2020.8.15(土)  同行者:酒
丸沼温泉駐車場 -四郎沢沿いの登山道 -四郎沢遡行 -登山道 -四郎峠 -四郎岳ピストン -四郎峠 -大薙沢右俣下降 -1385m二俣 -大薙沢左俣遡行 -稜線 -四郎峠 -登山道 -丸沼温泉駐車場

盆休みは癒し渓で〆。


みー猫さんとゲロ藪を漕いだ翌日、前日歩き終わった時点ではもう盆休みは寝て過ごそうなんて思っていたのだが筋肉痛が思ってたより軽くて山に行きたくなった。
天気予報を見ると日曜より土曜の方がよさそうで。軽いとはいえ筋肉痛が残っているためできれば中二日開けて日曜あるきたかったのだが仕方ない。
暑いし藪漕ぎはやめておいて癒し渓でも行こう。後輩の酒でも誘ってやるか。
連絡を取ると行きたいんですが昨日の登山の筋肉痛が・・・と弱気。僕も昨日13時間歩いて筋肉痛残っているんだが?と返信するとそれなら行きますと帰ってきた。同行者ゲット。

さて夏でもメジロアブやヤマビルがいない軽い癒し渓となると中々難しい。最初は以前遡行したもののうっかりメインの滝を高巻いてしまった柳沢川右俣に数年ぶりに行こうとか考えていたのだが、ちょうど低公害バスの早朝運行がない期間のようだ。これはパス。
次に思いついたのが片品川根羽沢大薙沢。ここはわりとポピュラーな癒し系で右俣はナメ天国で左俣は軽く滝があるらしい。日光側ではなく、四郎岳・燕巣山の稜線から北側へと流れている沢だ。根羽沢の支流は4年前に後輩達と北場沢(北湯沢)を遡行したことがあるがそれ以来だ。
通常というかほとんどの記録は尾瀬側、大清水を起点に遡行するのだが入渓後1385m二俣までの区間ピストンすると少し面倒な箇所もあるようだ。一方で僕は山の反対側・丸沼温泉から峠越えして大薙沢を遡行する記録を見た記憶がある。4年位前のきりんこさんの記録だ。僕が遡行したいのは1385m二俣より上だけだし、丸沼温泉から四郎峠へと行くには登山道もある。そして登山道沿いの四郎沢もナメが続いているので涼しく登れるかもしれない。四郎沢も片品川流域であり山の反対側なのに同じ流域というのも面白い。そう考えてそのうち歩く候補に入れていたのだがいい機会だから行くことにしよう。メジロアブも多分いないし。出かけることにした。

8/15、3時過ぎに酒を拾って奥日光へ。金精峠を超えて丸沼温泉まで行くとやはり少し遠いなあと思う。期せずしてここにくるのは一か月半ぶりとあまり期間を置いていないのだが。
どうせすぐ沢に入るし面倒なので最初から沢靴装備。ここで酒がネオプレンソックスを忘れたという。まあ水温の冷たさに耐えればなんとかなるので普通の靴下でいけと指示。僕も沢登り始めた最初の頃はネオプレンソックスはいてなかったし。
準備をして歩き出す。5:55。
酒が筋肉痛完治してないんですよというが僕も完治していないので問題ない。
今日は二人ともペースが落ちそうだ。

微妙に笹が覆いかぶさったりしている登山道をたったか歩いて6:06、地形図上では最後の堰堤(1480m)を超えたところから入渓。6:06。
この先ナメが出てくるとは思えないしょぼい流れである。
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平凡な流れを3分ほど進むと堰堤が現れた。さっきのが最後じゃなかったのかよ・・・。
仕方ないので右から越えた。
堰堤の上も平凡なゴーロが続く、倒木がふさいでたりして歩きにくい。これ本当にナメが出てくるのか?よっぽど沢横の登山道に逃げてやろうかと思った。
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直後にナメが出てきてようやく僕らの沢登り始まったな、と思ったがすぐにゴーロになりその先でまたしても堰堤登場。左から巻いた。堰堤下で6:26、1530mくらい。
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その先もしょぼい流れで倒木が詰まっていたりしてうざい。ナメナメゾーンは本当にあるのだろうか。なめなめ詐欺にあった気分だ。
ところが6:34、1560mくらいから渓相が一変しナメが現れた。
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またすぐに消えるんじゃないだろうなと疑いの目で見ていたがナメゾーンは続いており安心。
なお帰ってから調べたら瀑泉さんも以前四郎沢を遡行しており、ゴーロ→堰堤→ゴーロ→ナメの一連の流れを行っていて親近感がわいた。僕の方が堰堤一つ分無駄をしたようだが。四郎沢は1560m辺りから入渓が正解のようだ。
6:37、1575mくらいで登山道が横切り左の枝沢との中間尾根へと登っていく。帰りはあそこを降りてくる予定だ。
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延々と続くナメを楽しんでいく。
何も変哲もないところで酒が滑って転んだ。平坦なところで油断したのだろう。
目の前のナメみたいに傾斜があるところじゃなくてよかった。
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地形図の1600m先の二俣で左に入る予定だったので多少注意しつつナメ床を歩いていく。
しかし二俣はなかった。参考にした記録にもここの二俣に気付かないまま右俣を進んでいたとあったのでわりと気を付けていたのに。少し先の1610mくらいでしょぼい流れが左から入るが地形図の二俣より少し上だしこんなしょぼい二俣ではないはずだ。
地形図間違ってんじゃないかと思いつつしょぼい枝沢で尾根に上がることにした。6:46。
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急なナメだったがネマガリを掴んで登る。すぐにナメはなくなり階段状になったのでセーフ。
一休みして笹薮を突っ切り沢筋へ降りる。登山道合流。6:57。
1575m辺りにあった二俣左沢の上流のようだ。
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登山道は沢沿いだが僕らは沢装備なので沢をじゃぶる。水量は少ないが涼しくていい。ネオプレンソックスじやない酒は涼しい通り越して冷えてるかもしれない。
6:59、1635mくらいで登山道は右の枝沢へと上がっていく。
僕らは折角だからと水量のある左の沢筋(地形図で顕著な谷)を遡行していく。
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苔むして雰囲気はいいが細かい倒木があるので興ざめ。
進んでいくと右岸からいくつも枝沢が斜面を流れてきて悪くない雰囲気。
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7:04、1660mくらいで微妙な二股をまともな沢形の右俣へ。
するとぼさがかかるわ倒木あるわで面倒な感じに。登山道行けばよかったか。
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7:09、1675m辺りで二俣かなあという微妙なところにつく。
地形図的に左が本流のようだが完全に藪へと消えていて遡行意欲は失せた。そもそも四郎沢は大薙沢に行く前に軽くナメるつもりで遡行しただけだし。
右上のどこかを通っているはずの登山道へ逃げようと酒に宣言。
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段差をよじ登り、この前の石筵川もそうだったけど沢の詰めは笹薮だよな、と酒と話しつつ笹をかき分けると7:11、ぽんと登山道に飛び出た。え?2分で登山道出られるの?
すぐ上に登山道通っているとはいえもう少しは藪漕ぎする羽目になると思っていたので、拍子抜けするとともにラッキーだなと酒と笑った。
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沢靴のままぶらぶらと登山道を行く。
スラブ壁から少し水が出てますよと酒。
あの水量じゃいまい湧水は汲めないな。というか湧いてそうなところに近づけない。
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1710mくらいでさっきまで遡行していた沢の上流を横切る。
藪に消えていったくせにまだ水流があり驚く。
ナメ床なので遡行したいところだが登山道が横切る直下でストンと小滝がいい角度で落ちているので滑ったら大怪我は避けられない。
おとなしく横切って登山道を行く。
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細い踏み跡が続く登山道を行く。
迷うことはないが藪が覆いかぶさり藪慣れしていないと不快に思うだろう。酒も藪ん道ですねなどという。この前の湯沢峠から下る登山道よりは断然歩きやすいからOKとのことだが。
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7:31、四郎峠到着。
沢で遊んでた割には早く着いたな。まあ丸沼温泉から標高差400mくらいしかないからこんなものか。
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笹薮が覆いかぶさっていた峠までの道と違い風が通るので涼しい。腰を下ろして休憩&沢装備解除。
ことのついでの四郎岳へピストンで登っておくことにする。
誰もこないとは思うがザックを登山道わきの笹薮に隠して空身で登山再開。7:48。
一瞬木々がきれるところで容赦なく日光が降り注ぎ炙られる。朝方は曇りだったのに。
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地形図の通り容赦ない急登が始まるが空身なので筋肉痛の残る身でも耐えられる。なんといっても藪漕ぎじゃないのが楽でいい。
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湯沢峠の向こうにこの前登った根名草山が見えているのかなと思う。
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傾斜が緩んだなと思ったらすぐに四郎岳山頂についた。8:28。
四郎ってことは長男から三男はどうしたんですかねと酒は言うがそんなやつらはいない。
山名板も割れてますしどんだけ適当な扱いな山なんですかと酒。
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山頂の少し西に展望地。
白根山から錫ヶ岳の稜線先には笠ヶ岳。いつか行こうと思いつつ保留している領域だ。アプローチが面倒なのと水場がね・・・。
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四郎岳から西へしばらく踏み跡が続いているのが酒は気になるようだ。僕も気になるが今日はこれを探っていてはメインの沢にいけないし空身ピストンなので水もない。向こうへ進んだ記録も見たことはないがすぐに道は終わっているだろう。まさかかなり下の送電鉄塔まで続いていることはあるまい。
水も峠に置いてきてしまったのでさっさと戻るかと8:33、下り始める。
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燕巣山は県境歩きの際通過するので今日はいかない。
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9:00、四郎峠手前でザック回収。
水を飲んで一息つくとすぐに大薙沢右俣に向けて下降開始。
右俣のガレが終わりナメる辺りで入渓するのでそこで沢装備にするついでに休憩する予定だ。
踏み跡は鮮明。9:02。
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鮮明だったのだがすぐにいくつかに分かれたりして怪しく。
面倒なので地味な源流を下る。右から土砂が流れ込んでおり酒が感嘆する。
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少し急な流れに沿って下るが1710mくらいで急な小滝っぽいのが見えたのでなんとなく踏み跡がある右岸からトラバースしてから巻き降りた。
すると左岸からガレ沢が合流してくる。
見上げて左から降りてきた。
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ゴーロの沢を下っていくと1630mくらいから左岸側より土砂が流入してくる。
地形図にある大崩壊地だろう。
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その先で唐突にナメが始まる。右岸から1610m辺りで枝沢が入る直前だ。
水量少ないせいか小石が目立つがナメは足の上げ下げが少なくて楽でいいので存在するだけでも評価できる。9:36。
ここで再び沢装備に換装し久々に休憩。ここから始まるらしいナメ天国が楽しみだ。
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続く