12:54、2326m地点辺りを発つ。
真面目にテープを探す気もなく踏み跡かもしれないような藪の薄いところをつないで適当に歩いていく。GPSを見る限り県境にはいるらしい。
余裕のポーズの酒
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明瞭な踏み跡っぽいものはないかと思いつつ歩いていく僕達の前に藪のない明瞭なルートが突如現れた。県境の踏み跡はこいつかなあとすすんでいくとバイケイソウが増えてきて・・・。
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うっかり湿地帯に突入してしまった。
どうやら県境から外れて少し北西の谷間を進んでしまったようだ。
適当に歩いているとこうなる。まあ誰もこんなところの湿地帯なんか来ないだろうからおいしいといえばおいしいが。
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仕方ないので軌道修正しようと南へコメツガの密藪を一漕ぎすると笹原にポンと飛び出た。そしてテープも発見。
ようやく県境の廃道跡に接続したようである。13:06。
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まあ折角テープも出てきたし真面目に踏み跡を追うか・・・と思ったが笹原から樹林帯に入ると倒木が多く踏み跡も隠れがち。まあそう外れなければいいだろうと適当に下っていき平坦ゾーンで踏み跡をたどる。
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2270m辺りで県境は南南西に曲がるのだが、踏み跡が早めに左に曲がるように見えた。ここは県境を忠実に行くかと色気を出して直進してみると踏み跡が消えて三人でコメツガ藪に没する羽目に。
しばらくあがいて南下すると踏み跡に再合流。ここからは大人しく踏み跡をたどろうと思った。
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しかしまあそこからしばらくは意識しなくてもテープと踏み跡を普通に辿ることになる。歩きやすい。
県境が西に折れて少し行くとつぶれた小屋跡についた。13:26。
トレラン大会のチェックポイントだったとか。
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小屋跡から北西に進みしばらく下りが続く。
踏み跡はあるしテープも続くので安心か。
地味な細尾根となると案の定ナゲ達が勢力を増してくるが廃道を占拠するには至らないようだ。
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2220mくらいでは急にストンと急傾斜で下っており展望が得られた。
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すっと下ってまた展望のない地味尾根を歩いていくとナゲがぽつりと花を残していた。
ナゲの花を始めてみる酒はこんなに花が大きいんですねと感銘を受けている。ナゲの魅力に気づいたか。
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2140mくらいから北北西の支尾根を下る。
結構急で踏み跡を見失いあれっとなると大体斜面を巻くように尾根の右側についていた。テープもちゃんとある。
面倒なので尾根筋を行くとこうなる。
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2050mくらいまで降りてきて傾斜が緩みやれやれとほっとするが、そこに新鮮な熊糞が落ちていた。たらふくネマガリを食ったことがわかるやつだ。これ今日クマが通ったな。緊張感が増す。
この後ずっと熊糞は見たし、熊の足跡がずっと先導していた。結構ビビっており一人で来なくてよかったと思った。
鞍部から登り返した2050m辺りの展望地。14:04。
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そしてすぐ先の2070m級小ピークを越えた先で風通しが良かったのでナゲ達と一休み。
根名草山辺りでは肌寒いくらいだったが県境歩きになってからは藪が暖かいせいか暑かった。
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14:15、歩きを再開。
次の鞍部から登り返すあたりで本Pがストックゲット。
温泉ヶ岳から滑り降りて以降ずっとしっくりくるストックが見つからなかったらしい。
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2020m辺りで酷い倒木。
今回特に書いてこなかったがあちこちで倒木が面倒だった。
このルート、踏み跡はずぼらなことをしなければ簡単に終えるのでルーファンに困ることはないし藪漕ぎもないのだが廃道化して10年以上経過した今は倒木が一番の障害となっている。次点としては熊が障害となる。人の通らなくなった今、このルートの保守点検をしているのは山の仲間たちなのだ。
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14:37、何もない2018m地点を通過。
2030m級小ピークから鞍部までの下り区間ではたまに踏み跡が不明瞭になる箇所があり
2回くらい踏み跡を外れた。まあ藪が疎な所を適当に進めばよかったので特に問題はなかったが。
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鞍部から1970m級小ピークへの登りは倒木いっぱいのハードル競争。
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1970m級小ピークからへ進もうとすると酷い倒木でその先も尾根上は藪化しておりどうもルートが怪しい。
仕方なく倒木を乗り越えて尾根の北側を少し下りトラバースしていくと踏み跡っぽいのに合流。薄めの踏み跡で尾根に戻った。
トラバース道に降りる箇所が倒木が積み重なってわかりにくくなってしまっているようだ。
巻き終えたところで靴ひもがほどけたという本Pをしばらく待つ。
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少し展望得つつ相変わらず倒木に辟易しつつ進む。心なしかネマガリが煩わしくなってきた。
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2001m地点へと登る最後の標高15m分くらいは笹が踏み跡に覆いかぶさりかなりわかりにくかった。足先で踏み跡を探りそれっぽいのをたどれた。明るいマーカーがあるなと思ったらオレンジキノコ二連発だったのには腹が立ったが。滝川右岸道の悲劇再びかと思ったがなんということもなく2001m地点に飛び出た。15:25。
すると南西の2006.9m三角点がある尾根方向へ綺麗に狩り払いされた登山道が通っておりなんだこれはと驚く。さっきの笹が被った踏み跡は何だったのかと隔世の感。
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酒曰く発電所の方まで道が続いている記録をどこかで見たらしい。帰ってからヤマレコみたら無かったのでどこで見た記録なのやら。
幸いにして湯沢峠方面も刈り払いされたばかりらしく完璧な登山道。ベンチ代わりの倒木が枝払いされているのが心憎い。ここで休憩。
最後に笹薮漕ぎをしたのでマダニチェックするぞと各自服をチェック。すると僕のズボンの上に大きめのマダニが二匹。一週間ぶりだね、なんて親しみを覚えることもなく藪におかえりいただく。
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これにビビったので背中とかも見てもらうが他にはいなかった。鹿沼とかの藪と違い小さいダニがいっぱいついているわけでもなく。どうもネマガリ藪のマダニは少数精鋭のようだ。
酒はザックについていたらしい。
三人して虫よけを再度全身に散布。
後輩二人は先週僕がマダニをお持ち帰りしたのにびびって今日は細心の注意を払っているという。
15分休んで15:40、湯沢峠を目指す。
刈り払いされた登山道は歩きやすい。しかし熊にとっても歩きやすいのだろう。
ついさっきまでいたんじゃないかというたっぷりネマガリを食べた熊糞が散見。というか熊の足跡が先導してくれているし。本Pはかなりびびっていた。
僕もビビりつつだが展望は楽しむ。
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こんな真新しい足跡が湯沢峠方面へ向かってずっと続いていた。
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熊には怯えていたが歩きやすい登山道で労せず湯沢峠についてしまった。15:51。
丸沼温泉と日光沢温泉をつなぐ登山道が通っている。
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こうも濃厚な熊の気配を感じていると落ち着かないのでさっさと下山。
登山道は破線路と一致せず少し下ってからひたすらトラバース気味に下っていく。有体に言って歩きにくい。2001m地点から湯沢峠までの区間はなぜか整備されて歩きやすかったなあと懐かしく思ってしまう。
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道幅が広がり歩きやすくなったのは40分くらい下った1650mくらいからだったか。
ひたすら下り1530mくらいで湯沢の堰堤が最接近したところで最後のマダニチェックするかと堰堤上に上がり休憩。
するとクリンソウが群生していた。温泉成分が好きなのか?16:45。
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7分ほど滞在し下山再開。
少し下った堰堤上の広場にもクリンソウが群生。花はもう終わりのようだ。
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後はだらだらと下るだけ。最後は林道跡みたいなのを歩いて17:07、丸沼温泉に到着。
予定より1時間くらい早くて約9時間の歩きだった。
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ぱぱっと着替えて一息ついて帰る。
コロナのせいで温泉に入れないのが痛い。
仕方なく地元まで戻りファミレスでだらだらと三人で飯を食って解散した。
偽りても賢を学ばんを、賢といふべし。と徒然草にある。触りとはいえネマガリ藪を漕いだ二人はいずれ藪屋になれるだろう。たぶん。

今回の軌跡
この地図の作成にあたっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用した。(承認番号 平24情使、第26号)
無題
廃道化した県境区間とはいえ先人もそれなりに歩かれている場所なので新たに特筆すべき点はないのだが、あえていうのであれば踏み跡はまだ十分たどれるが倒木が年々ひどくなると思われるので早めに歩いたほうがいいというところか。2001m地点から湯沢峠は今なら登山道歩きできるのでちょっとお得。
結局のところ2326m地点から湯沢峠までは最初すぼらな動きをしても3時間かからなかった。たそがれさん達も昼飯休憩していなかったら3時間少々で歩かれていたのではと思う。
日の長い時期なら根名草山ピストン加えてバス利用の遅いスタートでも日没には十分な余裕があるだろう。
バス利用すれば車一台でもお手軽周回できることは示せたのだが、今回のルート、一人で歩くことはお勧めしない。記事後半でちょくちょくかいたがもう踏み跡は人間のための道ではなく山の仲間たちのための道と化している。熊にどこで出会ってもおかしくない。
お互い不幸なバッタリを無くすためにも、複数人で熊鈴、声を出しつつ賑やかに歩くのがいいと思われる。