2019.9.14(土) 同行者:みー猫さん
宝川温泉手前路肩 -林道ゲート -板幽橋6:42 - 板幽沢左岸の仕事道跡 -板幽沢合流1030m辺り -大滝 -布引沢出会い -菊石沢出会い -奥布引沢 -源頭草原 -天上の楽園  -苦難の密藪 -布引山 -布引山南西尾根 -ナルミズ沢(1340m辺り) -左岸テン場

布引山でナゲが待つ。

三連休はアルプス辺りに行こうかなと思っていたら、みー猫さんに予定を聞かれた。
とりあえず南アルプスか北アルプスの某所と連絡するがどうも台風のせいか天気が悪いようで。
いくつか行きたい場所はあるのだが紅葉に合わせてといったポイントが多い。天気予報的には谷川なら一泊二日は保障されているようで。紅葉時に行きたい本命はとりあえず置いておきそのうち気が向いたら行きたいストックを一つ消費することにした。板幽沢から布引山だ。

谷川の沢は初級者お断りな場所が多いのだが宝川支流の板幽沢・ウツボギ沢・ナルミズ沢は僕でも行けるレベルのようだ。
ナルミズ沢は言うまでもない人気の沢。ウツボギ沢もそれなり。大して板幽沢はいまいち人気が無いと言うか真っ当に沢やってる人が東メーグリ沢か西メーグリ沢からの下降に利用している程度のようで。ちなみにこのあたり僕も持っている白山書房の"奥利根の山と谷"に準拠するのであれば地形図の赤羽コボラ沢が西メーグリ沢で、地形図の西メーグリ沢が東メーグリ沢だったりとややこしいようだ。その辺りの沢はワンランク上っぼいので僕が行くことはないので別にいいのだが。
ともあれこの板幽沢、上流で左俣の奥布引沢と右俣の菊石沢に別れる。西メーグリ沢(地形図表記)から稜線を乗り越して下降するのであれば菊石沢がメインのようだ。藪漕ぎが少ないからだろう。地形図の1626m地点の西の方に地形図では標高が書いていないが1694mのピークがある。これが布引山だ。残雪期には山スキーでよく通過される山のようだが無雪期にはきっつい藪漕ぎが避けられないため滅多に登られていない。赤羽コボラ沢(地形図準拠)-奥布引沢を繋げた場合に通過する程度のようだ。まあ山奥のマイナーピークにはよくある沢屋だけに開かれた山、しかも通過するだけ。そんな山である。そんな中、布引山にどうしても行きたいという奇特な方の記録が見つかりこれはとても参考になった。板幽沢・奥布引沢往復であるがこれを見て僕も布引山に行くになったと言っても過言ではない。

とはいえ僕は布引山と板幽沢をピストンする気は毛頭ない。ここまできたら南西にあるナルミズ沢も遡行したくなるのが人情と言う物。
奥布引沢を遡行し稜線を乗り越して支沢でナルミズ沢、または逆パターンという沢屋さんの記録は見つけたがどうも懸垂下降が複数回必要だったりとわりと面倒なようだ。
とはいえ僕はナゲ屋である。別に沢なんか下る必要はない。布引沢南西尾根を藪漕いで下ってナルミズ沢にいけばいいのだ。無雪期に布引山へ行く人間は沢屋しかいない=尾根を下った記録は皆無なのだが地形図見る限りどうとでも歩けそうだ。藪は下りなら気合で何とかなる。
みー猫さんのOKも出たので出かけることにした。

9/14、待ち合わせの白毛門登山口駐車場に5時前にいくと既にしてみー猫さんがいた。
僕のレガシィに荷物を詰め込み宝川温泉手前へ移動する。
まだ5時くらいだと言うのに宝川温泉方面と言うか藤原湖方面に向かう車が多い。どう考えても沢屋とか山屋ではないなあ。みー猫さんが調べるとアコースティックライブのキャンプイベントだった。キャンプ絡める必要あるのか?まあ僕らには関係ないねとこの時は思っていた。
宝川温泉手前の路肩に駐車。一台先に停まっており釣り人二人がチャリで出発。僕らも準備をしていると一台の車がやってきて、おじさんがキノコ採り?と聞いて来る。沢ですと答えると安堵の笑顔。この辺熊が多いから気をつけて、昔火事で熊が死んだからそこに供養塔がある、などと教えてもらう。大きなかごを取りだしていた。
5:23、準備をして先に歩きだす。まあキノコ採りのおじさんはすぐ裏手に入るようだが。温泉の裏はキノコと熊の宝庫だ。暖かいからか。

宝川温泉を過ぎて林道に入る手前に閉鎖された駐車場。マナーが悪いから閉鎖されたらしいが夜通しテント張って騒いだりしたのだろうか。
少し歩いていると広い駐車地があり、奥から煙。車進入禁止の林道に車で乗り入れてキャンプをしている。釣り師集団だ。通り過ぎる。
トンネル潜って歩きだし40分くらいで宝川を見ると幅広にナメが続いておりちょっと沢に下りたくなる。巨岩もあり。
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その少し先で6:12、昔はここまで車で入れたと言うゲート前にやってきた。まあ2、3台しか停められそうにないが。3km弱楽できるとはいえ結構えぐれた林道を走るのはパンクが怖くて嫌だ。
宝川理水試験地とかかれた看板。天然林開発したら水流出にどれくらい影響あるか試験したと書かれていたが素直に植林作りたかったんですと書けばいいのにと思った。
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隣りにあった観音っぽいものも見つつさらに歩いて行くと6:31、板幽橋。下を流れるのが板幽沢。
10分休憩する。
ここまで4.3km。今日の残りは6kmちょっと。距離的には大したことないのにこの後9時間くらいでゴールできればいいなあと思っている程度に先は長い。難路、道なし。というか沢と藪。
予習してきた記録にも奥利根の山と谷にも左岸側に仕事道があると書かれていたので大滝手前までそいつでショートカットすることにする。大滝下は40年くらい前の大雨で荒れてしまったらしい。
とりあえず一段上がりなんとなく踏み跡らしきものを辿り植林地を行く。しかし倒木と藪に覆い隠されていまいち仕事道が分からない。適当に歩いて行くと立派な踏み跡を見つけて喜ぶ。
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しかしすぐに踏み跡は怪しくなり沢形なのか踏み跡なのか・・。
10分後のみー猫さんをご覧ください。
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奥利根の山と谷には立派な仕事道と書かれていたがまあ40年も立てば廃道にもなる。あの本は色々参考にはなるが記録が古いのだ。
とりあえずGPSと高度計のおかげで970mくらいにいるのは分かった。もはや道なんか無視して小尾根で登ればいいかという考えに至っている。
小尾根に乗ったら笹の高さも低くなり藪が薄くなって助かった。
1000mくらいで右の小尾根に移る。木にペンキ跡。どこまで信用できるかは別として藪も薄く歩きやすそうな尾根だ。
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わりと快適に登って行ったのだが1040mくらいから針葉樹が煩わしくなる。7:18。まあ道型なんてない。奥利根の山と谷には1150m手前で沢に下りれば大滝下にでると書いてあったのだが、この時の僕は道がなかったのと板幽沢左岸のギザギザゾーンを抜けたのに気が緩んだのか1050m手前で沢に下りると勘違いして1050mくらいから沢へと下りはじめた。
下りて行く途中で道型らしきものをみたが撮影した写真はピンボケだった。
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地形の関係上1030m辺りをトラバースして7:26、板幽沢到着。
ゴーロが続いているためしばらく沢の横を登山靴のまま歩いて行く。
右岸が崩壊しておりそこから巨岩が落ちてきたのか大雨で上流から流れてきたのかは不明。
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7:38、1080mくらいまできてこれから先は足を濡らさずには無理と判断し沢装備装着。
7:54、歩きだす。
すぐ先でゴーロの河原が終わり数条に分かれた4mくらいの小滝が。真ん中の岩を登る。
小滝の上でも巨岩の小滝が連続し微妙に面倒だった。
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8:09、1150mくらいの大滝前に到着。
6-8mくらいらしい。
これで大滝?と思われるかもしれないがこの上は15mくらいのナメ滝が繋がっているのだ。
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瀑泉さんに倣い三分くらい滝を観察してから巻きに入る。
プロは真ん中のカンテをロープ使って登るらしいがそんなのは無理だ。
巻きは左岸ですかねと言うとみー猫さんがトラロープを見たらしい。
確かにトラロープが2本ぶら下がっていた。
早速取りつくが傾斜がきつくフェルトだと地面が滑るのできつい。わりと腕力頼みで登った。
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6-8m滝だけ巻いてナメを歩きたかったのだが傾斜があり左岸の灌木もあんまり掴めなさそうなので滑り落ちたら危険と判断。ナメの上まで巻いた。
何故かワイヤーが垂れ下がっていたり。
なんだかんだで巻きに10分かかった。
少しナメ滝を下りてみる。つるっと滑ったら20m以上落ちるのでそっと滝上に戻った。8:23。

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大滝上は河原と穏やかな流れ。
さっきの滝や下流の巨岩ゴーロが嘘のようだ。
大滝上なのでイワナはいないかなと思ったが普通に魚影を見る。誰か放流したのだろうか。
この後結構上まで魚影は頻繁に見た。みー猫さんが生態調査棒をもってきたのだが僕達は生態調査と沢登りを両立できないので棒を垂らしながらの遡行はしないのであった。
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河原を数分歩いて行くと去年トウガン沢で見たような何かいい雰囲気になる。
雰囲気に乗せられてかみー猫さんもへつりで張りつく。
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その先のスダレ小滝は巻いたが、歩けるナメ滝が出てくると楽しい。
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明治の街角にあるレンガ道みたいなナメ床。
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結構楽しくなってきたところで布引沢出合い。8:50。右の本流へ。
左の布引沢も覗くとナメ小滝がありみー猫さんが少し興味を持つが遡行すると行き先は藪稜線だ。遡行した人はいるのだろうが記録はネットにあるのだろうか。
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本流を遡行して行く。
それなりにナメが出てきて手ごろで楽しめる。スケールは小さい。
まあ沢屋のメインターゲットとなる沢ではないなと言う感じ。水はそんなに冷たくない。
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プチゴルジュは一段上をへつる。
巻き道らしきものを見つけたみー猫さんはさらにその上の笹藪の踏み跡へと入って行ったが外れだったらしい。
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1210mくらいで二段ナメ滝に出会う。下段は低いし簡単に横から越えたのだが上段は釜が深く近づけない。
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仕方なく右岸に巻きあがるが10mくらいは登らないとトラバース出来ない。
笹を掴んでわしわしと登るが足が滑る。傾斜が急でつらい。
10mくらい登ると安全地帯に入り何故か踏み跡が出てきてそのままトラバースして沢に戻れた。
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巻き下りた先の小滝も釜が深かったが右岸へつりで越えられた。
しかしその上の二段滝は上段の直瀑?が釜が深くて近づけない。泳いで行っても滝壺に吸い込まれる奴だ。まあそもそもこの傾斜なら登れないのだが。
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ここは左岸巻きでしょうねと取りつくと踏み跡があった。皆やることは同じか。トラバースが狭くて心細いが笹を掴んで滝上に出た。
滝上は穏やかな渓相に。1235mくらいまできて休憩。9:25。
まだイワナはいたが釣るならもっと魚影の多かった下の方が良いだろう。
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15分ほど休んで先へ。
一枚岩の上を流れたりとまた感じが変わってきたなと思っていると1260mくらいでなんだか面倒な地形になっていた。
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釜が深いし滝に傾斜がありずぶ濡れになりそうなので小滝に突っ込むのはあり得ない。
左の大岩上に出ようかとも思ったがその上の岩で頭がつかえそうだ。
仕方なく左手前の岩の上に出て右岸を巻くことにした。
トラロープも下がっていたので掴んで登る。
ここは怖かった。フェルトだから滑るとかいう以前に地面がズルズル表面えぐれる。トラロープに頼りたくないがトラロープ頼りになった。灌木も微妙。
二回くらいトラロープ登りをしてからトラバースで滝上に出た。
下からは分からなかったが小滝の上にはまた小滝があり、結局トラロープ頼みの巻きが正解だったようだ。
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プチゴルジュを簡単にへつりながら。
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その後小滝とゴーロを越えて行くと10:04、菊石沢・奥布引沢出会いについた。左の奥布引沢に進むのだが右の菊石沢の小滝が良い感じに見えた。
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続く