腰高の笹原を北へと進んでいく。
ナナカマドやナゲも潜んでいるが今のところは障害にならず。思ったよりも捗る。
ガスがなければコンパスもいらないのだがガスガスで見通しが効かないので少し慎重に。
ちょっと右に行き過ぎて軌道修正。
笹原にぽつりとあった紅葉に引き寄せられるように。
気づけば肩ほどまでの深い笹薮になっていたが、下りなのでまあ進める。
この先休憩に適したところはしばらくないだろうとちょっと休憩。
目の前の岩峰を右から巻くように登っていくはずだが笹薮が深い。
7年前のふーてんさんの記録を流し読みしてきたのだが確か右からだったか。
とりあえず右から適当に笹原へ突っ込む。思ったよりも屈強で跳ね返されるが、4分ほどもがいて進むと笹の薄い草ゾーンに出た。岩峰の基部まで笹の薄い溝が続いていてこれは楽できそう。
少し先まで進めば笹原も低くならないかと進んでいく。
何故か後続のみー猫さんが万歳。
ガスも薄くなりいい感じだが相変わらずの爆風でちょっと怖い。
今回藪うすい群馬側から藪の濃い新潟側へと風が吹いているからいいが逆だったらやばかった。
ガスが取れて周りが見え始めたので撮影タイム。
下方に見える沢は沢屋にしか入ることが許されない。僕には縁のない場所だろう。
しかし滑り落ちたらサヨナラな急傾斜+掴まるものがないので結構ビビりながら進んでいった。
藪を漕がなければ見えない光景がここにはある。
暴風と細尾根で滑ったらアウトというプレッシャーが足の進みを遅くしているのだろう。
藪は腰高程度なのだが。
岩場っぽいしとても歩けそうにない。
あちらへは行かないからいいのだが身震いする。
もう少し右に逃げればいいのだが落ちたくないのであまり攻められない。
ここでみー猫さんに先頭を譲った。
一方僕は滑落にびびって笹原を行ったが蔓もありつかれた。
三角点を漁るみー猫さん。
丹後山への稜線は一面の笹原。
右側は相変わらず草原だが滑って落ちるのが怖いため笹原を泳いでいく。
下ってくとガスが流れて前方の山々も見えるように。
まあ間違いなく藪で近づけないが。
前方奥にぼんやりと見える丹後山はかなり遠い。登り返しもありそうだしこれは時間が心配だ。まあこの時僕が丹後山と思っていたのは中ノ岳だったのだが。
なぜか凹んでいるところに滑り降りたらネマガリを背丈を超えて復帰に手間取った個所も一か所。
あまり右に寄りすぎてはいけなかったらしい。
下りだが割と時間がかかっている。
細尾根になり多少は歩きやすくなるかと思ったが灌木交じりになり捗らない。
あそこが上越国境のラスボスだ。間違いなくここよりきつく、日数もかかる。いつか行きたいがタイミングが許すかどうか。
八海山とかピーカンだったのでは。まあ天気が良すぎて干からびている可能性もあるな。
ここは地形図ではわからない複雑な地形で、1692m地点へは左から尾根形が上がっていくのだ。
そちらへ行くかと左へと藪を滑り降りたら水もない湿った空間にたどり着いた。11:42。
しかも登り上げたら針葉樹が蔓延っており本当に隙間がなかった。こんなの無理だ無理とさっきいた湿った空間に滑り降りる。
薮っているが溝は北東に続いているのでそちらへみー猫さんが先行。
斜めに1692m地点手前の尾根へと登り上げたらそこから先は進めるとゴーサイン。僕も続く。
胸高の笹薮だが針葉樹は消えたので進める。
この間10数分、お互い録に写真を撮っていない空白時間で笑った。
じゃあ左下行ってみますかと適当に僕が進んでみたら藪に隠れて見えないが溝形に凹んだトンネルになっており、木の根を一つ潜ればまあ進めた。既に12時を回り、越後沢山から下り基調なのにろくに進めていない。
1720m辺りまでいくと少し藪が薄くなったがもう12時半が近い。焦りも出てくる。
まあでもこの先は左前方の笹薮ゾーンだしまあこのあたりの灌木ゾーンよりは捗るだろう。
しかし世の中そんなに甘くはなかった。
この日一番体力を削られるモンスターネマガリゾーンが控えていることを、僕達はまだ知らなかった。
コメント