあ。
この後2ヶ月先まで快晴の登山はできないとこの日の僕は知らなかった。
帰路はみー猫さんとルートが違うので近くに店もないので現地解散した。
僕は水沼温泉に寄って帰った気もするが2ヶ月前なので記憶が無い。
そうなる前に記録書いとけよと言う話だがまあ仕事が忙しくて気力が無かったのである。
今回の軌跡
餅ヶ瀬川本流はひたすら地味なゴーロ歩きだった。
この地図の作成にあたっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用した。(承認番号 平24情使、第26号) |
餅ヶ瀬川本流はひたすら地味なゴーロ歩きだった。
ハンペイガマ沢出会いから先のナメはちょっと楽しいがもう遡行も終盤だし。
そして待ちかまえるケサマールの赤い壁を巻き上がればラスボスが待ち構えていると言う隙のない二段重ね。まあ面倒だがチェーンスパイクと懸垂下降の用意をすれば右岸から巻けたんだろうとは思うが大分面倒だろう。一応ラスボスの姿を拝んだので僕はこれで任務完了としたい。
砥草沢の源流、湧き水の水場は小法師尾根から徒歩1-2分なので結構使えると思う。まあ真夏だと枯れているかもしれないが真夏に小法師尾根を歩く人はいないだろうきっと。
思いの外ミツバが良い感じでみー猫さん大喜びの終わりとなったがナゲ達とのふれあいが足りなかった僕は心にしこりが残った。これが翌週のナゲの巣探しへと繋がったのである。
コメント
コメント一覧 (6)
今頃のアップで覚えてるの難しいでしょうが、一回メガネを飛ばしたのでしたね!
最後の詰めを沢に戻ったのは正解で、水も冷たくて美味かった♪
花が眩しくて、今見るのはとても新鮮です。
どうもお疲れさまでした!
ふみふみぃ
がしました
それにしても,砥草沢(本沢)遡行とは,お疲れ様でした。
ラスボスに興味が無いかと言われると微妙だけど,それまでのゴーロが長そうダシねぇ。途中にあるのが,ケサマールの15mくらいだとなると・・・。
まぁ,ふみふみぃさんやみー猫さんの記事で,満足しておくことにいたしますヨ。
ふみふみぃ
がしました
そういえば眼鏡を飛ばしましたね(笑)。確かトラバース中のことでした。
あのまま尾根に出ていては詰まらなかったしいい水場も見つけられたので正解でしたね。
夏になるとアルプスの気持ちのいい稜線歩きが出来るのはいいことですが、身近な地味尾根で花見が出来た初夏が既にして懐かしくなっています。
ふみふみぃ
がしました
どうもこの頃仕事が忙しく中々記録をかく気力がわかなくて(笑)。
砥草沢(本沢)はあんまり記録が無いので行ってみました。ゴーロが思ったよりもひたすらつづいたのは退屈でしたね。小足沢の途中もゴーロゾーンが続きましたがあっちは後半に小滝が連続したりしますし。沢登りのつもりで行く沢ではなかったですね。
そのくせラスボスとケサマールの赤い壁は難儀すると言う。
わざわざ行くようなとこではないのですがネタが尽きたら行ってみてください(笑)。
ふみふみぃ
がしました
明けましておめでとうございます!!
ヤマレコで「ケサマールの赤い壁」なんて勝手に名付けちゃったsoyano999です(;'∀')
この年末年始で、再び行ってきましたよ~!
結局、砥草沢の右岸の尾根に逃げましたけど…(;^_^A
赤い壁、凍ってましたよ~(^▽^)/
その上の凍ったラスボスも、チラ見えしましたが、あれは無理だー…(;'∀')
自分的に、ひと段落ついたので、ふみふみぃさんの記録を見たくて来ました。
さすが…!!の一言です!!
凄いメンタルと体力ですね…。まさか、もう一度沢に戻るとか…、巣神山まで行っちゃうとか…。
おみそれしましたm(_ _"m)
素晴らしい記録、楽しく読ませていただきました(^^)/
ありがとうございました!
砥草沢、完全遡行には、滝が凍った厳冬期にアイスで登る以外にないと思いました。もっとアイスが上手くなれば登れるかなあ~なーんて…(^▽^;)
技量を上げて、地道にこれからも挑戦を続けていきたいと思います。。。
ふみふみぃ
がしました