2020.8.9(日)  同行者:きたっちさん、taka0129さん
銅親水公園 -松木沢の廃林道 -ウメコバ沢出合い -1280m二俣 -右俣へ -1490m二俣を南の稜線へ詰める
-源頭 -オロ山東の鞍部(1740mくらい) -仁田元沢支流へ下降 -仁田元沢本流 -林道 -銅親水公園

沢初級者のソロではいけない領域。


盆休みはコロナのおかげで実家に帰省するわけにもいかず9連休丸々自由行動となった。
そんな中、序盤に僕にとっては一大イベントが控えていた。
ウメコバ沢遡行である。
先月きたっちさんと雨降沢に出かけた際にいくつか出た案件、その中にウメコバ沢遡行があった。
きたっちさんは既に2年前ウメコバ沢を遡行しているのだが、確認したいことがあり後2回ほど遡行するつもりらしい。そして直近でtakaさんと遡行するのだという。僕も一度行ってみたかったんですよね等と話しているとそれじゃあ行きますかという流れに。ウメコバ沢にソロで行ける気がしない僕は是非よろしくお願いしますと飛びついた。
それから一か月、きたっちさんから8/9ウメコバ沢ということで連絡がきた。takaさんの予定もOKらしい。そんなわけで僕は予習することにした。

ウメコバ沢の概要をまともに知ったのは数年前にきりんこさんが遡行した時のこと。その後むうたさんが長靴で二回ほど遡行していたが、むうたさんは長靴で七滝尾根を登られるような猛者なので参考にはならない。その当時は他にネットで遡行記録はほぼ見なかったのだが久々に調べてみるとここ2、3年で急に詳細な遡行記録が増えている。沢屋か滝屋の中でブームでも来ているのだろうか。
某山アプリでもきたっちさんの他にbonさんやチェルシーさんといった知り合いが遡行しているので大体の雰囲気は分かった。
調査結果としては最後のCS滝の落ち口部分以外はどうにかなるなという印象。
この落ち口だけはシャワーか高度感のある微妙な巻きのようで僕はびびった。きたっさんに相談してみると先に上ってロープ出しますよとの心強い回答。きたっち隊長に世話になることにした。

8/9、銅親水公園に三時過ぎにやってきて軽く仮眠。毎度のごとくやばいところに行く前日は寝つきが悪くあまり寝られない。
集合時間の四時前に起きるときたっちさん、takaさん共に準備開始していた。
あの時takaさんとあった直後、実はオロ北へ藪トラバースをかけていたら30mくらい上を逆方向に藪漕ぎしていくきたっちさんとニアミスしていたというオチがあった。
準備をして4:17、歩き出す。ガスガスで天気は悪いが午後から晴れるし雨はほぼ降らないらしいので期待。

勝手知ったる廃林道であるが、歩くのは結構久々な気がする。
真夏に歩いたことはあまりないせいかいつもより草の成長がいいような。
きたっちさんが鹿が寝ているというので松木沢を覗くとだらけている鹿の姿が。
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ぶらぶらと歩いて6:00、ウメコバ沢出合いについた。
天気は悪いが高巻きで先が見えないということはなさそうだ。
ここで沢装備に換装。きたっちさんからシットハーネス、アッセンダー、ルベルソを借りる。takaさんもチェストハーネスとかを借りていた。今回はロープの使い方を教えてもらいつつ安全に行くと聞いている。二人はゴムソールに対して僕はフェルト。
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6:34、いざウメコバ。
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30秒で出合いすぐのF1。
フィックスロープが垂れ下がっている。
こいつをみると上りたくなるので今までここにくるのは避けていた。
はじめて見上げる。
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とりあえず元から垂れ下がっているロープはそう信用してはならないということで、きたっちさんはプルージックで既存のロープで一応確保し最初に登攀。その後きたっちさんが持参したロープを垂らしてもらいそれで確保しつつ後続のtakaさんと僕は登ることになった。
アッセンダーでの確保の仕方を教えるきたっちさんと講義を受けるtakaさん。
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ロープはあくまでも保険、とロープをつかまずすいすい登っていくきたっちさん。
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上にあがったさんからロープを垂らしてもらい、次はtakaさん。
ロープはあくまで保険との方針で同じく岩をつかんで登っていく。
面倒なのは落ち口と思っていたら中段で少し時間がかかっていて不思議だった。
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最後に自分がいざ登ってみると理由はわかった。
中段くらいで一度スタンスが狭いし外傾している箇所があってそこで少しためらうことになった。ロープで確保してるから最悪片足滑っても死ぬことはなかろうの精神でえいやとこえたがノーロープだと勇気出ないなあと思った。
登ってから見下ろしてもやっぱり怖い。takaさんも結構怖かったという。
この先大丈夫かなと本来なんてことないはずの第一関門もびびり気味に通過した。
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そんなわけでF1の通過からして安全のため時間をかけたがF2はすぐ先だ。7:00。
ガチ沢屋さんなら登るのかもしれないが僕は5秒で退散する佇まい。きたっちさんはどう登るかと観察するそぶりもあったが勘弁してくださいと巻く。
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そんなわけで巻きに入る。
適当に行くと腐ったような色をしたロープが地面と同化している。
手がかりは多そうでロープなくてもいけるんじゃねと思ったがここも安全を見てきたっさんがロープを垂らしてくれる。
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ここもあくまでロープは保険と確保の練習だけで岩をつかんで登って行ったのだが、手がかりが簡単に動くので結構怖い。
ロープを変に踏んでしまったので体勢を変えていたら、スタンスが9割方崩れ落ちた時は焦った。両足危ういつま先立ちになったが両手は岩をつかんでいたのでセーフ。焦りながら登った。下にいたtakaさんに落ちていった石が少しかすったらしいが怪我はないようでほっとする。掴んで登らないにしてもロープで確保していると安心感があるなと思った。
続いてtakaさんも登ってきた。
大したことないはずのF1、F2の巻きで早くもウメコバの洗礼を受けて先が思いやられる。
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F2の上にあるこの滝をカウントする場合としない場合があるらしいが今回はカウントしない。
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わりと藪があることにほっとするような。
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7:22、F3前に到着。
こいつは滝のすぐ横からロープなしで簡単に上へ巻き上がれた。
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滝上の小滝でヌメリを見るきたっちさん。
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その上は巨岩のゴーロが続いていた。
両サイドは岸壁で尾根に逃げ出すことは不可能だ。
二度とくる予定はないので(怖いから)バシバシ写真を撮っては二人から遅れ気味になる。
さあ奥へ進みましょうと言った感じのきたっちさんのそぶり。
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1110mくらいで左岸から入る顕著なガレ沢。
きたっちさんはいずれこれをつめてオロ北に出てみたいとのこと。
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7:44、F4についた。
30m滝と言われたりしているらしいがきたっちさんはそんなにはないだろうという。
僕は目算で落差はわからない。
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折角なので珍しく動画を撮影した。
カメラを縦にして撮影したら写真と違って後から修正が面倒なことに帰ってから気づいた。
素人が動画をとるとこうなる。

ゆっくり休憩して8:03、巻きに入る。
カサカサとルンゼをあがり、確かこのあたりときたっちさんの記憶と踏み跡が一致しトラバースへ。
そしてまっすぐ上へ少し登ったところで、先に上に出た僕はここから上に進むべきかトラバースするべきかよくわからなかったの。しかしきたっちさんはここでまたトラバースだという。藪があるから安心なのだが、進むべき先がよく見えないのは困りもので。経験者がいて助かった。
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そして細い足場をトラバースしていき、回り込むところで念のためときたっちさんがお助けスリングを伸ばしてくれた。一歩心細いところなので安心感がある。足元フェルトだし。
足場が安定したところについて周りを見渡す。
足尾の中でも普段僕が避けている光景だ。
見るだけで身震いするからだ。
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さっきよりは安心して歩けるトラバースを行く。
何故か気を付けのポーズをとるきたっちさん。
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沢底との高度差がうまく無くなっていくルートだ。
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8:20、沢復帰。
この先のF5は前回あのルートから巻いたと指し示すきたっちさんと話を聞くtakaさん。
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確か右岸の枝沢。
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8:22、すぐ先のF5についた。
上のほうにも連瀑があり合わせて50m大滝らしい。
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これはこれは・・・と滝を見上げるtakaさんを尻目に
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ちょっと様子を見てきますときたっちさんはするすると滝横左を上がっていった。あそこまでならロープなしで行けるようだ。
その先は沢屋さんはロープを使い上っていくらしい。きたっちさんも真っ当なビレイヤーが同行していたら登っていたのだろう。僕では力不足。後に続いてゴボウでも登れる気がしないし。
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珍しくここも動画をとっていた。

瀑泉さんはじめ滝屋の方ならここでじっくりと撮影に勤しまれるのだろうが、滝心のない僕は飽きたので靴を履き替えることにした。
この先F5の巻きはファイト一発的な箇所が一部あると予習でわかっていたので岩場で信用できないフェルトから登山靴に換装。
なお今回新しく買った登山靴の履きおろしでもあった。
今まで履いていたのはワオナブーツ(当然モンベル)。今回買ったのもワオナブーツ。
これでワオナブーツ4足目になるのだが今までは同じモデルだったのに今回は大幅モデルチェンジされていた。見た目が違うし紐の素材が違う。ソールも全然違っていた。よくわからないが滑りにくくなったらしい。この先の岩でも滑らないといいなあと期待する僕であった。
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続く