9:50、下降再開。
しばらく続いているらしいナメ床をひたひたと下っていく。
傾斜も緩くフェルトでは滑らない。
水量少ないのが残念だがきりんこさんが遡行した時に感じたというドブ川のような臭さはなかった。
10:00、1550mくらいで右岸から枝沢を合わせる。
右から降りてきた。
輝くナメに酒も笑顔。
世の中こんなナメばかりな緩い沢はあんまりないぞと釘を刺す。
初心者の酒でもロープなしでクライムダウンできた。
平凡なゴーロとなった沢をだらだらと下っていく。
たまにナメがあって喜んだり。
ちょくちょくテン場適地もあった。
基本ゴーロなのだが1385m二俣が近くなるとナメ成分が増えてきた。上流の長いナメゾーンより水量ある分こちらの方が映えるかもしれない。
右俣は気楽に下れる沢だった。
ここで休憩するのも何なのでそのまま左俣へ。
その上少しナメ床を歩くと平凡なゴーロゾーンが始まった。
どこでも休憩できるのだが何の見ごたえもないところで休むのもなんだかなあと先へ進む。
確かこの先くらいから滝がでてくるはずなのでここで休憩。
1500m先で右岸から入る枝沢は滝が連続している。
ひろたさんの記録で見たことがあるがこの先8m、25m、18m、25mと滝が続くらしい。
初級者は登れそうもないのでもちろん眺めるだけで本流を先に進む。
でも上から見下ろすとこんなのでも滑ったら怪我は免れないなと気が引き締まる。
なんと酒がストックの先端部分をスッポリ落としてしまったという。
ゴムカバーとかバケットではない。ストックの全体1/3くらいのパーツが消えたというのだ。どんな不良品だと思ったがそのパーツがなくなってもすぐ気づかなかった酒もすごい。
さっきまではあったはずなので・・・と酒は少し戻って探しに行ったが10分ほど探してあきらめた。
気を取り直して7mスダレ滝下へ。11:55。1550mくらい。
右から簡単にまく。
ここも右から巻く。そうやばくはないがフェルトだとちょっと緊張。
左の藪沿いにいけば簡単そうだが基本右のガレで巻くらしい。
踏み跡もあるのでそちらへ。
奥の岸壁は迫力がある。
すると落ち口への最後の2歩くらいが幅狭くずるりと行きそうな土が乗っているだけな感じで嫌らしい。
一応落ちても倒木に引っかかって衝撃をやわらげればまず死なないだろうが。
いまいち信用できないが一応ホールドもあったのでそそくさと通過。
続いてやってくる酒に手を貸してやろうか?と声をかけるが大丈夫ですとあっさり通過してきた。でもやっぱり怖かったという。今回の唯一の核心がここだったか。
まあここはよっぽどポカやらかさない限り問題ないが滑ったら10m下へさよならなので酒も慎重になる。
左俣に少しナメが見えるがすぐにおしまいだろう。
稜線へ最短となる右俣へ。
もうちょろちょろとしか流れていないが水量が多い方へと適当に選んで進んでいく。
しかし湧水量が微妙で汲みにくい。5分ほどであきらめた。
少し前に左岸からそれなりに湧いている場所を見かけていたのでさっき汲めばよかったなあと後悔。一応まだ水は少しある。
7分くらいあがいたが汲めなかった。ぶっちゃけ下りは大して時間がかからないし四郎沢の水をろ過して飲めばいいのだが源頭の水を飲みたかったのである。
無駄にあがく僕をみて呆れたのか、酒は先に稜線出てますねと先行していった。
針葉樹の疎林は踏み跡が続いて藪漕ぎなく進めたのだが最後1820mくらいからは笹薮にin。稜線はすぐそこなので踏み跡探すのも面倒でまっすぐ上った。
少し先で登山道に出ていた酒と無事合流。
四郎峠まで少し歩いて沢装備解除することに。
往路でも沢装備解除したところでまたもや沢装備を解除。下りでは四郎沢を歩くつもりはなく登山道オンリーでさっさと帰りたい。
往路も通っている箇所はたったか下っていく。
1630mくらいまで降りると地形図上の1600m二俣中間尾根を下るように。まあ1600mに二俣は存在しないのだが。
瀑泉さんの記事にもあるがここまで地形図の二俣がずれているのは珍しい。
破線路が間違ってるのはよくあるけど。
午後は天気が崩れるらしいとの予報で少し急いだのだがもう少しのんびりでもよかったか。
登山靴を脱ぎ、着替えて帰途に就くと湖畔で遊ぶ家族連れの姿が。
三密避けてきてもこの人口密度だとどうなんだろうなと横目に見つつ。紅葉にはまだ早いのにいろは坂を下りきるまで割と混んでいた。
まあ悪くない盆休みの締めとなったか。
今回の軌跡

四郎沢はナメが続くのだが右俣を詰めていかない限りはそう長く歩けるわけでもなく。わざわざ四郎沢目当てに行くよりは大薙沢にいくついでに歩くくらいがいいのかなと思う。
この地図は電子地形図25000(国土地理院)を加工して使用しています(令和元年手続改正により申請適用外) |

四郎沢はナメが続くのだが右俣を詰めていかない限りはそう長く歩けるわけでもなく。わざわざ四郎沢目当てに行くよりは大薙沢にいくついでに歩くくらいがいいのかなと思う。
大薙沢は癒しの右俣とちょいちょい滝のある左俣で楽しめたのだが山の反対側から行って四郎岳に立ち寄ったうえでも9時間かからなかった。
がっつり歩くというよりは軽い気持ちでいく沢かなと思う。大清水から行ったらまた違う感想になるのかもしれないが。
盆休みは泊りこそいけなかったがそれなりの歩きを三回こなせた。
ただそれでも月末のやばい歩きには体力が不安だったので、翌週は磐梯山にロングコースで行くことになるのであった。
コメント