2020.10.24(土) 同行者:きたっちさん
安ヶ森林道の路肩 -急斜面 -ナゲもいる支尾根 -林道復帰 -安ヶ森峠 -安ヶ森山 -次郎岳 -荒海山
-1276m地点 -県境を離れる -1266m地点 -入山沢林道 -駐車地

秋の栃木福島県境歩き第一弾。

東北の紅葉を楽しんだ休暇が終わると10月も後半。この時期になると栃木の県境でも紅葉が楽しめる時期になる。昨年は11月半ばに紅葉の終わった県境、安ヶ森峠の西側部分を歩いたのだが今年その続きを歩こうと決めていた。
折よくきたっちさんから10/24どこか行きませんかと誘いが来たので、昨年の続きを行きましょうと提案。承諾を得た。栃木福島県境も今年はあまり歩けていない。この秋で少しは進めておきたいところである。
安ヶ森峠まで林道を車で行ければ早いのだが昨年からどうせ復旧は進んでいないだろう。調べてみると案の定昨年駐車した場所から先は通行止めのようだ。
今回中々時間がかかる個所になるので夜明けとともに峠を発つぐらいの気持ちでいたい。林道はヘッデン歩きだな。
問題はどこまで県境を歩くか。安ヶ森山からしばらくは踏み跡もあるらしいのだがその先がゲロ藪らしく先人達は誰もかれも時間がかかっている。下り基調の荒海山からでも4時間はかかるようなので、安ヶ森山方面から行く場合5時間近くは見ておいた方がいいかもしれない。まあ荒海山まで12時前にいければ御の字だ。荒海山からは栃木側に下りることはできない。福島側に下りることはできるが車道もしくは林道をだらだら歩いて電車で栃木側に戻る必要がありできれば避けたい。
栃木側で歩いて下山するには登山道跡がある1430mくらいまで県境を行き、そこから登山道跡で林道へ下ればよいのだが、次回もその登山道跡を登って続きを歩くことになるのでこれも避けたい。そうなるときりがいいのは1276m地点を超えて1260m級ピークから県境を離れて南の1266m地点から林道へ降りるパターンが理想だ。林道に降りてさえしまえばかなり荒れているらしいが最悪ヘッデンで歩けるだろう。
とはいえどれだけ時間がかかるか。この区間を日帰りで一気に歩いた記録はネットで見当たらない。基本的には荒海山で一区切りするパターンばかりだ。荒海山先の登山道が県境が離れてから先の東側は地味すぎてあまり情報がなくどれほどの藪かもいまいちよくわからずタイムが読めない。まあ最悪福島側にエスケープするかと思いつつ、1266m地点から林道へ降りるパターンで行くことにした。


10/24、待ち合わせの中三依温泉駅に三時過ぎについて仮眠。
四時近くに起きだすときたっちさんも来ていた。
とりあえず芝草山の登山口付近まで行くが、きたっちさんから聞いていた通り工事車両のためとどこも路肩が駐車禁止だ。しかなく入山沢林道を少し奥へ進み、きたっちさんが抑えていた唯一の駐車ポイントとなる林道通行止め手前付近の路肩にきたっち号を駐車。僕のレガシィに乗り合わせて安ヶ森キャンプ場付近へ移動。安ヶ森林道を相変わらず去年と同じ個所で通行止めとなっており、広い駐車ポイントにレガシィを停めた。林道歩きは言え真っ暗だし、峠まで距離は4-5km、標高差400m近くあるので一時間半くらいはかかるだろうか。
準備をしてヘッデンで歩きだす。5:01。

きたっちさんがかなり明るいヘッデンを買ったらしく、その光に照らされた林道は歩きやすい。
土は乗っているが障害物はなく通行止めから先も車は走れそうな雰囲気。
30分ほど歩いて行くとユナゴ沢の支沢右俣950mくらいを渡る橋についた。
きたっちさんがここで橋を渡った先の支尾根を登りショートカットしませんかという。
確かにこの先林道はくねくねと曲がっておりここで支尾根に登り林道に復帰すると1kmくらい距離が短縮できそうな感じである。確か昔きりんこさんも下りでショートカットしていたような。
それじゃあ行ってみますかと暗闇の中僕らは支尾根、に乗るために橋のたもとから急斜面に取りついた。5:33。
取りついたのはいいがこの斜面かなり急だった。おまけにさらさらと崩れやすい。
獣道を利用しトラバース後は木の根を掴んでかなり強引によじ登っていく。
安全地帯に登り上げた時は本当にほっとした。二人して序盤から息を切らす。いきなりの核心であった。出発時は肌寒かったのに大汗かいてしまった。
支尾根上に出るところで、薄暗がりでニヤニヤとしているイキモノ達がいる。
藪の番人、シャクナゲさんである。
今日は随分と早い登場だが序盤から無駄に汗かいた僕達を笑いにやってきたのだろうか。
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一息ついて呼吸を整えると支尾根を歩いて行く。
尾根のサイド、藪に隠れがちな辺りに見頃な紅葉がちらほらと。
まだ六時前で明るく成りきらないのと上空の空模様のせいで光が差さず映えないが中々いい色。
しかし尾根センターのカエデたちはまだ緑ばかり。どうやら日当たりのいい奴らだけ色づいているようだ。
足元のナゲ達は色づこうという気概もないようだったが。
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邪魔にならない程度のナゲが生えている落ち葉の積もった地味尾根を軽く登っていく。
紅葉を眺めつつ歩いて行くとほどなく林道に出た。6:06。まあ時間短縮にはなったと思われる。
ここまでくれば峠は近くて10分とかからないだろう。
赤い紅葉は少ないが黄葉は多くみられる。とはいえ緑のものも多くて。これから標高を上げていくので先が期待できて良い。問題は空模様だがまだ雲が多い。
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6:14、安ヶ森峠に到着。一年ぶり二度目。
朝飯休憩しましょうときたっちさんが言う。
峠は風が吹き抜けて寒いので少し戻って腰を下ろす。これは去年と同じパターン。
路面が少し濡れており昨夜の雨が乾いていないようだ。
6:31、峠から県境稜線に取りつき開始。
林道の法面はコンクリでおおわれているのだが峠の横だけは地面が露出。最初だけ急だが問題なく尾根に乗れた。
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県境尾根は事前情報通り踏み跡が続いており、これなら安ヶ森山まではそんなに時間かからないかなと少し楽観。ツツジもまだ緑が抜けきっておらず紅葉を楽しむにはやはりこの標高では少し早い。
でも黄葉は悪くなくてきたっちさんは感嘆。
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振り向くと少しいい感じの紅葉が。
しかし榊のような木々に隠されてうまく撮影できない。
きたっちさんとこの榊もどきはなんという木かと話し合うが正体は分からず。
ただ去年もこのあたりの県境で見たし安蘇の低山薮でもよく見るやつと同個体ではという意見は一致。
この先こいつらは紅葉見物では障害となるが時に味方となる場面もでてくる。
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最初の1260m級小ピークへとたどり着く手前、淡い色合いの黄葉に足を止めてみたり。
時間の心配をしつつもこういうのには時間を取られてしまう。
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1260m級小ピークからは北東の鞍部へと一度下って。標高50mをいきなり吐き出すのはもったいない。
しかしツツジもいい色合いになってきて気分良く足は進む。道も快適。
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鞍部を過ぎてしばらく標高の変わらないゾーンを行く。
山の向こうから朝日が差して。黄葉が透ける光景も中々。
にょろりとナゲ軍団が現れて行く手を遮るかと思いきや、真ん中に踏み跡は続いていた。
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黄・赤・緑がまじって色のグラデーションが楽しめる細尾根を歩いて行くと朝日も差し込み少し幻想的。相変わらず踏み跡明瞭でハイキング気分は続く。
1230m辺りから傾斜が出始めると尾根が広くなって。低い笹薮が広がり踏み跡は少し怪しくなるがどこでも歩いて行ける感じなので問題はない。
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しかし傾斜は問題になりつつあった。
1310mを超えたあたりで40°くらいありそうな斜度。
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3分後には半分崖に近い斜度にまで進化。
幸いにして灌木は豊富だったため掴んで登っていく。
笹の奴は逃げ出した。
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光差す方へと岩を避けて急斜面をよじ登るとほどなく安ヶ森山山頂に出た。7:14。
どこかで展望のいい山頂と見た気がしたが確かに晴れていたら360°眺めがいい山だろう。晴れていたら、であるが。
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残念ながら上空というか目線の高さを雲が絶賛通過中で晴れ渡る空とは程遠い。ガスガスで何も見えないよりはましではあるが。
峠から大して時間かからなかったしいつか安ヶ森林道が峠まで車は入れるようになったらまた来てもいいかもしれない。
見下ろす山肌はグラデーションになっており歩いてみたくなるが、実際尾根上を歩くと緑を見上げることになるだろう。
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今から進む北方面は紅葉が進んでいるようなので逸る気持ちもあったが、しばし周りの展望を眺めてから先へと進んだ。
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7:19、県境尾根を北へと下っていく。こちらの斜面は多少緩くて安心。
先は長いのであまりゆっくりしてもいられないのだが、いい感じの紅葉で二人してしばしば足を止める。
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しかしいい時間もそう長くは続かない。赤いものは見られなくなり黄色に色づきかけている木々の下を歩いて行く。
安ヶ森山から先、少しは続いていた踏み跡はかなり薄くなった。しかしまだ笹薮の高さは低いし時折踏み跡も辿れるので問題はない。
こいつらがネマガリにいつモードチェンジするかが懸念点ではあるのだが。
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広い1350m級ピークに7:32。
ここから県境尾根は北西へと方角を変える。
鞍部へと下り始めると笹薮がきたっちさんの腰高に成長し靄もかかってきて。
こいつは修行モード開始かと焦りも出てくるが、2分も行くと下草は薄くなり黄葉の林で雰囲気も良く。変わり身早すぎ。
薄く続く獣道を快適に歩いて行けた。
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鞍部から登り返しつつ、尾根少し北側の踏み跡を外れて尾根上から南の展望を。雲がなければいい眺めが得られそうだ。
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二つの1360m級小ピークを越えて歩いて行く。
踏み跡も薄い腰高の笹薮になったと思えばまたすぐ下草が薄くなり快適な獣道になったり。躁鬱が激しい。
1363mピーク南西鞍部へと下っていくところは快適ゾーンだが落ち葉の滑りに注意。
黄葉の森を歩いて行くと日が差して気分がいい。
しかし残念ながら鞍部付近まで降りていくとまた曇ってしまった。
今日の天気はそのうち晴れるはずだが県境付近は中央分水嶺。中々天候が安定しないらしい。
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1363m地点へと登り返していくと1310m辺りから藪行きが怪しい。
なんだか笹が深くなってきたような。
おまけにガスでささがしっとりと濡れて嫌な感じだ。少し故障気味で外れやすいらしいがスパッツをつけたきたっちさんは問題ないらしいが、スパッツなしの僕は靴に浸水気味。普段なら気にしないが今日は寒くて足が冷えないか心配になってきた。ここで合羽の下を切ればよかったのだがものぐさな僕はなにもせず。後悔することになる。
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山頂辺りまで来ると藪が薄くなったので一気に登り上げて1363mピークに8:10。
まあここまでは悪くないペース。何もないかと思ったら石柱あり。
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1363m小ピークから先へ進むと細尾根に。
日当たりのいい木々なのだろうかカエデたちは色づいている。まあ今日はガスっているのだが。幻想的と言えば聞こえはいい。
腰高の笹薮は獣道を辿れることも多く、まだそこまで進行に支障はない。
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しかし細尾根と言えばもちろんこのイキモノ達が黙っているわけがない。
尾根センターをナゲ達が占拠しだした。
尾根上しか進めないのであればそこを行くのだがやはりナゲ達詰めが甘い。県境西側に獣道がずっと続いており未練がましく手を伸ばすナゲ達を振り払えばさほどスピードを落とさず歩いて行けた。
これは去年も同じような動きをした気がする。
このあたりの県境は似たような環境なのだろう。
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尾根の西側、少し下は紅葉がいい色づき。しかし足元のナゲはともかく榊モドキが見物の邪魔をする。しかしこいつらの足元には笹薮がない。
どうやら藪の成長を阻害しているようだ。榊モドキ自体は進行を妨げないし敵なのか味方なのか判断に迷う所である。
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適当にナゲをあしらいつつ進む。
1400m級ピーク手前で展望地。
あの尾根はどこの尾根かと少し話して。僕は西の尾根かと思ったがどうやらきたっちさんの言う歩いてきた尾根説が正しかったようだ。
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ナゲ率いる灌木と笹の隙間を通る獣道を行く。それは尾根上を行くか尾根西側をトラバースするかが基本で。
地形図からはいまいちわからないのだが東側は急だし灌木がしげっていてとても歩けそうにない。
西側は穏やかな傾斜で藪が薄いかないパターンが多いのだ。日当たりと風の関係か。
うまいこと獣道が続いているおかげで尾根上の藪レベルのわりには時間を取られずに僕らは順調に進んでいく。
まあガスガスだし地味尾根を歩きなれていない人間なら時間を取られるかもしれないが。
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1450m辺りまで登ってきて獣道に従い尾根上へ。
晴れていたら展望は良さそうなのだがご覧のありさま。
紅葉もわりと進んでいそうでがっかりである。
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しかし気落ちしている場合ではなかった。
1480m辺りまで来て県境が東へ曲がると踏み跡が忽然と姿を消してしまったのだ。
こいつはやばい、藪とガチンコ?と思われて、とりあえずきたっちさんが踏み跡探してきますと県境北側へと降りて行った。
したし北側斜面は少し傾斜がありあまり歩きやすそうではない。まだ尾根上でナゲと触れ合っていた方がましかなあと僕は尾根上を東進することにした。8:59。
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するとナゲ達は退却していき腰から胸高の笹薮へと変わる。
日頃ネマガリとスパーリングしている僕からすればまあ許容範囲。
きたっちさんも北側でいい感じのトラバースは見つからなかったらしく尾根上を二人で進む。
ガスが取れていれば南側は紅葉もしていていい展望だと思うのだが口惜しい。
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一瞬尾根の北側にルートを見いだせたのだが、すぐにあやうくなったので安心安全の尾根センターに戻る。もうすぐ1475m地点だし、そこからはまた尾根は方角を変えるから植生に変化もあるだろう。
少しガスが晴れて展望が得られて心も晴れた。ここは1475mまで一気に決める。
ガサガサと笹の海を泳ぐ僕であったが、灌木ガードも現れて撃沈。
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一方後続のきたっちさんはブナの紅葉、いいねぇと目を奪われていた。余裕である。
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それでも1475m地点まで行って休憩しようとい気力を振り絞り藪を泳ぐ。
いい紅葉があるなと思ったら1475m地点付近で何故か笹薮は密度が少し低くなり息が楽に。
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後ろから泳いでくるきたっちさんを見て、いつのまにか笹薮はここまで深くなっていたのかと驚いた。
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ともあれ1475m地点には着いた。9:23。
笹は生い茂っているが背は低く密度は少し低めなので休むならここだろう。この先次郎岳(1560mピーク)辺りからゲロ藪らしいし。
ザックを下ろして一休みでカロリー補給。
ワークマンで手に入れたズボンは当た田くて快適というきたっちさん。スパッツにテルモスの手袋で防寒防水もばっちりだ。
一方の僕はスパッツも合羽のズボンもはかなかったためガスで濡れた笹藪漕ぎで靴の中がびしょ濡れ。日も差さず風が吹く10月末の県境稜線は寒い。足先まで冷えて凍える寒さ。急いで合羽の上を羽織り体温を上げて事なきを得たが、僕が年寄りだったら低体温症でやられていたかもしれない。
歩いている間はよかったのだが立ち止まっていると濡れた体は一気に寒さを感じるのだ。
久々にやばいと思った瞬間だった。
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続く