濡れた藪をしばらく下っていくと9:03、1470m辺りで少し藪の薄いスペースが見つかったため休憩することにした。
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bongenkiさんが甘酒の行動食としての有用性を語り出し、少し分けてもらった。
藪入りしてから先頭を歩き続けるきたっちさんであるがまだまだ余裕シャクナゲさんのようでしゃきっとしている。一方僕は水のペース配分を考えていた。
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10分ほど休んで先へ。
1460m辺りから鞍部への下りは栃木側は肩より低い笹藪で歩きやすく。
これでガスってなかったらさぞ展望もなあと口惜しい。
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登り返しでしばしジャングル探検。
1470mくらいから1504mに向かう稜線では栃木側が藪が薄く捗る。
こういうのが続けば快適なのだが。
まあいくら快適でも無雪期にここに来る人間はほとんどいないだろう。
僕も烏ヶ森の住人さんの記録を見ていなかったら歩いているか怪しい。
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1504m地点近くで花を咲かせたハクナゲさん。この時期(6月上旬)に咲いているハクナゲさんはあんまりいないだろう。標高低めだからか気が早い。
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対抗して?1504m地点山頂辺りに佇むみー猫さん。
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1504m地点にあった石柱。9:50。
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1504m地点から西へ進むとさっきまでと打って変わって深い笹藪となる。下りなのが救い。
そして下っていくと肩の高さだった笹が肘くらいまでに低くなるのも救い。
きたっちさんのコンパス紛失騒動がありしばらく捜索するも実は背中側に回っていただけで落としていないことが分かり安心。
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ずっと藪ではあるものの困難な濃さではなくたまに獣道も拾えたり。
藪の番人も尾根横で大人しくしているので僕らは順調に進んで行った。
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1504mから下って行った1400m鞍部辺りで休憩。10:22。
藪の薄いところを見つけたら休憩しておかないと次のオアシスが見つかる保証はないのだ。
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15分ほど休んで先へ。
少し登り返すと西方への展望が開けた。
眺めも良くて歩きやすいボーナスステージである。ガスが晴れた今のうちだけのチャンス。
黒滝股山も見えている。一日天気が良かったら立ち寄る余裕があるのだが今日は雨が降る前にさっさと手前で退散だ。

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振り向けば1504mピーク。
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ハクナゲさんも御立会い。
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ベニサラサドウダンも今日はただのオブジェであり、尾根上に立ち塞がらず。
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しかしナゲ達は主役は俺達だとその前に立ちふさがった。
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前方1427m辺りの稜線、藪の薄いバンドが見えるがあそこを歩ければいいのだが。
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何故か藪中に存在した石柱などを見つつ藪を漕いで行くと、さっき見えていた藪の薄いバンドへ。
無事歩けるようで安心。ボーナスステージ。
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尾根から少し見下すと隠れ家で鹿が寝ていた。
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ずっとこういう稜線歩きなら楽なのだが。
それならばここも人気が出るだろうか。出ないだろうなあ。
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1380m辺りから現実(藪)へ帰ってくる。
1370m辺りで南に支尾根が分かれるのだが県境尾根よりそちらの方が明瞭。先頭のきたっちさんが引きこまれたので呼び戻す。ここは注意すべきポイントだろう。
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あれが今回の県境尾根の終着点、1389mピークだろうか。
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さほど濃くもない笹藪を進んで行き11:31、1350m小ピークの北東鞍部から少し登り返した辺りで30分ほど休んだ。
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歩きを再開し20分ほど藪を漕ぐ。やはりメインは笹でたまに灌木。
裏那須の藪にしてはかなり優しい部類と言える。やっぱりハイマツやナゲとの空中戦が無いと捗るなあ。
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あっさりと1389m地点についたのが12:27くらい。
何かないかと探すみー猫さん。
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つきましたか!と喜ぶチェルシーさん。
なおこの頃には皆上着を着ていたが暑がりの僕ははおらず歩いていた。
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何もないなあと思ったが木の枝に古いピンクテープがボロボロになりつつもついているのを発見。こんなとこにくる物好きが居るんだなあと自分達を棚に上げて笑う。
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とりあえず今回の県境尾根歩きはここまで。
雨が降る前に下山することにした。
1389m地点から南東尾根への分岐を見逃さないように進む。
最初は薄い笹藪だったが南東尾根に入ると少し密に。そして針葉樹藪が混ざったり足元見えないのに急な段差があったりとわりと気が抜けなかった。
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1260m辺りまで下りてきて12:48。尾根上に大岩というか岩峰が立ち塞がる。
幸いにして烏ヶ森の住人さんの記録で予習してきているので落ち着いて右から巻いて行く。
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しかし思ったより岩峰が続く。1230m辺りまで下りてこのままでは尾根から逸れてしまうので少し危ういが基部へとトラバースしてみる。
みー猫さんとチェルシーさんはもう一段上でトラバースして行った。
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とりあえず基部まできてみると細いが足の置き場がありトラバースして支尾根上へと回り込めるようだ。先に一段上からトラバースしていったみー猫さん達が言うにはここまでくれば岩峰は終わり支尾根を下りられるらしい。
岩を回り込んでいく。
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支尾根に復帰、12:59。藪だし急だが岩ではないので下りられる。
何故か笑顔のみー猫さん。
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その先で僕以外は下りの途中で装着していたチェーンスパイクを外す。僕は確か軽量化のため持参しなかった。
たまに尾根上の軽い藪を避けて少し左に寄ったり微妙に紛らわしい支尾根があったりするが概ね尾根上を順調に下っていく。大岩より上は密藪だったが県境尾根への出入りとしてはかなり歩きやすい尾根に思えた。
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1000mまで下りてきた13:28、一休み。
下りになると元気になる僕は林道がすぐそこなのでさっさと下りる気になっていて。そのため少し離れて先頭を歩いていた。
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8分ほど休んで林道へ。
崖になっていたら面倒だと思ったが思いの外すんなりと着地。13:42。
後は雨が降る前に帰るだけ。
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ぶらぶらと歩いて林道消失個所。
ネオプレンソックスの僕はどうせ靴も汚れているから洗おうと沢ジャブで通過。
きたっちさん以外の三人は狭いところをへつって。
きたっちさんは飛び石渡渉して河原を。
この後誰とは言わないがチェーンスパイクを洗おうとして滑り前転からの沢ジャブを決めた人がいた。怪我が無かったので笑い話。
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きたっちさん河原から帰還。
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後はなんということもなく林道を歩いて15:37、駐車地にゴールイン。
ちょうど直後に結構な雨が降り出した。やっぱり今日は早めに退散して正解だったようで。
連日の歩きで眠いと言うみー猫さんは先に帰り、残りの僕らは幸乃湯温泉に寄った。
結局その後温泉で気が緩んだのか眠くなり、僕は高速のSAで2時間ほど仮眠してから帰ったのだが。みー猫さんの選択とどちらが正解だったのか。まあさっぱりしたかったのでこれはこれ。

今回の軌跡 
この地図の作成にあたっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用した。(承認番号 平24情使、第26号)
無題


今回のルートは過去一番藪が薄かったように思える。
恐らく1500mより下のため灌木オールスターズが大人しくしているからだろう。
この先の稜線も恐らくそんな感じで楽なのは良いが少しさびしい気持ちもある。
コブキ沢は少しは沢登りが楽しめるかと思ったがとんでもない。堰堤だらけのどうしようもない沢だった。今年二回目の沢も不発に終わってしまった。
例年六月にしか藪いてこなかったこの山域であるが日は短くなるとはいえ気候的には秋の方が向いているし、今年は秋にも続きをあるこうかと考えている。