8:52、リスタート。
十分に回復したといいたいところだが、ここまでに流した汗が多すぎた。常に塩飴を舐めていたものの失ったミネラルは補給しきれてないらしく、足は少し重い。まあ水5L背負ったせいもあるのだが。
すぐに尾根には乗らず少し獣道でトラバース気味に上がる。
水を汲んだ沢の奥にも別の枝沢の源頭があり、その水気のせいか白い花畑となっていた。
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1490mくらいで尾根に復帰して登っていく。
相変わらずナゲ達は好き勝手しているが隙間が多くてそう邪魔ではない。
単純に急傾斜なので足取りが重くなり、二人から少し遅れがち。
折角冷やした体もまた暑くなる。まあ水の心配がないので心理的には余裕がある。
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1550mくらいまでくると尾根上の藪密度が低下して歩きが捗る。道型のように感じるところもあった。
この尾根、ナゲばかりいるせいかやたらとナゲ饅頭が多かった。
尾根上の藪勢力が増すと隣に獣道が出現したりして。
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1650mくらいで9:30とわりと順調に進んだのだが、その先でナゲ密度が増してきたりして。
しかしなんとなく獣道があり空中戦やどうしようもないという事態にはならず先に進んでいけた。
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1700m辺りに9:47。急にナゲ達は散開していった。
歩きやすい尾根上を、という所だが踏み跡のようなものは尾根の東をまくように続くのでそちらへ進んでいく。
谷間をトラバースするところで水の音が聞こえた気がするときたっちさんが湧水を探りに行くが水流はなかったらしい。
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小尾根を越えて進んでいくと道型はやたらと明瞭になった。昔はこんなところまで人の手が入っていたのかもしれないが伐採した木はどうやって運んだのだろうか。
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1760mまで次第に怪しくなるトラバース道型で進み距離を稼げたのだがその先は不明瞭になり道型を見失う。10:00。
ここは尾根上に出て仕切り直しとする。
適当に斜面を登り1780mくらいで尾根上に出た。なんとなく道型はあるようなないような。
1800mくらいにくると道型があるような気もした。
ナゲはうろちょろしているだけ。大昔に刈りとられたのかもしれない。
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その先の尾根上は道型関係なく普通に歩きやすかった。
日光の地味尾根でありがちな光景。実家に帰ってきたような安心感。
そういえば今日はクマの痕跡を全く見ていない。ナゲと針葉樹しかいないし水場も遠いから暮らしにくいのだろう。
1860mまで進み10:21。一休み。
ナゲはすっかり息をひそめた。
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10:45、歩きを再開。
藪のない地味尾根をぶらぶらと歩いていく。雪田爺さんの記録では1800m辺りから夥しい倒木地獄で尾根の東に逃げたとあったがここ数年で腐ったのか普通に尾根上を歩いて行けた。
15分くらいで1950mくらいにつくというこの尾根にしては素晴らしく良いペース。
そうはいかんぞとナゲ達が身を寄せ合っており、すわ石楠花復古の大号令かと思われたがこけおどしだった。
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きたっちさんのこしかけ。
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そのまま順調に進み2020mに11:11。
このままゴールかと思いきや突如としてナゲ達がにょろにょろとわき出てきた。
あっというまに取り囲まれて僕ときたっちさんはナゲ達と濃厚接触、空中戦に入る。
一方きりんこさんはいつの間にかサイドに散開しており隙間を通過していた。
雪田爺さんは2100m辺りまでこの尾根を登ったと記事に書かれているがナゲ達についての記述はない。もう少し大きく尾根の左右に回避していたらナゲとくんずほぐれつしなくてよかったかもしれない。
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ナゲ藪から見上げる空も青い。
今日はもっと天気が悪かったはずなのだが。暑いから雨が降れと思っている。
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2050m辺りに11:23。
三界岳は目の前だがこのままナゲと戯れていても埒が明かない。
すると先を行く二人が尾根の東側に獣道のようなものを発見。
とんとんルートでナゲ回避し時間短縮。
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獣道に誘われて2085m辺りで尾根上に戻ると相変わらずナゲ達の支配下に置かれているがとんとんルートは続いていく。
おかげでナゲ出来高は中々のものだが意外とスムーズに進むことができて。
2130m過ぎくらいでナゲ達も観念したのか勢力が減衰。歩きやすくなった針葉樹林の獣道をたどればようやく三界岳が手に届くところに。後はあの光さす場所に飛び出るだけだ。
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11:59、三界岳(2173.1m三角点峰)。
成し遂げたぜという達成感よりも疲労感が濃い。
流し続けた汗のせいでミネラル不足の僕の足は痙攣しており、最後は足を引きずるようにして山頂を踏んだ感じ。ぐったりした。
一足先に山頂についた二人に山名板と三角点の位置を聞き撮影。そしてそのまま地面に座り込む。日差しが暑かった。
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秘薬スポドリの素をまたも直飲みしミネラルを補給して3割回復。
12:22、先へ進む。
ここまででかなりの時間と体力と水を消費しているが肝心要の核心部はこの先なんだよなあ。救いの水場のおかげで水はまだ十分あるので女峰山へは向かえる。
出発前は核心部の岩場は巻きで行きたい気持ちが8割だったが、ここまでくると巻きで登って下ってが面倒なのでそのまま岩場の横を通過したいという気持ちでいっぱいだった。なんにしろ見てみないことには始まらないので岩場まで進んでいく。
三界岳だけから南の鞍部へ一旦下っていくが、ナゲ達がにょろにょろ。
山頂すぐ先は左から避けてその先は獣道で隙間を。
先頭のきたっちさんと僕は2050mからうっかり南東の支尾根へと下りかけるがきりんこさんが気づいて南西へとトラバース。するとナゲもおらず下りやすかった。
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下ったところで細尾根の左側にある踏み跡のようなものでトラバースしていく。
鞍部を通過し急斜面を登り返し。藪はないが疲れた足には来る。
2150mくらいからやおら藪めいてきて、東側の獣道で回避にかかるが結局藪につかまる。
しかしナゲの隙間にとんとんルートあり。
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尾根の左側から微妙に藪をまいたりして面倒な感じだ。2189mまで隙間があるようなないようなコメツガ&ナゲのタッグに苦しめられつつ進んでいく。
2189m地点手前で前方が見渡せる。件の岩場も見えるはずだがここにきてガスが流れてきて。涼しいのはいいが岩場はよく見えない。
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13時くらいに2189m地点を通過。
すると尾根が極端に細くなる。
ここの岩場はぱっと見怖いが通過に支障はない。
どちらかというと足元が藪で見えない箇所がありそこの方が怖かった。
鞍部までこれ下れるのかなあという感じだったが思ったより平和に鞍部にはおりたてた。
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鞍部に13:07。細尾根の西側は崩れ落ちていて、もし落ちたら確実に助からないだろう。そういったらきりんこさんはどこかにひっかかるから大丈夫ですよという。本当かなあ。いや、試さないけど。
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ナゲとガレのコンタクトラインを登り返し。
下さえ見なければ怖くない。
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その先かなり急な箇所をナゲを掴んで登るといよいよこの先やべえなという所に出た。
2190mくらい。13:15。
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たぶんこの先尾根上進むと例の岩場だかピナクルだとかいう核心部に出るのだろう。きりんこさんは様子を見てきますと先に進んでいった。
僕ときたっちさんは東側の様子を探ることに。たぶんこれをああいってこうかなあというところできたっちさんが先行。これはいけますねということで僕も続く。
東側突破の参考にしたYoshiさんは「真似されても安全を保証できないためここの突破方法は記述しません」とのことで詳細は省かれている。僕もそれに則り文章による詳細は省くが写真で図示するとこんな感じで。
なんとなく察してもらえると思うがYoshiさんも伏せられたのは納得の安全は保障できないルートだ。ただし西側よりは高度感がないため怖さは緩和された。
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13:28、核心部突破して皆でほっと一息。なおきりんこさんはしれっとノーロープで西側を突破していた。まあきりんこさんだし。
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きりんこさん撮影の岩場末端(ここは直接下れない)と通過後の岩場。
ピナクル見下ろし
三界岳いわば
一息ついてリスタート。
核心部も終わったし後は楽勝と思いきや、すぐ先に急な崖があり、きりんこさんは左から回り込んだが僕ときたっちさんはそのまま登る。
ナゲ達に絡めとられて何が何だか。
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その先は踏み跡をたどり、2250mからは先人の記録にもあるように踏み跡続きで歩きやすい地味尾根。
しかし核心部を過ぎてアドレナリンが消失したのか僕の足は重くなる一方。
二人から遅れて緩斜面をマイペースにのそのそと登っていった。
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14:06、やっとのことで登山道に飛び出る。疲れた。
まあまだ女峰山までの登りがあるんですけどね。
ただまあこの先は大して登りはないし登山道なので倒木で足を上げ下げもしなくてもいい。暗くなるまでに林道終点にさえたどり着ければいいのだから楽勝だろう。水も2L残ってるし。
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後は消化試合だな、なんて気楽に考えていたことを微妙に後悔したのが数時間後の僕であった。

続く