2020.10.15(木)
日暮沢小屋近くのスペース -根子川沿いの林道 -根子ノ三沢右岸の登山道 -ハナヌキ峰 -三沢清水
-古寺山 -小朝日岳 -銀玉水 -大朝日小屋 -大朝日岳 -大朝日小屋 -中岳 -西朝日岳 -竜門山 -竜門小屋
-寒江山 -北寒江山 -三方境 -狐穴小屋(泊) →二日目に続く

初日からロングコースで紅葉見物。


東北は紅葉の時期に行きたい場所が色々あり、いずれも行ったことのない飯豊か朝日のうちどちらかは今年歩こうと考えていた。
いずれもラスボスと位置付けている藪山が存在しており、天候と条件がそろえばみー猫さんと行きましょうと計画しているのだがここ数年条件がそろったためしがない。
今年もダメかなあと地形図を眺めていると世間様からハブられていそうな寂峰が目についた。エズラ峰である。
本当は一週前に出かけるはずが天気と仕事の都合がつかず。紅葉はもう出遅れ感があるが北アには行きたくないし、夏季休暇(有給三連休)をつかうなら縦走はしたいのでやはりエズラ峰を救いに行くかとなった。ついでにラスボスの様子も眺めてこようと思う。

10/14、仕事を終え帰宅をして準備完了。しかしすぐ家を出ると高速の深夜割引が効かない。21時半に家を出た。福島JCTから通ったことのない東北中央自動車道へ行ってみる。片道一車線で前を行くトラックがとろいせいでのろのろ運転。それでも下道よりはましかとそのまま走る。
寒河江SAICで降りてコンビニへ。朝日連峰に行ったみー猫さんの過去記事で、月山ICで降りてしまうとコンビニがないということを予習していたのだ。先日月山に行った瀑泉さんはそれを知らず痛い目にあったらしいが。
買い出しをしてそのまま西へと山道が走れるのであれば距離は短いのだが、いつぞやの大雨で通行止めらしい。下道で月山IC辺りまで行き南下していく。根子川沿いの林道に入り、しばらくは舗装路だったが日暮沢小屋まで残り4kmだったかくらいから未舗装路になった。凸凹は当然あるがましな部類である。ゆっくりいけば下をこすることもパンクもないだろう。
最後に洗い越しを超えて日暮沢小屋手前の駐車場についた。2時過ぎ。
先客は二台。洗い越し手前のスペースにも二台いた。流石平日の深夜だけあって車は少ない。とりあえず仮眠した。

5時に起きるが洗い越しのことが気になった。あの洗い越しはまともに沢を横断している。今日は天気がぐずつく予報だし下山予定の三日目は雨だ。沢の上流から石が流れてきたら通れなくなるのではないか。なんとなく嫌な予感がした僕はレガシィを移動させ、洗い越しより向こう側に到達、一台分のスペースに駐車した。これで憂いなく山に籠れる。
また少しだけ寝て5時半に活動開始。
朝飯食べて重たいザックを背負う。朝日連峰は僕にやさしく水場が多いので水は2Lしか持参しないが食料は3日分+α持っているので15kgくらいは重さがある。まあこの前の谷川と比べたら沢装備がないだけ楽だが。のそのそと歩き出す。5:50。肌寒いので合羽を羽織る。
問題の洗い越し。歩きなら石伝いに濡れない。
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日暮沢小屋前を通過。深夜から車の台数は増えていない。
どうやら駐車場拡大の工事をしているようだ。現在は小屋前の駐車は7台くらいまでか。
日暮沢小屋からは竜門山へのルートを登っていくと以東岳・エズラ峰方面へは早いのだが、僕は折角なので遠回り。ハナヌキ峰・古寺山方面へと歩いて行く。
ぬかるんでいるが車が走る分には問題なさそうな林道を進んでいくと、1kmもいかないうちに根子川の右岸にわたる橋にたどりついた。どうやら車が通れるのはここまでらしい。橋手前のスペースには意外にも三台車がとまっていた。
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橋を渡ると林道は自然に還っていた。
人一人歩く幅以外は藪めいているし沢で寸断。
地形図では実線になっているが車が通れた時代は存在するのだろうか。
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まあ歩きでは関係ないねとぶらぶら前進していくと熊鈴の音。斜面を見上げるとビニール袋を持ったおじさんが。なるほど、きのこ取りか。橋の手前の三台は全部そうなのかな。
周回するのであれば日暮沢小屋前に停めればいいし、小朝日岳へ行って帰るのであれば古寺鉱泉から歩いたほうが距離が短くて済むのだ。まあその後キノコ採りの人には出会わなかったのだが。
林道部分はさっさと歩いてしまおうと進んでいくと、竜門滝手前の沢を横切る辺りで突如林道が通せんぼ。ピンクテープが斜面上へと導く。何があるのやら。
とりあえずしたがって標高を上げていく。30-40m程上に追いやられてトラバースしていくと沢を渡る場所に。
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沢を通過してトラバースすると、標高を吐き出して林道まで降りてきてしまった。もったいない。
通行止め方向を覗いてみるとどうやら沢がある個所で林道が寸断されているようだ。そこそこの高さからロープで上り下りしないと反対側に渡れないように見えた。それで仕方なく迂回路を作ったのだろう。そういえばヤマレコで何か見たような気もした。

6:34、林道というかすでに登山道に変わっているが、根子ノ三沢手前までやってきた。
ここから根子ノ三沢右岸尾根の登山道で一気に標高を上げていく。泊り装備にはつらい箇所である。
木の根蔓延る地味っぽい登山道は好ましいが、序盤からつらいなあ。暖まってきたので合羽は脱いだ。
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しかし標高を上げていくと少しずつ木々が色づき始めて。
800mくらいで淡く色づいた紅葉を見かけて、もうここまで紅葉の標高が降りているのかと焦りも出てくる。しかしこいつは気が早かっただけのようでぽつぽつとしか赤は見かけず安心した。
860mを超えてもメインは淡い黄葉であった。
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たまに出てくる赤いヤツにドキッとする。
何故紅葉を恐れているかというと今日歩くメイン稜線は標高1600mより上だからだ。
今いる900m程度で見頃の紅葉ではこの先お先真っ暗である。
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紅葉にドキドキしつつ、守門岳で苦しめられた粘土質が現れてうんざりし、そのうち消えてほっとして。何だかんだで気づけば傾斜が緩くなり7:38、1130m辺りについた。
ここからは緩いアップダウンでハナヌキ峰につくはずだ。傾斜が緩くなると肩の重荷があまり負担にならず足が軽くなる。
一応このあたりはまだ色づき過渡期のようだ。
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そう思って安心していたら曇り空でも鮮明なオレンジ色が。
おや、先方には真っ赤な奴も。
紅葉していて嬉しいなあではなく何故か焦りが増している。
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ハナヌキ峰(1196m)への登りにかかると東側の展望が少し。
見下ろす木々は黄緑が多くて心が落ち着いた。空模様はどんより昼から晴れるらしいが本当だろうか。
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まだ紅葉は見頃前、まだ紅葉は見頃前と念じつつ歩いて行くと山名板もないハナヌキ峰は素通りして下りになった。
下り着いた鞍部がハナヌキ峰分岐。8:00。
古寺鉱泉からの登山道がここで合流する。ここから先の方が登山道の状態がいいらしい。まあここまでも特に歩きにくくはなかったのだが。
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休憩したかったのだがチリンチリンと古寺鉱泉方面の登山道から鈴の音が。やっぱ先に進むか。
鞍部から古寺山への登りにかかる。ここもまた急登である。
しかしまだ1150m程度なのにどうも色づきがいいな。
さっきから認めないようにしてきたがこれわりと見頃なのでは?
ここが大菩薩とか前日光なら見頃の紅葉を見てきたと間違いなく書いている。
もう負けを認めてメイン稜線の紅葉に希望を持たない方がいいのだろうか。
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でもまだ黄緑の奴らもいるから!黄葉がメインだから!
誰に張り合うわけでもないのだが意地を張っていると気づけば急登をそれなりに登っており三沢清水についた。8:32。標高1355mくらい。
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この水場は200mくらい離れた沢からホースで水を引いているらしいのだが浮遊物もなく綺麗らしいとの前情報。確かに透明で綺麗な水だ。豊富に流れている。
今日は涼しくて持参した水がほとんど減っていないので手酌で飲むことにする。
滅茶苦茶冷くて手が凍えるかと思った。美味しかったので何回か飲んだが。
この前の守門岳の湧水はこれにくらべた大分ぬるいな。
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一息ついて登っていく。
1400mくらいまできたらナナカマドの葉が枯れていてドキッとした。まさかここまでで紅葉打ち止めではあるまいな。
勘弁してくれよと思いつつ進むとしばらくチリチリの枯葉が続いた後に何故か色味が復活してきた。
8:48、1450mまでやってくるとあとは緩く標高を上げて古寺山へと歩いて行ける。
標高も上がり気持ちのいい展望の広がりそうな稜線歩きとなるが生憎のガスだ。
木々が茶色に煤けて見えるのも天気のせいだと思いたいが。
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ぶらぶらと歩いて行き、見下ろす斜面が黄ばかりなのは赤がまだ色づいてないからだといいのだが。
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"煤けたやつらより鮮やかだろ?"
鮮明な緑色のイキモノがこっちを見ろと声をかけてきた。
藪の番人、シャクナゲさんである。
確かに雨に濡れててかっておりくすんだ色はしていないのだが・・・。
やはり地味。
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そんなナゲ達を足元からあざ笑うかのように色づくツツジ。
小さい秋見つけたなとぽつりぽつりと存在する紅葉を辿っていくと古寺山に8:57。
あれ?古寺山1500mなのに背後のカエデ、やけにいい色してるな。
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さっきまで記事に載せる気にならない、枯れかけた茶色ゾーンが続いていたのにどうしたことか。
突如としてモノクロの世界からフルカラーに帰ってきた。ナゲの存在も霞んでしまいそうだ。
ここから先も枯れてるやつもいるけどわりといい色したのが残っているように見える。
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大朝日岳方向、谷間の紅葉は黄色メインに見えるのだが、風が通り抜けて寒いのだろうか。
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ちょっと楽しくなってきたので休まず先へ行く。
少し下った鞍部に汚い池塘あり。
谷川から巻機へと縦走した時池塘の水をろ過して飲む生活を二日間ほどしていたが、あの時のろ過した水はなんでおいしかったんだろうなあ。やっぱり前日に雨降って薄まったのがよかったのだろうか。あれ以来これならろ過して飲もうと思える池塘に出会えていない。
池塘を見るたびにろ過して飲めるかどうか判断しているのは僕ぐらいかもしれない。いや、みー猫さんはどうだろう。
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小ピークからこの先の小朝日岳を眺める。
少し下ってから登り返すのだが斜面の紅葉が気になりガスが晴れる瞬間を待った。
どうやら1600mより上は紅葉の残滓がいる程度のようだな。
それでも色的には曇り空でも鮮やかなオレンジなのだから悪くない。
茶色に煤けた稜線歩きはしなくてよさそうだ。
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そうとわかればさっさと鞍部に下って登り返そう。
そう考えたのだが、鞍部へと下っていくとこのあたりの紅葉がすごくいい。1500m辺りが紅葉の見ごろだったのか状態のいい紅葉達が続いてしばらく足止めされた。
これで晴れていればねと思うが晴れていなくてもいい色。
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鞍部から小朝日岳へと登り返していくと、登山道脇は笹原で紅葉の灌木がいなかった。ガスっているので周りも見渡せず拍子抜け。淡々と歩いて行く。
あっさりと1560m辺りの分岐についてしまった。9:25。
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すぐ先で小朝日岳方面と巻き道に分かれる。
巻き道を行くと標高100m分上り下りしなくて済むのだが、折角初朝日連峰だし小朝日岳に寄っていこう。ガスガスで何も見えないけど。
標高を上げていき振り向くと古寺山方面は見えたし、登山道脇に少しは紅葉もいたので無駄ではなかった。
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1640mくらいまでくると小朝日岳は近い。
小朝日岳から先、西へと続く稜線を見下ろすとガスに覆われていてがっかり。
色鮮やかな奴らが見え隠れするのはうれしいが。
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ハイマツの中に潜む紅葉や谷間の景色を見下ろしつつ歩いて行くと小朝日岳についた。9:39。
ガスガスで展望なし。
乾いた砂地で休憩しようかなと思ったがどうも先が気になる。
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ハイマツの海にカラフルパターン。
キノコとりおじさん以来に見かけたニンゲンが前方で写真撮影している。
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こいつはもしやと急ぎ足で下ると振り返っても、斜面を見下ろしても紅葉のパターンだ。
ハイマツの緑もいいアクセントになっている。
ナゲ、お前らここにいればいい仕事できただろうに・・・。
残念ながらナゲ達はハイマツの根元で借りぐらし中だ。
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登山道を下っていく先もいい色している。1600mセーフ説。
目下の課題は迫りくるガスだ。気が急いて固まっていたハイカー四人の前に出た。
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ゆるゆると山頂から標高50mくらいくだっていくと次から次へと新たな紅葉モザイク模様が現れる。
なんだ、朝日連峰の紅葉は遅いかと心配して行き先変えるか迷ってたけどここで正解だったじゃないか。おそらく見頃は過ぎているのだろうがわりと状態がいいやつらが結構残っていて、一面の赤ではない分逆に模様が楽しめる。
曇り空でこれなら晴れていたらどれだけか。またいつかこないといけないな。
それより今を楽しむか。鞍部への下りはまだ標高100mくらいある。普段なら登り返しがつらいと思う所だが、今は同じ標高帯で紅葉が楽しめるのではという期待が大きい。
少しわくわくしつつ僕は鞍部へと下っていった。
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続く