腰高の笹原を北へと進んでいく。
ナナカマドやナゲも潜んでいるが今のところは障害にならず。思ったよりも捗る。
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1840m辺りから尾根が分岐するので北東へ。
ガスがなければコンパスもいらないのだがガスガスで見通しが効かないので少し慎重に。
ちょっと右に行き過ぎて軌道修正。
笹原にぽつりとあった紅葉に引き寄せられるように。
気づけば肩ほどまでの深い笹薮になっていたが、下りなのでまあ進める。
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ただっ広い笹原でどこを進むか迷うが、前方にうっすらと草原が見えたので右寄りに下っていく。
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ガスが流れてきて登り返しの小ピーク、そして藪中にオナシス発見といった感じの草原ゾーンであるが、みー猫さん視点の僕は首まで藪に埋まっていた。
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9:54、鞍部の草原に到着。ぬかるみはあるが池塘はない。
この先休憩に適したところはしばらくないだろうとちょっと休憩。
目の前の岩峰を右から巻くように登っていくはずだが笹薮が深い。
7年前のふーてんさんの記録を流し読みしてきたのだが確か右からだったか。
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10:02、歩きを再開。
とりあえず右から適当に笹原へ突っ込む。思ったよりも屈強で跳ね返されるが、4分ほどもがいて進むと笹の薄い草ゾーンに出た。岩峰の基部まで笹の薄い溝が続いていてこれは楽できそう。
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岩峰の右を巻いて上に出たが、またもや笹が深くなってしまった。
少し先まで進めば笹原も低くならないかと進んでいく。
何故か後続のみー猫さんが万歳。
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1799m地点手前から細尾根となり藪は低くなった。
ガスも薄くなりいい感じだが相変わらずの爆風でちょっと怖い。
今回藪うすい群馬側から藪の濃い新潟側へと風が吹いているからいいが逆だったらやばかった。
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藪が膝の高さになったりして、これなら11時越後沢山余裕かと調子に乗ってみたり。
ガスが取れて周りが見え始めたので撮影タイム。
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これが利根川の源流域か。
下方に見える沢は沢屋にしか入ることが許されない。僕には縁のない場所だろう。
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細尾根の右側は草原なので歩きやすい。
しかし滑り落ちたらサヨナラな急傾斜+掴まるものがないので結構ビビりながら進んでいった。
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奥利根湖奥の雲が晴れてきて、対岸はいまだ見えないが視界が広がる。
藪を漕がなければ見えない光景がここにはある。
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大分ガスが取れてようやく越後沢山も見えてきたが思ったより時間がかかりそう。
暴風と細尾根で滑ったらアウトというプレッシャーが足の進みを遅くしているのだろう。
藪は腰高程度なのだが。
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越後沢山から東へ伸びている尾根のギザギザがすごい。
岩場っぽいしとても歩けそうにない。
あちらへは行かないからいいのだが身震いする。
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まあ今いる細尾根も足滑らせたらおしまいだよなと振り返って気を引き締める。
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細尾根なので灌木が立ちふさがると悪戦苦闘。
もう少し右に逃げればいいのだが落ちたくないのであまり攻められない。
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この光景を見せれば後輩ももっと藪に対して積極的になるかなあとも思うが、やはりこの場所にはまだ連れてこなくて正解だったかなとも思う。
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越後沢山までならピストンで戻った方が早いのだが、本谷山はガスに襲われているし今更もう戻る気などさらさらなかった。
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1820mくいらまできてようやく越後沢山が手の届く距離に。しかしもう10:42とあまり余裕はない。やっぱり予想より時間がかかっている。
ここでみー猫さんに先頭を譲った。
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笹薮が深くなってきたので右の草原ゾーンを行くみー猫さん。
一方僕は滑落にびびって笹原を行ったが蔓もありつかれた。
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ようやくガスがとれたというのに背後から雲に追いかけられている気がする。
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最後はちょっとだけ藪が薄くなったかと思っていると11:01、越後沢山についた。
三角点を漁るみー猫さん。
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やっぱりやばそうな越後沢山東尾根をのぞき込んで。
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ここまできたらもう丹後山までいかない選択肢はないでしょうと5分休んで先へ進む。
丹後山への稜線は一面の笹原。
右側は相変わらず草原だが滑って落ちるのが怖いため笹原を泳いでいく。
下ってくとガスが流れて前方の山々も見えるように。
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鞍部からの登り返し辺りは東側に紅葉があるようだ。
まあ間違いなく藪で近づけないが。
前方奥にぼんやりと見える丹後山はかなり遠い。登り返しもありそうだしこれは時間が心配だ。まあこの時僕が丹後山と思っていたのは中ノ岳だったのだが。
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下るにつれて笹薮が深いところも出てくる。
なぜか凹んでいるところに滑り降りたらネマガリを背丈を超えて復帰に手間取った個所も一か所。
あまり右に寄りすぎてはいけなかったらしい。
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ガサガサと1720mくらいまで降りてきて11:32。
下りだが割と時間がかかっている。
細尾根になり多少は歩きやすくなるかと思ったが灌木交じりになり捗らない。
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雲の下に出て、ようやく大水上山から平ヶ岳に続く稜線も見えた。
あそこが上越国境のラスボスだ。間違いなくここよりきつく、日数もかかる。いつか行きたいがタイミングが許すかどうか。
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相変わらず新潟側は天気がいい。
八海山とかピーカンだったのでは。まあ天気が良すぎて干からびている可能性もあるな。
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たまに胸から顔高の藪を漕いでいき、1692m地点手前の鞍部へどう下りようかと思案する。
ここは地形図ではわからない複雑な地形で、1692m地点へは左から尾根形が上がっていくのだ。
そちらへ行くかと左へと藪を滑り降りたら水もない湿った空間にたどり着いた。11:42。
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あまり高低差がないので左の尾根形によじ登るが藪がきつい。
しかも登り上げたら針葉樹が蔓延っており本当に隙間がなかった。こんなの無理だ無理とさっきいた湿った空間に滑り降りる。
薮っているが溝は北東に続いているのでそちらへみー猫さんが先行。
斜めに1692m地点手前の尾根へと登り上げたらそこから先は進めるとゴーサイン。僕も続く。
胸高の笹薮だが針葉樹は消えたので進める。
この間10数分、お互い録に写真を撮っていない空白時間で笑った。
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ここまできたら越後沢山にはもう戻れない。
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灌木が立ちふさがりみー猫さんが道を探るがろくなルートがない。
じゃあ左下行ってみますかと適当に僕が進んでみたら藪に隠れて見えないが溝形に凹んだトンネルになっており、木の根を一つ潜ればまあ進めた。既に12時を回り、越後沢山から下り基調なのにろくに進めていない。
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灌木ミックス藪を辟易しつつ漕いでいく。
1720m辺りまでいくと少し藪が薄くなったがもう12時半が近い。焦りも出てくる。
まあでもこの先は左前方の笹薮ゾーンだしまあこのあたりの灌木ゾーンよりは捗るだろう。
しかし世の中そんなに甘くはなかった。
この日一番体力を削られるモンスターネマガリゾーンが控えていることを、僕達はまだ知らなかった。
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続く