奥深沢右岸斜面については実のところ3年前にも一度下っている。
そのルートで行けば安心安全ではあるのだが林道着地後が遠回りになってしまう。
そこで今回は別のルートで行くことにした。
下図の青い線が3年前のルート、赤い丸が現在地、赤い線が今回の予定ルートである。
首尾よく林道支線に着地した場合、向かいたいのが970m地点南西にある別の林道支線終点だ。
なんとかしてそこへ行きつけば帰りが楽になる。どうやって行きつくかは臨機応変、出たとこ勝負ではあるが。
この地図の作成にあたっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用した。(承認番号 平24情使、第26号)
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そんなわけで落ち葉の堆積した斜面を適当におりて行くと1220m当たりで少し灌木がなくなり展望あり。ただし曇って来て良く見えない。
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そして突如足元に現れた標石。
日光社寺とは書いていないが番号はある。なんでこんな半端な所に。
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少し先にも細い標石。
境界標とはあるが果たしてどこの境界か。
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よくわからないなあと思いつつ、1200mくらいからの細尾根を南に下りて行く。
すると1190m辺りからはしばらく、大昔に伐採されたまま放置されたのかワラビ生産農場になっていた。今は枯れているが。
ダニがいないといいなあと思いつつしばらく続くシダ植物ゾーンを歩いて行く。
少しだけ展望あり。ここで銃声が横根山方面から一発。
どうやら別のハンターグループが居るらしいな。離れているから大丈夫だとは思うが背筋が伸びた。
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1275m辺りでお亡くなりになっていた境界柱。
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その後1160m辺りで植林帯に入り、以後標石を見かけることはなく。
1130mくらいで尾根乗り換えのために西の谷間に下りると歩きやすい林道跡のようにも見えたが伐採放置された倒木で埋まっていた。
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倒木をまたいで下りて行くと、谷間から南に支尾根が派生する。
これにのってしまえば後は分岐を間違えずに林道のカーブ地点めがけて下りて行くだけだ。
植林の地味尾根で傾斜は多少急でも歩くには支障はない。
ただ後半で伐採放置された奴らがいてこれは邪魔だった。
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13:57、林道支線のカーブ地点に着地。
まあここまでは計画通りだし何も問題ないと思っていた。
問題はここから先、次の林道へのトラバースだ。果たしてトラバースできる斜度なのか。
沢に下りた方が良いかもしれない。
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とりあえずトラバース開始予定地点まで行くかと林道支線を奥へと進んでいく。
トラバース開始地点で地形図にはないが林道が西に続いているのではとも期待したがそんなことはなく。林道北へと登って行った。真新しい轍があるのは意外だったがハンターのものかもしれない。
とりあえずトラバース開始地点に来て斜面を覗きこむ。なんだか薄い踏み跡らしきものが・・。
これはいけるんじゃないですかね。何の保証もないが踏み入る事にした。
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薄い踏み跡は奥へ奥へと続いて行く。
こういう作業道歩きに慣れていないと進む気にもならないとは思うが、この斜面をトラバースするに当たってはかなり心強い。
斜面が網で補強されている個所もあり、かつては利用されていた場所なのだなと思う。
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小さな沢を渡るためなのかしょぼい橋の残骸。
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踏み跡に従いズンズンと進んで行ったのは良いが、途中から標高を上げているのは気になっていた。
970mくらいをトラバースしたかったのに1040mくらいまできている。
ただまあこれは地形図で見ても深い谷を巻くために仕方ないのかもしれないと思い、辿りついた場所は巨岩の転がる谷間。1040m。
ここで踏み跡は無情にも対岸ではなく谷間のこちら側、上を目指して続いて行った。
まあここまでトラバースで来ただけでも大分ありがたかったわけだが。
名残惜しくも踏み跡と別れて僕は巨岩の谷間を通過した。
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対岸に渡り、女々しくもトラバースの踏み跡はないかと探って見る。
踏み痕かなあ?みたいなのでトラバースしても見たがやはり違ったようだ。危険。
少し下りて適当トラバース。
1000mくらいまで下りて行く支尾根に乗って1010mまで下った。
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1010mまで下りたところで対岸に渡るために狭い谷間へ下りてみる。
するとあろうことかこんなところ薄い踏み跡が現れた。
谷間を上流からきて右岸へとスムーズに登れるようになっている。
これ幸いと利用させてもらう。
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尾根上に出てさらに一つ小さな谷を越える必要があったのだがそれも踏み跡で解決。
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それで970m地点へと続く尾根に出てしまえばこちらのもので。
踏み跡はないが歩きやすい地味尾根を分岐を間違えずに下り、無事林道終点に辿りついた。14:25。
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後は適当に林道歩いて帰るだけ。
地形図にない林道支線を横目にスルーしつつ歩いて行き、破線路近くまでやって来た。
破線路の谷間で下りてもいいのだが確か倒木が多いと見たような。手前の左岸尾根で下って見ることにする。
ただまあこちらも倒木でごちゃごちゃしていた。
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そのうち倒木は無くなりスッキリした植林尾根に。
しかし末端750mくらいまで下りてきて末端が急そうに見えたので左に折れた。
着地した谷間、倒木は無くスッキリとしている。これは谷間を下りた方が良かったかもなあ。
まあいいけど。ほどなく道路に出て駐車地に帰還。14:56。マダニは大して着いておらずささっと払って着替えて帰った。
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今回の軌跡
この地図の作成にあたっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用した。(承認番号 平24情使、第26号)
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とりあえず日光社寺の標石が1056m地点手前ではどこの尾根から来ているのか大体わかったのでこれ以上は面倒だし調べるつもりはない。元よりついでみたいなものだしこの辺りで歩きたい所は歩いてしまった。
前地蔵岳の南面は前情報通り急。ただ灌木も生えているし踏み跡辿れば岩場を避けられるので慎重に行けば問題ないなと思った。
奥深沢右岸斜面の歩きも二回違うルートで歩いたしもういいだろう。元より植林帯だし好き勝手に歩ける以外の利点は無い。
とりあえず懸案だった尾根繋ぎはできたし、この辺りはやはりハンターが多いと言う事を再確認できた。やっぱり栃木の地味尾根はハンターが怖い。
その想いに捕らわれた僕は、翌週違う県境へと向かうのであった。