トレースを追ってトラバースしていくと、すこしカリカリっとした場所もあるがアイゼンも効き傾斜は緩い。酒も問題なくついてこれるようだ。ピッケル出しても傾斜がなさ過ぎて使えないのでストック正解。特に問題もなく平標山東の県境稜線に出た。10:45。
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ここからは広い尾根上を仙ノ倉へと歩いて行くのだが風が強い場所なのか大して雪が積もっていない。木道が出ている箇所もあったりして面倒そうだ。
しかし今日は天気がいい。雲一つないし風も弱い。
メジャールートとはいえここで正解だったかなとしばし展望を楽しんだ。
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景色を楽しみ見つつぶらぶらと歩いて行くのだが酒の歩みが遅い。慣れないアイゼンの歩きに相当苦労しているらしい。先週もアイゼンで歩いているのに。
おかげでしばらく振り向いて撮影すると知らないおじさんが被写体となった。
パノラマ撮影して映り込んでいる唯一の人影が知らないおじさんという誰得の構図。
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仙ノ倉はすぐそこだと思っていたのだが、前方に見える三つ先のピークらしい。意外とアップダウンあるのかと少しげんなり。
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2021mピークに登りつつ酒を待つ。
平標山の西の方から日白山へと繋がる稜線、こちらと違って細尾根で危なそうだ。興味はあったのだがピッケル活用しまくりだろうしこれからも行かないことにしよう。冒険するのは藪だけにしたい。
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2021m級ピークから東方を眺めると手前に武尊山、その奥に奥白根から皇海山まで奥日光の馴染みの山々が見える。もっと遠いイメージがあったけど意外と近いなと思う。
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少しだけ南東に目線をずらすと赤城山が見える。
これだけは間違えようがないはずなのだが後で酒が武尊山と間違えていた。そのわりに袈裟丸は分かったらしい。
秋に登った小出俣山も見えているはずなのだが、その西のピークの方が目立っている不遇さ。
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2021mピークから下っていくと鞍部に降りるところが少し急だったがアイゼンはいてれば問題はない。
酒がゆっくり歩いてくるのでのんびりと撮影しつつ歩いて行く。
どうでもいい話だが今日この時まで苗場スキー場は苗場山にあるものとばかり思っていたがそんなことはなかった。
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酒が鞍部まで降りてきたのを確認して先に仙ノ倉まで登り上げることにする。
北西遠くに少し周りより高い山々が見える。
あのあたり行ったことがないな。新潟は無駄に広い。たぶん僕は一生かけてもそのうち一割の山も登れることがないだろう。いろいろと行きたい山は多いのだが。
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11:35、仙ノ倉山山頂。のんびり歩いて時間がかかった。
それなりに賑わっているとはいえ流石に雪山だけあり込み合っているわけでもない。
いつの間にやら少し強い風が吹き出して寒い。
酒が来るのを待つが風の当たらない斜面に退避したいところだ。
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仙ノ倉北のでっぱった所へ進んでいく人たちがいる。どうやら山スキーで滑り降りるようだ。山スキーに興味がないわけではない。しかし確実に怪我をする自信があるし、雪崩が怖い。酒の兄はスキーが得意らしくこの日も山スキーに繰り出しているらしいが。
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エビス大黒の頭へと続く県境尾根、どうみてもやばそう。ヤマレコで最近通過した記録は見たが僕には無縁の領域だ。
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たぶん谷川岳が見えているのだがどの山も白くて同化しているのでよくわからない。
雪山は絶景だと思うのだが紅葉の山々の方が好きかもしれない。
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しばらく待って酒も登ってきたので、風が当たりにくい北側斜面を少し下り平坦地で昼食。のんびりきたわりには余裕をもって下山できそうだ。
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山頂まで登り返し11:58、仙ノ倉から平標へと歩き出す。
この時間でもズボスボはまることなく快適に歩けるのだが風が強くなってきて寒い。
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往路は真面目に上ったピークを少し巻いてみたり。
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往路でトラバースしてきた地点を過ぎて平標への最後の登りは少し疲れた身にはつらい。
ぜいぜいと登って山頂近くまで来て振り返る。
鞍部から標高差90mくらいはあるのだがこうしてみると雪が同化して緩斜面をちょいと登ったようにしか見えない。
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12:45、平標山。4年ぶりくらい。
仙ノ倉山よりも賑わっているし風が相変わらず強いのでさっさと下りにかかる。
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松手山方面はヤカイ沢方面と比べて極端に人が少ないようだ。前方に人がけなし。
僕らが進んでいくとタイミングがあったのか数人後ろから来たが。
最初だけ少し細尾根に見えたがノッペリした尾根上に少し狭いところがあるだけで別に怖くもなかった。
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この光景もそろそろ見納め。
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1890m辺りからの急な下りは果たしてどうなっているのかと少し緊張しつつ下っていく。手前の緩い下りで悪いイキモノが踏み抜かせようと罠を張っていた。
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13:08、いよいよ1890m辺りからの急な下りが始まる。
ここで後続の足が速かったので先へ行ってもらい少し離れて後をついていく。
下り初めは特に問題はなかった。
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少し下っていくと左手の急斜面へとトレースが続いている。
朝方の締まった雪なら問題ないが正午を回り雪が緩んで少し滑るので怖い。
大人しく別のトレースで夏道の階段が出ている方から降りていくがこれが罠。
結構階段が露出しておりかなり歩きにくかった。
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階段ゾーンを抜けて見上げる。
登りだったら絶対に階段を避けていた。
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急降下が終わると雪庇のせり出した大体平坦ゾーンが松手山まで続いていく。
雪庇を避けて少し右側を歩いていくのだが雪が少し緩んでいるせいで斜め歩きが微妙に疲れた。踏み抜かないのでワカンはつけなかったが滑るのが嫌らしい。まあ大部分は平坦なのでそこまで苦労しなかったが。
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13:52くらいに松手山通過。
この時は通り過ぎて2分後くらいに気付いた。
雪庇を避けるためか右側の樹林帯を下ったりもしつつ再び下りとなった尾根をザクザクと降りていく。
風が弱くなったのはいいが今度は暑い。
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14:19、鉄塔下についた。
貴重な尻が冷たくならない椅子があるのでここで最後の休憩。時間的に余裕なのでのんびり。上着を脱いだら流石に冷えたので羽織りなおした。
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酒が雲が出て来ましたねというので見上げてみるが全く気にならないレベル。もうすぐ下山完了するし。とにかく今日は最高の天気だったなと思う。
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14:38、鉄塔におさらばして一気に登山口を目指す。
しかしまあこの先がある意味この日一番面倒で危険を感じた。
雪が緩んでシャーベット状になっているうえに急斜面の樹林帯の下り。ズルズル滑りつつ下っていくので結構怖い。段差を尻で滑って下りたりもした。
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スキー場も見えているしもうすぐかなと思いきやまだ標高差400mあるという。
ここなら安全に尻で滑れるなと思ったら傾斜がなさ過ぎて止まった。
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ぐずぐずの雪でかったるいなあと思いつつ、それでも雪山の下りは早かった。
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最後谷間を一気に下るところは流石に面倒になって滑り降りた。尻で滑るのではなくスライディングすればブレーキが掛けやすく比較的安全だった。
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傾斜が緩んでからちょいちょいと歩けば車道に出た。アイゼンを外してトイレの東から回り込んで駐車場へ。15:32。
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朝は2列駐車だったのが3列駐車になっていた。まあ満車時からは半分くらいすでに帰ったのだろうが。
帰途につき途中コンビニで軽く仮眠してから高速に乗ると早速事故渋滞。突破したと思ったら赤城ICからさきでまた事故渋滞14km30分とのお知らせ。高速代を無駄に払うのに嫌気がさして下道で帰った。登山はよかったのに最後にケチがついてしまった。

今回の軌跡
この地図は電子地形図25000(国土地理院)を加工して使用しています(令和元年手続改正により申請適用外)
無題
メジャールートなので特筆すべきことはないのだが、まあ流石人気なだけあり展望は最高だった。無雪期も残雪期も平標山には来たのでもう来ることはないだろう・・・と言いたいが仙ノ倉山から大障子の頭先辺りまでという半端なところだけ歩いていないのでいずれまた来るだろう。無雪期に。
まだ記事にしていないが一週前も高原山へ行き雪山歩きの感覚も戻ってきた。この調子で次は少し面白いところにと言いたいところだが、どうやら天気が許してくれないようだ。