2020.7.5(日)  同行者:きたっちさん
銀山平 -林道 -庚申川 -雨降沢出合い -雨降沢遡行 -雨降沢の頭 -小法師岳 -巣神山 -945.1m三角点峰 -庚申ダム

核心は意外とあっけなく・・・。


きたっちさんと栃木の記録が見当たらない地味沢から激藪へ行く予定があった。
しかし天気予報は昼過ぎから雨。濡れ藪は避けたいと意見が一致し適当に足尾で半日コースを歩くことにした。
きたっちさんは小法師岳周辺は歩いたことがないという。それならばそのうち行こうかなあと思いつつ先延ばしにしてきた雨降沢はどうかと思った。
小法師岳は過去三回歩いているが庚申川から行ったのは一度きり。笹ミキ沢の対岸辺りにある名もなき地味沢(仮称・ナゲカクレ沢)を遡行して小法師岳、県境へと周回したのがもう三年も前になる。
きりんこさんが雨降沢に出かけたという簡易記事を見たのは四年前で、そのうち行こうかと思いつつそのあたりで庚申川で降りるルートもよくわからないし先延ばしにし続けていた。
そんな中、昨年たそがれさんが庚申川へ何度も林道から降りて最後は雨降沢遡行を試みておられた。ロープに騙されて右岸尾根に登り上げたら沢に降りられずそのまま尾根歩きになったようだが。今年に入ってまたトライされるのかなと思っていたがよその滝見に勤しんでおられるようだ。それなら今のうちに先鞭をつけておくのも悪くないだろう。きたっちさんからもOK出たので行くことにした。

さてこの雨降沢、釣り師は入るようだが沢屋の対象外であるようでまともな遡行記録はネットに見当たらない。たそがれさんの記事にも書いてあるが13年前のpot bellyさんの記録が参考になるくらいだ。ただこの方の記録は参考になった。滝の右岸トラロープは罠、左岸に巻き道がある。そして最初の滝さえ超えてしまえば難所はない。事前情報はこの程度だが非常に役立ち、これだけで充分であった。

7/5、きたっちさんと4時半待ち合わせの庚申ダム付近の駐車場に10分くらい早く着く。
するときたっちさんはすでに到着されておりお久しぶりですとあいさつもそこそこに準備を開始。
僕のレガシィはデポしてきたっちさんの車で銀山平へ。
4:38、歩き出し。林道ゲート前で準備をしていた二人組は釣り師のように見えた。

ぶらぶらと林道を30分ほど歩いていくと庚申川への下降地点へついた。
たそがれさん情報ではここから降りられるようだ。
僕は登山靴とハイパーVの併用だが、きたっちさんはフェルトの沢靴で歩きとおすとのことでここでチェーンスパイク装着。
適当に尾根を降りていくと左右切れ落ちた細尾根となり知らなかったら直進しているか怪しい。
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ただまあ行けるとわかっているので心強い。細尾根を進めるだけ進んで左を下る。結構急。
まあなんとか庚申川の雨降沢出合い対岸についた。5:17。
水量多めだが対岸に渡るのは問題ない。
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ここで核心の出会いの滝を超えるべく沢装備装着。
可能であれば出会いの滝(雨降滝)を直登する予定できたのできたっちさんは沢のフル装備。僕も予備のハーネスを貸してもらい装備。
5:37、庚申川渡渉し雨降沢へ向かう。
庚申川本流を上流へ向かうには泳ぎが必要なようだ。
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出合いから右岸を見るとロープがぶら下がっている。
こいつがたそがれさんを誘いあげたロープか。確かにこれを見ると頼りたくもなるがロープに頼っても結構上に這い上がる感じがする。よく登られたなあという感想。
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きょろきょろと周りを観察しつつ雨降滝の前にやってきた。
前日の雨のせいか梅雨のせいか水量多め。
取りつくにも泳ぎが必要で取りついたところで水流に押し流されそうだ。
しばらくきたっちさんとどうしますかと眺めていたが泳ぎは避けられないし泡立っているので直登はやめることにした。
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ということで次善の策、左岸巻きで行くことにする。
滝のすぐ前で見上げてみると岩の切れ目から登れそうには見える。しかしもう少し手前から登るのもありかもしれない。どうするかなと思っているときたっちさんがささっと登ってしまった。フェルトの沢靴なのに。それであればハイパーVの僕はより滑らないので続かないわけにはいかず。
泥付きを少し登り黒光りする岩の切れ目を斜上する。ここが滑るのではないかと思っていたが案外ホールドがしっかりとあり労せず通過できた。
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岩場から上に抜けると灌木も生える土の斜面でちょっと安心。
少し登って踏み跡で左岸崖上をトラバースしていく。
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トラバースしていきどこで降りられるのかと思っていたら泥ルンゼにぶち当たる。
少し高さと傾斜があったが倒木と岩をホールドしつつゆっくりと降りられた。
見上げるとやはり6mくらいはあった気がする。
雨降沢に降り立って5:48。フル装備してあれほど身構えていた雨降沢の突破だが、巻きにかかったら5分とかからず超えてしまった。巻けるという情報、大事。
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折角なので雨降滝の落ち口を見に行く。
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するとさっき巻いてきた左岸は滝の落ち口へと小さく巻けることが判明。ただ狭くて外傾しているようにも見えたのでやはり大きく巻いて正解だったとは思うが。
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高さ6-7mくらいとは言えこの滝上の狭いトラバースはやっぱり怖い。
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5:53、雨降沢見物も済んだので遡行開始。
雨降沢はゴーロの沢で遡行するのは難しくないがナメはなく癒しがない。
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ナメではないので沢床を歩いても面白くはないが涼しいので水につかる。
しかしハイパーVでは滑るだろうなというところはやはり滑るので沢横を歩く場面が多い。
地味沢の沢歩きという雰囲気。岩の上を上り下りしていくので足が疲れる。
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前方に高さのある水流が見えたのできたっちさんとこれは・・・と期待するが近づいてみると小滝が連続しているだけでしょぼかった。
水量がない時期だと相当地味だと思う。
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940mくらいで一度沢は東に曲がりまた南に曲がるように地形図では見えるのだが、実際に歩いてみるとここはS字カーブみたいな感じに湾曲していた。
一瞬ナメ小滝で期待するがすぐにゴーロへ。がっかり。
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5mくらいの小滝現る。
直登はできないが左から簡単に巻ける。きたっちさんは右壁を登った。
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その先で2mくらいの小滝を右から巻いてひたすらゴーロの沢を登っていく。
990mくらいの光景。もとより出合いの滝周辺以外は面倒なゴルジュは存在しなかったのだが、遡行するにつれて谷幅が広がってきて妙な感じ。
平坦なだらだらした個所はほぼなくて、ひたすらゴーロの小滝が続いて標高を上げ続けていく足休めがない沢だ。ハイパーVはソールが薄いのでゴーロ歩きで足裏が痛くなってきた。この沢はソールの厚い普通の沢靴がいいようだ。
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1000m過ぎでは左岸の柱状節理が崩れて落石が雪崩れ込んでいた。
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1015mくらいに6:39。
ゴーロ歩きで疲れたので15分休憩。
ここは谷間が広くて左岸右岸どちらでも休憩スポットがあった。
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6:55、遡行再開。
すぐ先で水流が三方向くらいに分かれるがここは複雑なインゼルだった。
1050mくらいの右岸岸壁の外観にきたっちさんが興味を持つ。
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そのすぐ先の二俣は左へ。
大体のところ水量多い方へ進んでいけばいいのであまり迷うことはない。
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1070mくらいで右岸に突如現れた石垣。
なんでこんなところにぽつりとあったのか謎。
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相変わらずの巨岩ゴーロを歩いていくと7:12、1080m過ぎで突如こういうのでいいんだよというナメ小滝登場。
フリクション抜群で滑らない。
こういうの待ってんだよなあと二人で喜ぶがなんとこういうナメ床は二度と現れることがなかった。
今回の記事のヘッダー写真はある意味詐欺といえる。
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この沢の日常はこんなものである。
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しかし7:22、1115mくらいの二俣で右に入ると程よい階段状小滝が現れた。
5mくらい。
ここは気持ちよく登る。
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そこから5分くらいは沢の幅が狭まりナメ状や階段小滝が少し続いて、この辺りが雨降沢のハイライトだった。まあ何もないよりはましだったがいいところが一瞬で終わってしまった。さすが沢屋の対象外だけあって雨降沢は地味である。
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その後は見どころもなくゴーロの傾斜が続く沢を黙々と遡行していく。
1180mくらいで10分休んだ。
ろくに滝もないのにどんどん標高が上がっていくのがいいのか悪いのか・・・。
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8:06、1250m過ぎで左岸から水が湧き出しているのに気づききたっちさんが水補給。冷たくておいしい水だが3L持参した僕はまだ余裕があるので源頭まで汲まないことにした。
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この辺りまで来ると地形図通り右岸はどこからでも尾根に上がれそうだったし、左岸も急な所をしばらく進むと緩やかに尾根へと上がれそうな箇所が多かった。まあここまできたら源頭までいくのだが。
雨降沢ではここまで見なかった草の生える小滝。
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1285mの二俣を右に進み、しばらく狭まった谷間を進む。とはいえゴルジュではないし水量もかなり減ってきている。相変わらず危険も何もない地味沢だ。
怖いのは熊だけだ。
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狭まった谷間を抜けて8:33、1350m辺りの二俣を左へ。
かなり水量が減り源頭も近いといった雰囲気の沢は下草の生えた疎林を流れていく。
バイケイソウの花が咲いていた。
面倒で時折水から上がって歩いていたが、水に入らないと暑くてたまったものではないときたっちさんは言う。確かに今日は気温はそれほどだが湿度が100%かつガスった中を歩いており不快指数MAX。
そんなに暑くないのに汗だらだらの低温サウナだ。
暑くないと言いつつも冷たい水は気持ちがいいのは確か。
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1400mくらいでドラム缶が落ちていた。
なんでこんなところにと思うがまあ足尾だし、で納得もしてしまう。
源頭近くとはいえ人の手が入っているのだ。
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1410mの二俣では左に進む。8:44。
するといよいよもって水流は細くなり、ぼさがかかってきた。
ほどなく8:52、1445mくらいで源頭にたどり着いた。
沢形は二俣に分かれているが左は水流はなく、右もすぐに水涸れ。
ここで遡行を終了し谷間を詰めて稜線に出て雨降沢の頭を目指すことにする。
折角なので水を汲んでおくかとよさげな場所はないかと二人で探すと、きたっちさんが二俣少し上で左側からコンコンと清水が湧き出るスポットを発見。これは間違いなくうまい。
持参した残り1Lのぬるい水道水を捨てて冷たくておいしい足尾の天然水を2L汲んだ。これで下山まで持つだろう。
僕は登山口に履き替えて、きたっちさんはチェーンスパイクを装着。20分少々休んだ。
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9:10、歩きを再開。
藪の薄いところを選んで谷間を進むがすぐにどこも逃げ場がない感じで笹薮が迫る。ついでに急斜面になってくるようだ。
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笹薮に入り込みげんなりとしているとなぜかショウキランが群生していた。
なんでこんなところに。今まで誰にも見つかっていないかもしれない。
尾瀬の群生地ではよくある光景かもしれないが足尾では群れているのは初めて見た。
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そう深くもない笹薮だが急斜面でこの天気では気持ちのいいはずもなく。
そそくさと1505mくらいで稜線に出て少し登れば雨降沢の頭(1526m地点)。
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僕は四回目。きたっちさんは初めてだが山名板があるわけでもないし少し眺めて先へ。
ここから小法師岳ピストンと巣神山までの間は何回か歩いているし踏み跡があるので問題はない。問題なのはここらを縄張りにしている熊と出会うことだけである。
今日は二人だし熊が避けるといいなあ。そんなことを考えつつ小法師岳へと向かった。
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続く