東へ下りて行くとなにやら前方で集団の声がする。
どうも日光猿軍団が逃げて行ったようだ。
一応笛を鳴らしてしばし待つ。
歩きやすい尾根だが尾根上に楓はなく。斜面を見ると楓が映えているがろくに色づいていない。
1300mを超えていると言うのに東と西でこうも違うのか。
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8分ほど下り少し色づいた木の下の方に笹原が見えた。少しいい雰囲気だな。笹原まで下りたら展望があるだろうかと思ったが、既にして1290mの分岐まで着ていた。
この辺りで尾根は細かく三方向に分かれる。覗いていたのは東の方だが進むのは北のヒノキガタア沢に下りて行く支尾根。
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北の支尾根を下りて行く。
尾根上は晩秋の装い。おまけに前方は日が差しているのにここは暗いのでとても損している気がする。
横の斜面には色づいたのもいるがこの程度では。
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見るべきものもないが藪もないので淡々と下りて行く。
左前方、登り返す予定のヒノキガタア沢1120m二俣中間尾根も大して色づいていない。
今日は稜線東側の尾根は外れだったか。
西側の支尾根をもう少し探索するべきだった。
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支尾根に入って10分くらいで1210m辺りの平坦ゾーンにやってきた。
薄い笹の上に獣の踏み跡。
少しだけ色づいた奴もおり雰囲気は悪くなかったのだが、ここで新し目の熊糞を見てしまい緊張感が高まる。帰りたくなった。
おまけに左下方の斜面に黒い物がドタバタと走って行った。カモシカということにしたい。泣きたくなった。
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黒い物体が去って行ったのは西の枝沢。僕が下るヒノキガタア沢上流はもう少し下なので出会う可能性は低い。笛を鳴らしつつ下ることにした。
とにかく西に寄りたくないので尾根形よりも外れた個所を下ることになる。結構急。
鹿が皮を剥いだ跡や熊の爪の跡。山の仲間達の領域だ。
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とにかくとっとと下って次の尾根で登り返したかったのだが沢のサイドは崖になっている感じもする。
獣から逃げてはいるのだが獣道を利用してトラバース気味に下る。
ヒノキガタア沢1120m二俣の左俣1140mくらいに着地。12:03。
まだ安心はできない。2分だけ休憩と言うか周りの様子を窺いつつ呼吸を整えてヒノキガタア沢1120m二俣中間尾根へ取りつく。
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尾根末端から登れば楽なのだろうがそんな余裕もなく。
地形図の崖マーク右端をかするくらいの位置にある急斜面を必死で這い上がる。
ぽつぽつはえている灌木や木の枝を利用して一気に上った。
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5分くらいで支尾根上に出た。
ここまでくれば安全に歩けるし熊ももう来ないだろう。ニューフェイスが現れたら話は別だが。
少し日が差して雰囲気も良くなる。
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ようやく一息ついてから上へあがって行く。
1200mくらいから薄く笹が映えていたが藪漕ぎはない。
楓はあまりおらずツツジ主体の印象。
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傾斜も緩くゆったりとした尾根だ。
これで熊の恐怖がなければいい場所なのになあ。
1280m辺りに少しだけカエデが居た。基本的にツツジばかりだ。
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とても歩きやすい尾根だが目を引くような紅葉はなく。
撮影はしたがわざわざアップするようなものでもないかなあと思っているうちに稜線に出てしまった。
12:48。
末端から取りつけば何一つ苦労することのない尾根だろう。
まあ末端に行くのは通常ヒノキガタア沢を遡行した時ぐらいだろうが。
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薬師岳のツツジはチリチリになっているのは知っているので薬師岳には寄らない。
薬師の肩から西に下り紅葉を探って見る。
20m程西へ下りてから北西へと斜めに登山道と並行して下りて行く。
見たいのは黄葉じゃないんだよなあ。
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対岸を見るが赤い奴は目立たない。
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結局のところ赤い奴はあまり見かけず不発のまま1320mくらいで登山道合流。13:03。
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意外なことにぽつぽつと登山道沿いには紅葉があって。
この日一番鮮やかだったツツジはここに。
やはり西側の尾根が正解だったのか。
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どうやら渡良瀬川の下流の方は雲がないようだ。この辺りだけピンポイントで曇りか?
でも向こうに行っていても色づいてなかっただろうし。
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なんだかなあと思いつつ細尾峠に着いたのが13:23。
朝いた先客のうち一台がちょうど帰って行った。もう一台はまだいた。
どこかロングハイクにでもでかけたのだろうか。
久々に水沼温泉によって帰った。いつもより時間帯が早いせいか渋滞に巻き込まれることもなく、のんびりと帰宅して三連休が終わった。

今回の軌跡
この地図の作成にあたっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用した。(承認番号 平24情使、第26号)
無題
台風の影響なのかなんなのか知らないが西側の支尾根と東側の支尾根で紅葉具合が全く違って。
この辺りに熊が居るのは今更。熊のなわばりに入るのも今更。とはいえ今回は結構怖々と歩いた。やはり熊は怖い。最近ソロで歩いて熊警戒レベルが上がることがあまりなかったからなおさらだ。
前日光のこの辺りの支尾根も結構歩いてしまった。自分の記録と界隈の人の記録を見ると大体の様子は分かってしまう。
比較的来やすいからつい来てしまうのだが、来年はもう少し違うところに行こうかとも思っている。