赤いいカエデはちょうどいいけど黄葉は枯れかけているので紅葉も終盤と言えば終盤なのかと思いつつ下っていく。
まあここから標高をまた上げていくからそのうち赤いヤツがみられるだろう。
そう思いつつ鞍部を南西に進み振り返ると、下ってきた尾根の南側の崖斜面一角がとんでもないことになっていた。
黄色いのは少なく赤ばかりだ。これで光が当たればと思うが、辺りはガスが立ち込めるばかりで全体像すら見えやしない。
少し進んでは振り返りを続けたが結局光が差すこともガスが晴れることもなかった。
この登山道道沿いも状態のいい紅葉があるのだが、さっきの斜面を見た後だとインパクトに欠ける。
ガスがなければ両サイド展望がいいのだろうがそれもないので少し淡泊な歩きになりつつある。
御影森山でも見えていたのかなあと思う。色づきは黄色メイン。
虹もいいのだが谷間の日差しがこちらにもほしい。
これから進む先、本来であれば大朝日岳がドーンと見えるのではないかと思われるが、標高上の方は完全にガスに覆われていてその姿は伺い知れない。
紅葉も終わりかけか。
気を紛らわすために振り向いてみると意外と北側斜面に赤いのがいたり、のぞき込んだガンガラ沢の谷間がいい感じに色づいていたり。
標高1630mくらいのところ。
登山道からどれくらい先なのかなと思ったら1分もかからなかった。お手軽。10:37。
十分な量が湧き出ているので汲んで飲む。冷たくてうまい。僕の場合透明で冷たくて土の味がしなければ大体うまいと思ってしまう。
念のため1.5L汲んでついでに休憩。
陽射しがないし風が吹いていて寒いので合羽を羽織った。
何故か草原と笹原の中を石階段がしばらく続いていた。
やがてナゲとハイマツの支配する緑ゾーンに突入。辺りは一面ガスっていて何も見えない。視覚的に実に地味。霊山朝日嶽神社奥宮とかいた石碑があったが石祠しかなかった。
風が吹いて寒いし気持ち足早に避難小屋に向かった。
小屋前に人影なし。
小屋内には人がいるかもしれないが覗き込んで管理人がいたら休憩料取られるかもしれない。
僕はそのまま小屋前を通過した。
こんなガスガスでは大朝日に行っても何も見えないのだがまあここまで来たので記念に行くことにする。ピストンになるので財布とカメラだけ持ってザックは藪に隠した。
山頂へと空身で登っていくと二人ばかりとすれ違う。平日のこんな天気でも流石は百名山というところか。1850mを超えていくとハイマツ達も相当背が低くなり勢力が衰える。
11:23、ガレてガスって何も見えず地味地味な大朝日岳に到着。
おじさんが一人でカメラを構えて頑張っていた。ガスが晴れるのを待っているのだろうか。
僕は寒いしガスが一瞬取れたところでね・・・とさっさと下山することにした。まあいつか再訪だろうな。分岐まで戻ると11:30だった。
竜門小屋まではマスト。できれば狐穴小屋までだ。
相変わらずガスのせいで展望がないなあと思っていたが、1721m地点の鞍部方面へと下っていくと少しガスが流れて先が見えた。
とりあえず前方の中岳は見える。
鞍部からは金玉水の水場へといけるのだが、今日は涼しい通り越して寒いので僕の水消費量も少なく立ち寄る理由がなかった。登り返して振り返る。
一瞬晴れ間も見えておっと思ったが直ぐにガスが流れ込んできた。
小朝日岳方面と比べるとこちらは灌木が少ないようだ。足元の草が濡れていて少し靴が湿ってきた。
こんなとこで遭難するのかねと思ったら日付が4月5日。それなら仕方ないな。雪山は怖い。
まあまともな稜線縦走なのでアップダウンが多い。荷物が重いのでうんざりする。
しかしここで一瞬日が差して前方や左の谷間に紅葉が見えた。
まあ稜線の奴らは見頃ではなく残滓という感じだが。やっぱり1600mくらいまでなんだろう。見頃なのが生きているのは。ただ何もない笹原と比べると断然良い。
しかし近づいてみると紅葉の残滓はちりちりなやつだけではなくわりと葉っぱがまともだった。7割落葉で3割生存しているのか。カエデにも個体差がありおかげで楽しめているようだ。
とはいえ例年なら全部落葉しているだろう。
今年の紅葉が遅いというのは正しいようだ。
ガスより下の山々は展望がある。まあ日差しがないので薄暗いのだが。
平岩山よりさらに南西の方か。いつかはいってみたいところだ。
そこから先が急登な上に風が強く雨まで振り出してつらかった。薮が水を含んでおり靴が浸水して靴下まで少し濡れてしまった。靴下の替えはあるが、靴が乾かないと意味ないしなあ。小屋泊りの間に少しは乾けばいいけど。それより今日歩いているうちに乾いたほうがいいのだが。
当然の如くガスで展望なし。風雨で寒くて座って休憩する気にもならない。
歩いていると体温が上がりやすい僕だからシャツと合羽の二枚で済んでいるが年配ハイカーなら風邪をひくところだ。まあ一応僕もフリースとダウンはもってるけど。
今日のところは竜門小屋泊りにしとくか?なんだか面倒になってきた。
しかしそんな僕にもうちっと頑張れやということなのか、急にガスが晴れた。いや標高を下げてガスの下に出たからなのかもしれないが、展望ゲット。
どうもここから先は標高のわりに紅葉がいい感じに残っているように見える。
少し先は光が差しているしこれは期待できるか?
僕は少し足取りも軽く先へと向かっていった。
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