2020.9.20(日)
笹ヶ峰登山口辺りの路肩 -林道 -杉野沢橋 -真川ルート登山道 -滝沢渡渉 -金山谷渡渉 -裏金山谷渡渉
-地獄谷渡渉 -焼沢渡渉・水場 -富士見峠 -泊岩・避難小屋→二日目の焼山・火打山縦走に続く

藪稜線を歩きに行ったはずなのに・・・。
P9200281


9月の四連休は泊りで出かけたかったが、みー猫さんと予定が合わなかった。
連休途中に所用があるらしい。
僕は19日に予定があるものの20-22はフリーだ。後輩でも誘うかと思ったが、来週資格試験があるので・・・、乗鞍に自転車で登りに行くので・・・と振られてしまった。仕方ない久々にソロテン泊で行くか。紅葉はまだどこも始まらないようなので涼しそうなところであればどこでもいいとわりと選択肢は多い。しかし天気は微妙な感じだ。
19日がむしろよくて出かけたい感じがしたが、レガシィのリコール修理のためここは出かけられない。
ヘッドランプの光量が徐々に落ちていく不具合らしい。最近夜運転してて暗いなあとは思っていた。視力が落ちた成果と思っていたがそうではなかったらしい。先日6ヶ月点検の際に見てもらったらやはり不具合のためランプ周辺を交換とのことで元々予定があった19日に修理を予約したのだ。まあ元々の予定は参加しなくてもよくなったのだが。

そんなわけで19日は車の修理と旅の準備に宛てた。連休最終日の帰りに渋滞に巻き混まれたくないため20-21に天気が良い場所を探す。候補はあった。新潟焼山から火打山の縦走だ。新潟焼山は2年位前まで火山活動のため登山禁止になっていた。現在は登山解禁されたものの、火打山への縦走路は整備されておらず藪達が蔓延っているという。それならば人もおらず静かな稜線歩きが楽しめるだろうと前から狙っていたのだ。しかし一つ問題があり、未整備のため立ち入り禁止になっているという。別に藪があるくらいなら自己責任で許せよと思っていたが、新潟焼山に登る場合登山届が必須であり、歩くコースがばれてしまう後ろめたさがある。そのため中々踏み出せずにいたコースなのだが、最近立ち入り禁止は正式なものではなく登山届出せばOKと書かれている記録を見つけた。これは行幸。現在出かける障害はない。

後は天気次第、というところだがこれが中々厄介で。どうも天気予報が微妙なところ。初日は雨さえ降らなければよく、二日目に晴れてほしいのだがコロコロ予報が変わりいまいち信用できない。
仕方ないので初日のコースタイムは短いし朝の天気予報を見てから出かけることにした。

9/20、4時に起きて天気予報を見ると21日の午前は天気が良いようだ。これなら行くかとザックに装備を詰め込む。5時に家を出た。
笹ヶ峰登山口までは270kmほどで4時間近くかかるようだ。残り100kmくらいになったところで朝飯を食べていないことを思い出し東部湯の丸SAに立ち寄る。7時過ぎなので食堂がやっているか不安だったが普通にやっていた。かき揚げそばととろろごはんのセットを頼んでみる。食べておいてなんだがやはりそばはざるそばがいいなと思った。
コンビニに寄りたかったので信州中野ICで降りる。しかしコンビニに寄るだけなら信濃町ICでおりても問題はなかった。最近はコロナの制限も緩んでいるため現地で金を使おうとIC降りてから昼飯の買い出しをしている。
野尻湖の横を通過。野尻湖といえばナウマンゾウだ。子供の頃旅行でこのあたりの博物館らしき場所に入ったような気がするのだが、その旅で他にどこへ寄ったのか全く記憶がない。
くねくねとした山道となり対向車に気をつけて走っていくと9時過ぎに笹ヶ峰登山口についた。
うわ・・・路駐多すぎ・・・。登山口前の20台くらいの駐車場はともかく、反対のキャンプ場の無料駐車場(200台駐車可らしい)も満杯。凄く狭いスペースにまでとめてある。
今日は曇天だからと思って舐めてたなあ。笹ヶ峰登山口からは火打山・妙高山と二つも百名山(笑)が狙えるから大人気なのである。おまけに現在妙高山サイドの登山口、ルートがいくつか閉鎖されているため余計ここに人手が集中しているのだろう。
ただまあ今回の僕にはあまり関係がない。どうせ笹ヶ峰登山口から林道を2-3km歩かないといけないのだ。林道の路肩スペースは流石に空いているだろうと車を走らせる。
舗装路のちょっと余地がある個所はすかさず路駐あり。林道が未舗装に変わる寸前の余地には一台分まだスペースがあった。ここは候補の一つだな。
未舗装路個所に入るとやはり広い余地もガラガラ。しかし人気がなく車上荒らしが怖いので引き返して舗装路の余地に停めた。新潟焼山に登るので今回は珍しく登山届を真面目に書いてきた。登山口の登山ポストにポイ。横の新しめな案内板に縦走路は未整備要注意とあるが通行禁止とはなかった。
準備をして歩き出す。9:23。
今日は曇天のおかげで涼しい。
P9200001
未舗装林道を緩く下っていく。久々のテン泊装備なので重さに体が慣れておらずつらい。一応今日は避難小屋泊りの予定だが一応ドームツェルターは持参した。
林道の路面状況は中々良い。最近乙見山峠を越えて金山登山口まで台風の被害で通行止めだった箇所の整備を終えて開通したばかり。そのおかげでフラットになり少しの水たまりくらいしか通行の邪魔にはならない。林道横に除けられた小石たちを見るとまた大雨のたびに通行止めになりそうだが。
P9200018
ぶらぶらと歩いて9:54、2.5kmほど先の杉野沢橋までやってきた。荷物は重いが緩い下りと涼しい気温のおかげで順調である。
沢の水量もあまり多くはなさそうで。この先枝沢の渡渉がいくつかあるのだがそこまで心配はいらないか。
P9200026
橋を渡った先の駐車スペースには車が二台。笹ヶ峰登山口とのこの格差である。
新潟焼山も200名山で人気のはずなのだがどうも真川ルートは人気がなくて皆北側の笹倉温泉から登るらしい。せまり整備されていないのが一因らしいが、今回の縦走ルートを車一台ですますにはこちら側が妥当だ。
林道はこの先もいい感じに整備されているようだ。
車二台利用して雨飾山・金山方面からの稜線も縦走するのであれば今がチャンスだ。
僕は金山登山口までの林道歩きが長くて面倒なのと水場という死活問題のため真川ルートをとらざるを得なかった。
P9200029
真川右岸の林道へと入る。9:55。
しばらく河原沿いと思っていたが5分ほど歩くと林道がなくなった。おやっと少し戻るとテープがあり森の小道に誘われる。藪めいて見えるが踏み跡明瞭。ぬかるみ注意。
P9200033
また5分ほど歩くと河原沿いに帰ってきた。堰堤はスロープで巻く親切設計。
堰堤の上から直進するとぬかるみにぽちゃんといきそう。ヤマレコでは直進している記録もあったがここは堰堤横に高巻き。ロープあり。
P9200038
登るのはいいがすぐ先の下りがずるっと行きそうで重荷を背負った鈍い状態では怖かった。トラロープがあるのでなんとかなったが。
10:12、滝沢渡渉。増水していないのでお気楽。
手を洗ってみるととんでもなく水が冷たかった。
P9200040
対岸に渡り木々の隙間からちょっとした滝を見る。
滝沢の名前の通り滝が多いのだろうか。
つるりとしたスラブで僕には手が出そうにないが。
P9200041
ここから1390mまでは急な登りとなる。テン泊装備の身には中々つらくて気温が低いのに汗がにじむ。曇天でよかった。
10分少々耐えると金山谷まで緩い傾斜のトラバースが始まった。
よく刈り払われており藪はない。
最初は歩きやすかったが谷際のトラバース道となるとちょっと歩きにくくなる。
P9200048
木々の隙間から黒姫山。雲をかぶって割とシャイ。
P9200051
大部分は歩幅十分で問題なかったが、二か所ほどずるっといったらやべぇと言う箇所があった。流石に両方ロープが張ってあったので通過に支障はなかったが。
P9200053
小さな名もなき沢を一つ越えるとそのすぐ先で金山谷。10:52。
わりと順調に歩いている気がする。ここまではしっかり登山道が整備されている印象だ。
P9200055
P9200057
対岸へ渡り1454m地点方向へ急登をこなす。急なところはトラロープのある親切設計。
1454m地点を右から巻く辺りは平坦で歩きやすいがその先ですぐに下りへと変わる。
裏金山谷の出合いが見えた。紅葉にはまだ少し早いようだ。
P9200067
裏金山谷渡渉点へと下っていくと下方からおじさんハイカー三人組が現れた。見るからに地元民っぽい。登山口の車の持ち主たちだろう。
明らかにヨソモノな僕への風当たりは強いかと少し身構えるが、どこまで行くのかと聞かれて泊岩までと答えると"ご苦労さん""気を付けて"と笑顔でフランクな対応。新潟民は暖けぇんだ。心が乾いてねえんだ。東北のとある町ではすべての店が県外民お断りと心を閉ざしているらしいからな。まあ悪いのはコロナだが。
それならばとこのあたりクマいますか?と聞くと"この少し先にいるって聞くなあ""でもクマが逃げてくれるから大丈夫"と心強いお言葉。このあたりの熊は弁えているらしいな。
礼を言って別れた。
P9200070
下り着いた先は沢のすぐ横。
どうも藪めいている感じはするが軟で邪魔な奴らではないので気にしない。背の高い雑草のおかげで見道迷いはない。
P9200072
すぐに裏金山谷の河原に出るが、一旦引っ込んで沢沿いに上流へ。
そして岩のマークを見て対岸の踏み跡に渡渉。
ここは増水していたら簡単には渡れなさそうだ。11:12。
P9200074
一段上がり地獄谷渡渉点へとぶらぶら歩いていく。
標高差もなく先ほどと違い下草もないため高速道路。
ここまで涼しくて快適だったのだが太陽が雲間から少し顔を覗かせると途端に背中が炙られて。今日は引っ込んで代わりに明日出て来いと懇願する。
地獄谷が近づくと道の真ん中が大雨で沢と化したのかしばらく抉れていたが端を歩けば問題なし。
11:25、地獄谷渡渉点。靴を脱いで渡渉した記録が多いのも納得かなあという流れ。
P9200083
少しだけ上流に移動し滑り落ちないよう注意して渡渉した。水はキンキンに冷えており靴を脱いで渡るのであればつらいだろう。幸い今日はどの沢も飛び石で渡れた。
P9200085
地獄谷とヌルイ沢の中間尾根を通る登山道を行く。地獄谷寄りの間は崖際トラバースなノリもあるがそこまで狭くもないのでセーフ。
細尾根が終わり尾根が広がる1500m先まで来ると前方に新潟焼山の雄姿が。
見事にてっぺん雲がかかっている。
P9200097
雲が取れないかなあと眺めつつ歩いていたがあと一歩丸見えにはならなかった。
P9200108
今まで大して標高を上げてこなかった登山道がようやく標高稼ぎだす。しかし未だに傾斜はゆるゆる。ザックが重いのにそれなりに進めており今のところ休憩なし。
このあたりも最近整備が入ったらしく真新しい枝打ち跡が登山道脇に。
意外にも快適な歩きが続いている。
P9200111
思ってたより時間かからず泊岩につくかもなあと歩いていくと、見慣れたイキモノの枯葉が固まっている。視線を感じて見上げてみると、ナゲ達が大岩の上からニヤニヤと見下ろしていた。
さてはこいつら刈り払いから逃げるため岩上に登ったな?
しかし不思議とこの岩ナゲ以降ナゲ達の姿を見かけることは当分なかった。
P9200117
その先も真新しい整備跡が見受けられる歩きやすく広い登山道をゆるゆると登っていった。
気づけばまた背中から太陽に炙られて。
周囲はガスのままで景色は眺められないのに理不尽だ。
今のところ2Lも消費してないけどそもそも今日持参したのは2Lだけでね。
この先の焼沢にあるという湧水が期待外れだと痛い目に合う。
P9200126
P9200131
そう考えていると登山道は下りに転じて12:01、1630m辺りの焼沢渡渉点にたどり着いた。
さて水場はどこだろう。沢の右側にあるらしいのだが。
小さな流れの焼沢を一跨ぎすると、僕は水場へと視線をめぐらせた。
P9200132
P9200134
続く