三段の滝落ち口から支尾根を少し上り、南へトラバースすると目的の支尾根にたどり着いた。
ナゲ達が様子を伺う何もなさそうな地味尾根だがアカヤシオが見え隠れ。
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一コブ回り込んで下りに入れば狙い通りに見頃のアカヤシオがお出迎え。
足元をナゲ達が固めているし対岸から見た目的地はここで間違いなさそうだ。
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しかしアカヤシオが咲いているのにナゲ達ときたら…。
ここのナゲ達も花芽が全然ない。
この辺りのナゲは今年は外れのようだ。
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まあナゲの事は放置しておくかとアカヤシオを楽しむ。
ここなら誰も来ないのでコロナも安心。
ここにいるのは僕とナゲ&ヤシオだけだ。
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一本南の尾根やさらに南の尾根にもアカヤシオが見える。だがまあ地形的に少し移動が面倒に思えるので今回はパス。
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1200mくらいまで下ったところで引き返す。
まあ猿川左岸尾根の方が長区間アカヤシオが楽しめるしアクセスはいいのだがあちらは割と人気の場所のようだ。穴場スポットしては悪くなかった。
ナゲ達がやる気を出していればもっと良かったのだが。
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中腹を通る工事用道路に行きたいのだが、現在地から考えるとこのまま支尾根を登るわけにはいかない。実線よりも工事用道路は伸びているらしいのだがそれでもこの辺りまでは来ていないだろう。
まあよく知らない場所だし安全に行くか。
とりあえずトラバース開始地点まで戻ることにした。
三段の滝上で少し沢を歩いて戻った。
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8:48、トラバース開始地点に戻ってきた。
ちょうど上からハイカーがおりてくる。やはり猿川左岸尾根は割と人気があるようだ。
疲れたので少し腰を下ろすとズボンにマダニが30匹ぐらいついていて少し引く。はじいた。
10分くらい休んでからそのまま上へあがっていったのだが真っすぐ上がったのは失敗。
工事用道路下の壁にさえぎられて左に移動して這い上がったがザレで少し危うい。
一本南の支尾根で登るべきだった。工事用道路に上がったところでもハイカーに一人あった。
9:09。
工事用道路を北へと歩いていく。
眺めがいいので写真を撮りつつのんびりと。
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その先のカーブでハイカーには見えない手ぶらおじさんが現れた。
「工事用道路この先に進めばアカヤシオ咲いてますか?」と尋ねられる。
この標高はまだ咲いてないって情報調べずに来たのか?大体尾根に降りなきゃいるわけないだろ。恥知らずのハゲは帰れよ。
なんて、山の礼儀を叩き込むのが正しい対応かもしれないがアカヤシオ好きには情状酌量の余地はあるので、この先進んでも咲いてないですよ。もっと下です。でももう少し先は眺めがいいので咲いている尾根は見れますよと教えてあげた。その後どうしたかは知らない。
9:16、鳥居峠と利平茶屋への分岐に到着。標高を下げないとアカヤシオは咲いていないので利平茶屋方面へ。ここでハイカーが4人くらいいてタイミング悪くそのうち二人が僕より先に利平茶屋方面へ。こういうのが嫌だから登山道は避けたかったのだが。
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登山道の途中で一本だけ花付きのいいアカヤシオがいて二人はそれを撮影に向かったのでその隙にさっさと先へ下る。
1285mくらいで登山道は左に曲がるがその先にアカヤシオが咲いているらしいので少し尾根を先へ進む。
写真で見た過去の記録と比べるとぱっとしないなあやっぱりこの辺りも例年よりは状態がよくないのか。まあ既に散り始めているのもあるだろうけど。
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まあ状態がいいのもちょっとはいたが前半の2つのスポットの方がよかったな。
鳥居峠を眺める。
今日は曇りの予報できたのに予想外にいい天気だ。
なおこの辺りのナゲもやる気がなかった。
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さてもう少し尾根を探りたいところではあるが人が来る前にさっさと登山道を下ろう、と思ったら二人のハイカーが追い付いてきた。
アカヤシオを見てすごい、来てよかったと言っている。でもここのアカヤシオこの辺りでは一番微妙ですよ、なんて興ざめなことは言わない。本人たちが幸せならそれでいいのだ。
もしかしたら僕が見なかったもっと奥でいい奴がいるかもしれないしね。

ぐるりと谷を回り込んで登山道を1160mまで降りてくると鳥居川左岸尾根への分岐。9:52。
約5年ぶり。あの時はこれを鳥居川左岸尾根から下りてきてよくわからないままに帰った。
この上、鳥居川左岸尾根は1207mより下は登山道だがその上はたぶん正式には登山道ではない。だから標識も管理棟なんて書いてあるし。まあ昨今は鳥居川左岸尾根はアカヤシオ見物ルートしては一般化しているようで登山道みたいなものだろうが。
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登りで足が重い。そういえば今日は朝からパンケーキ2枚しか食べていない。シャリバテもあり得るところだが登山道で休憩したくない。
1207m地点から尾根を下ればさっさと帰れるのだがもう少し上がアカヤシオ盛りだろうと少し上りへ。一人ハイカーとすれ違う。
するとそのすぐ先の北側斜面にアカヤシオが集っていた。密度的には今日一か。
しばし楽しむ。しかし撮影した写真は実物と比していまいちだった。
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尾根上に戻る。
ここから登っていく先もアカヤシオがいるようだがそんなに良くなさそうだな。
ハイカーもいそうだしそれよりも沢を挟んだ北側の支尾根の下の方が気になる。ちょっとここから北へと支尾根を下って移動してみるか?
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移動しようとしたところで夫婦のハイカーが。
道を譲ってくれようとしたのか下りですか?と聞かれる。
うっかり正直にそこの支尾根を下ってと言ってしまう。するとバリルートに興味があるのか何か感動された。ただの地味尾根散歩だが。
うっかり会話が盛り上がってしまう。前橋か高崎忘れたがそちら方面から来ていて今年は西上州もアカヤシオがぱっとしなかったとのこと。
栃木は不慣れらしくこの前仙人ヶ岳にいったがもうアカヤシオは遅かったという。でもヤシオ山は知っているらしく来年は・・・みたいなことを言うので三床山から金原山の区間の方がいいですよと教えた。

熊の話とかでも盛り上がってしまったが世は大コロナ時代である。よくない。10分少々で会話を打ち切った。結局撮影と会話で20分以上滞在したスポットを後にして10:24、支尾根を北東に下る。
ここを下る物好きはいないらしく枯れたスズタケが茂っている。
結構アカヤシオがいてラッキー。
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沢に降りようと北へ降りると1170mくらいで断崖絶壁に突き当たる。
しかたなく右へトラバースしていくが熊鈴の音が上の尾根から。僕はそっと身をかがめて音を消した。
通常の人間はここを歩くやつがいると想定していないのでこういう場合大抵クマと勘違いされてトラブルのもとになるのだ。
音がしなくなったのでトラバースしていく。崖が続くが一か所弱点があり下ることができた。
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さっき行き詰った個所へ移動して下から見上げる。
やっぱり下りられませんでしたね。
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そのあとはささっと沢に降りたが少し上に面白い地形が見えたので立ち寄ってみる。
これで水流があれば瀑泉さんにも認めてもらえそうだがこんな支沢ではなあ。
しかしこの辺り断崖が多い。うかつに支尾根を下ると火傷しそうだ。
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幸いにして少し下ると対岸の支尾根は土斜面に代わる。
ずるっとするので疲れたがまあ危険はなく尾根に出た。
獣道で少し上っていくとお目当ての対岸から見えていたアカヤシオスポットが。
大岩はあっさり右から巻ける。
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いかにも祠とかありそうなスポットだが何もない。
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お待ちかねのアカヤシオ達が青空に映える。
誰も来ないので独り占め。100m程登れば登山道だがここに目をつける人はいない。灯台下暗しだ。
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この尾根はこの一か所に固まっている他は大分上に行かないと咲いていないようだがまあ今日はここで十分だろう。
存分に楽しんで帰ることにした。
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しかしここで気になる光景がいくつか。
一つ二つ北の支尾根にもアカヤシオ軍団の姿が。
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対岸の駒ヶ岳東尾根1350m級小ピーク辺りにもアカヤシオの塊。東尾根を歩いて記録でもあの辺りは歩いていない。気になるなあ。
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気にはなるが今日は午後から雨らしいし大人しく帰ろう。
地形的にこの支尾根を南東に下るのが安牌なのだがちょっと北へと下ってみる。散りかけのアカヤシオがいたからだ。誰も見に行かないだろうから。
スズタケの中を下っていく。獣道もない崖際の支尾根を行く。
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うっかり乗ったら危ない。
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盛りを過ぎたアカヤシオを横目に降りていく。
1239m地点尾根にアカヤシオが見える。
当初の予定では猿川右岸尾根方面ではなくあちらを漁るつもりでいた。また今度だな。
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さてそろそろ沢に降りるか。と思ったが地味尾根あるあるで末端が崖で下りられなかった。
仕方なく右へトラバースしていくが中々下りられそうにない。
ようやく下りられるところを見つけたが最後は土斜面を滑るような感じだった。あまりよくない。11:18。
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笹倉沢を下っていく。すぐに堰堤が見えた。対岸にアカヤシオがポツリ。
堰堤はどうやって巻くんだっけかなと思ったが段差がほとんどなくて拍子抜けした。
その先の林道で散歩な雰囲気の老夫婦にあった。
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へえ、あんなところにもアカヤシオが咲いてるんだ。
観察しつつ林道を歩いて帰る。
駐車場に戻ると朝は僕ともう一台しかなかったのに20台以上は余裕でいた。11:35。
僕がアカヤシオを眺めている間にたそがれさんも後から来て先に帰ったらしい。わかりやすいナンバーのせいで僕が来ていたのはバレていた。
帰路でも何台かとすれ違う。例年だったらもっとすごい人出なんだろうな。やっぱり早出が鉄則か。
来年ははもう少し攻めてみるかとルートを考えつつ帰った。
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今回の軌跡
この地図の作成にあたっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用した。(承認番号 平24情使、第26号)
無題2
余り歩いたことのない赤城東面だったが不作の年にも関わらず中々アカヤシオが楽しめた。
また今回は事始ということで登山道成分多めだったが人のいない地味尾根にアカヤシオが群れていることが確認できたので来年以降は色々歩いてみたいところだ。まあ猿川左岸尾根、工事用道路から利平茶屋への登山道先、鳥居川左岸尾根の一般ルートを歩くだけで十分満足できるのだろうが普段は人が多いだろうから藪入りするのは仕方あるまい。
しかしナゲ達のやる気がないのはどうしたことか。やつらもツツジの仲間みたいなものだから影響を受けているのかもしれないが常緑広葉樹の意地を見せてほしいところだ。