濡れた藪をしばらく下っていくと9:03、1470m辺りで少し藪の薄いスペースが見つかったため休憩することにした。
bongenkiさんが甘酒の行動食としての有用性を語り出し、少し分けてもらった。
藪入りしてから先頭を歩き続けるきたっちさんであるがまだまだ余裕シャクナゲさんのようでしゃきっとしている。一方僕は水のペース配分を考えていた。
1460m辺りから鞍部への下りは栃木側は肩より低い笹藪で歩きやすく。
これでガスってなかったらさぞ展望もなあと口惜しい。
1470mくらいから1504mに向かう稜線では栃木側が藪が薄く捗る。
こういうのが続けば快適なのだが。
まあいくら快適でも無雪期にここに来る人間はほとんどいないだろう。
僕も烏ヶ森の住人さんの記録を見ていなかったら歩いているか怪しい。
そして下っていくと肩の高さだった笹が肘くらいまでに低くなるのも救い。
きたっちさんのコンパス紛失騒動がありしばらく捜索するも実は背中側に回っていただけで落としていないことが分かり安心。
藪の番人も尾根横で大人しくしているので僕らは順調に進んで行った。
藪の薄いところを見つけたら休憩しておかないと次のオアシスが見つかる保証はないのだ。
少し登り返すと西方への展望が開けた。
眺めも良くて歩きやすいボーナスステージである。ガスが晴れた今のうちだけのチャンス。
黒滝股山も見えている。一日天気が良かったら立ち寄る余裕があるのだが今日は雨が降る前にさっさと手前で退散だ。
無事歩けるようで安心。ボーナスステージ。
それならばここも人気が出るだろうか。出ないだろうなあ。
1370m辺りで南に支尾根が分かれるのだが県境尾根よりそちらの方が明瞭。先頭のきたっちさんが引きこまれたので呼び戻す。ここは注意すべきポイントだろう。
裏那須の藪にしてはかなり優しい部類と言える。やっぱりハイマツやナゲとの空中戦が無いと捗るなあ。
あっさりと1389m地点についたのが12:27くらい。
何かないかと探すみー猫さん。
なおこの頃には皆上着を着ていたが暑がりの僕ははおらず歩いていた。
雨が降る前に下山することにした。
1389m地点から南東尾根への分岐を見逃さないように進む。
最初は薄い笹藪だったが南東尾根に入ると少し密に。そして針葉樹藪が混ざったり足元見えないのに急な段差があったりとわりと気が抜けなかった。
幸いにして烏ヶ森の住人さんの記録で予習してきているので落ち着いて右から巻いて行く。
みー猫さんとチェルシーさんはもう一段上でトラバースして行った。
とりあえず基部まできてみると細いが足の置き場がありトラバースして支尾根上へと回り込めるようだ。先に一段上からトラバースしていったみー猫さん達が言うにはここまでくれば岩峰は終わり支尾根を下りられるらしい。
岩を回り込んでいく。
何故か笑顔のみー猫さん。
たまに尾根上の軽い藪を避けて少し左に寄ったり微妙に紛らわしい支尾根があったりするが概ね尾根上を順調に下っていく。大岩より上は密藪だったが県境尾根への出入りとしてはかなり歩きやすい尾根に思えた。
下りになると元気になる僕は林道がすぐそこなのでさっさと下りる気になっていて。そのため少し離れて先頭を歩いていた。
崖になっていたら面倒だと思ったが思いの外すんなりと着地。13:42。
後は雨が降る前に帰るだけ。
ネオプレンソックスの僕はどうせ靴も汚れているから洗おうと沢ジャブで通過。
きたっちさん以外の三人は狭いところをへつって。
きたっちさんは飛び石渡渉して河原を。
この後誰とは言わないがチェーンスパイクを洗おうとして滑り前転からの沢ジャブを決めた人がいた。怪我が無かったので笑い話。
ちょうど直後に結構な雨が降り出した。やっぱり今日は早めに退散して正解だったようで。
連日の歩きで眠いと言うみー猫さんは先に帰り、残りの僕らは幸乃湯温泉に寄った。
結局その後温泉で気が緩んだのか眠くなり、僕は高速のSAで2時間ほど仮眠してから帰ったのだが。みー猫さんの選択とどちらが正解だったのか。まあさっぱりしたかったのでこれはこれ。
今回の軌跡
今回のルートは過去一番藪が薄かったように思える。
この地図の作成にあたっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用した。(承認番号 平24情使、第26号) |
恐らく1500mより下のため灌木オールスターズが大人しくしているからだろう。
この先の稜線も恐らくそんな感じで楽なのは良いが少しさびしい気持ちもある。
コブキ沢は少しは沢登りが楽しめるかと思ったがとんでもない。堰堤だらけのどうしようもない沢だった。今年二回目の沢も不発に終わってしまった。
例年六月にしか藪いてこなかったこの山域であるが日は短くなるとはいえ気候的には秋の方が向いているし、今年は秋にも続きをあるこうかと考えている。
コメント
コメント一覧 (2)
6月9日だったですね。記事を書くにして良く覚えてられるなと感心です。やってることのリスクは同じなんですがこれだけの人数で行くと怖くないです。単独で行くのとは全く次元が違うなぁと実感しました。それとご本人の名誉のため追記しますと、チェーンスパイク洗おうとして前転したけど、沢ジャブまではならなかったですよ(自分じゃないよ~笑)
ふみふみぃ
がしました
今まとめていると大分うろ覚えです。チェーンスパイク洗おうとした人が沢ジャブまでは行かなかったこととか(笑)。
涸沢の滝登りとかわりとリスクある動きしてますがこれだけ人数いると熊も出てこないだろうとか藪も数の暴力で突破したりとかやっぱり単独と違う安心感ありますね。調子に乗ってリスキーすぎる動きはしないように注意ですが(笑)。
ふみふみぃ
がしました