2022.6.4(土)
大峠林道 -大峠 -分岐 -三本槍岳 -分岐 -須立山 -坊主沼避難小屋 -水場 -甲子山・旭岳分岐 -旭岳(甲子旭岳・赤崩山) -旭岳南尾根へ藪入り -灌木オールスターズとの触れ合い -旭岳南の肩 -少し南東へ下ってから南西斜面を下る ヨロイ沢支沢周辺の藪を下る -大峠林道

久々に裏那須の藪達と交流を深める。
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記事にするのをさぼっているがみー猫さんやきたっちさんとここ2年程も尾瀬から那須までの栃木福島県境の無雪期歩きは進めており、ついに残り二区間となった。計画では三回+下見一回の四回で完結予定である。
そのうちの一区間、なんとこの期に及んでまるっと登山道区間を残していた。大峠から三本槍岳の区間である。
そもそも栃木福島県境の無雪期歩きをやろうかと考えたのは2016年に漕がなくてもいい大倉山南尾根(西沢右岸尾根)のゲロ藪をうっかり登ってしまい、これだけのゲロ藪登れるなら県境尾根も行けるだろと変な自信がついてしまったからなのだが、その際大倉山-大峠を歩いてその後西へ西へと繋げつつ、黒岩山方面や荒海山辺りも同時進行でちまちまと進めてきた。三本槍岳から東、黒川の中流域までも2年前にみー猫さんと歩いたので大峠-三本槍岳区間だけ半端に残ってしまったのである。
このまま放っておいて散々藪漕ぎした挙句、最後は登山道歩きではしまりが悪い。さっさと歩いておく必要があり雪解けを待っていたのだ。ちなみに黒川中流部から八溝山までの県境区間は残雪期にこだわるつもりはない。標高低いから雪に藪が埋もれるほど雪が降らないだろうし、むしろ雪がない方が楽でだろうが低山ゆえに夏は暑いから晩秋から早春に歩きたいのである。

ともあれ半端に残った大峠-三本槍岳区間をどう歩こうかと地形図を眺めていると一つの事実に気付く。尾瀬から那須までの栃木福島県境って中央分水嶺では?今まであんまり意識してなかったが、因業雁木さんからコメントもらったのも確かそれがきっかけだったような。去年も藪漕ぎに出かけた奥利根の上越国境も中央分水嶺もそうだ。北へ目をやれば去年近くまでいった八幡平や、以前歩いた面白山から笹峠の区間、山頂近くだけ歩いた栗子山、この前みー猫さん・酒と歩いた大滝山・天狗角力鳥山周辺もそうだ。西へ目をやれば群馬県境沿いをずっと行き、甲武信ヶ岳から金峰山をへて八ヶ岳へ至りいずれ乗鞍岳、そしてさらに先へと繋がっている。因業雁木さんの歩きの記録を読んでみるとどこも何かしらの藪が続いていて、これはまさに僕ら向けの歩きではないだろうか(勝手にみー猫さんを仲間にカウントしている)。これでまたしばらくは行き先に困らないな。乗鞍岳から八幡平の区間まではいずれ繋げるつもりで今後は山行計画に組み込もう。何年かかるのか知らないが。

それはともかくまずは大峠-三本槍岳区間をどう歩くかだ。
何度も歩いている表那須からくるよりは、歩いたことのない須立山・旭岳を歩いてみたい。中央分水嶺だし。そうなると起点と周回ルートが問題だ。車二台使えば甲子温泉から大峠まで片道切符で何も考える必要もないのだが、計画時点で前日金曜日である。ここのところ立て続けにみー猫さんと歩いているしたまにはソロで頭を使った周回をという気持ちがある。大峠から旭岳まで行った場合坊主沼から鏡沼までピストンかつ一山超えてもどってくる必要があり、ついでに旭岳の南尾根は薮なので無雪期に大峠林道を起点に旭岳登って周回して帰ってくる記録はヤマレコでざっと探して見つからなかった。普通の人間は旭岳行きたかったら素直に甲子温泉から歩くのである。
しかし大峠から三本槍岳区間を絡めないといけない僕は考えた。別に登山道歩かなければ綺麗に周回できるのではないかと。旭岳の南尾根はゲロ藪らしいが過去のたそがれさんはド級の藪といいつつ坊主沼まで一時間半程度で下っている。それであれば南肩までは一時間少々で行けるだろう。そこから南西斜面を下りヨロイ沢右岸辺りの藪を適当に漕げばストレートに駐車地付近に出られるはずだ。調べてみると無雪期にこれをやっている人間は見つからなかったが、積雪期に歩いている人はいた。雪の積もった南西斜面は笹薮とダケカンバ主体で歩きやすいらしい。まあ写真を見ると笹はがっつり雪に埋もれているしワカン外すと股まで潜るらしいので無雪期だと人外魔境の可能性はあるがまあ下りなら何とかなるだろう。出かけることにした。

6/4、朝から好天とはいかず8時過ぎくらいから徐々に晴れるらしいので5時前にのんびりと家を出た。
甲子トンネル潜るのは5年振りかと思いつつ進み、林道大峠線を走っていく。ヨロイ沢手前まで入れるらしいがそれより少し前で未舗装となる。もう七時を回っているし車が多くて駐車できないと面倒だな。未舗装ゾーンで回れ右して一段下の舗装ゾーンのカーブ路肩にゆったりと停めた。
準備をして歩き出す。7:26。少し肌寒いので合羽の上を羽織って。一台の車が僕の横を通過して奥へ行った。
ヨロイ沢手前の駐車ゾーンに来ると思ったよりスペースが多い。車は多いが一台くらいなら余裕。杞憂だったか。まあ7分余計に登っただけだし・・・。
さっき横を通った車の主に「歩くの早いですね」と声をかけられる。そんなこともない。どこまで行くのかと聞かれて予定コースを言うとタフですねと言われた。お気をつけてと別れる。
ヨロイ沢手前で降りてくるであろう藪を観察。ネマガリゾーンか。まあ下りなら何とかなるな。
通行止め手前の駐車場がどーんと空いていた。7:36。
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ヨロイ沢は思ったより沢幅があり、左岸側は奥に林道跡が続いているがこちらがわに渡るのは面倒そうだ。予定通り帰りは右岸側の藪を適当に漕ぐか。
新緑の道をぶらぶらと歩いて行くと、旧駐車場、林道終点に車が一台。その先でネマガリ採りのおじさん。こいつが主か。そうか、そういえばネマガリもタケノコシーズンだよな。いつも苦しめられているし今日は時間があったら回収するか。山菜取り禁止の看板もないし。
1360m辺りにマウンテンバイクが放置。ここまで乗ってこれるんだなあと少し感心。
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笹が刈り払われて歩きやすい登山道を適当に歩いて行くと、予報通り雲が取れてきて青空に向かい一登りで大峠。流石山方面を見上げて8:24。実に6年ぶりだ。あの時はN田君と時間も水もない中下ってきて余裕がなかった。山には来なくなったがN田君は元気にしている。部署が違うのでたまにしか見ないが。
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風が少し強いが暑くなくていい。雲を見ると初夏って感じだなあと眺めていると三本槍本面からハイカー登場。三本槍は雲に覆われたタイミングで残念だったとか。北温泉方面から登ってきてこの先どうしようかと迷っているといいつつ三斗小屋方面へ歩いて行った。
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雲に覆われ薮っぽい三本槍本面へ歩いて行く。
振り向いて見る流石山方面へ行きたくなる感じだ。
大峠林道を起点する人間は流石山方面へ行くパターンが多いようだがそれはそうだよなと思う。
三本槍は表那須から行けばいいのだ。
展望見ながら道を無視してガレ場を登っていたら藪に塞がれたのでそそくさと下って登山道に戻った。
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1524m地点手前から三本槍方面を。雲に覆われているが予報通りならこの後雲が取れるはず。
登り自体は緩いがぽこぽことピークをいくつか越えていく感じで。ただ地形図見る限りアップダウンはほとんどないようだ。先週泊り装備の歩きをしているし今日は水4L担いでいるはいえ体が軽い。4月頭から密かに悩まされていた腰痛も9割方回復したのでいい感じのペースで歩いて行く。
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表那須や流石山の方が晴れているように見えて、あちらにすればよかったかなあとか思ったりもしつつ登っていくと雲間から太陽が。勝ったか?
ムラサキヤシオも咲いていていい感じだ。
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一方でこいつはやる気ナゲ。
ハイカー達から素通りされる哀れなイキモノである。ハクナゲのシーズンはまだ先とはいえ花芽も大してつけてない。
ハクナゲはアズナゲよりも寒さに強く標高が高い場所にいるのだが、アズナゲ達は中腹に固まって生息してその後しばらくハクナゲにとってかわられる空白ゾーンがあったりする。そのくせ何食わぬ顔で山頂辺りになると現れるのでこいつらの好みはよくわからない。
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時折下ってくるハイカーとすれ違いつつ標高を上げていく。
やっぱり大峠・三本槍岳の区間は表那須から縦走してくる人間が多いんだな。
稜線の眺めは良く、この後行く旭岳や振り返って流石山も良く見える。まだ雲が覆っているが。
やっぱりこれからの季節は稜線歩きがいいなあと思う。薮であろうとなかろうと。
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1800mくらいまでくると大分雲が取れてきて。
やっぱり天気がいいとテンション上がるな。1826m地点に9:30。
旭岳はまだ雲に隠れているが。
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分岐まであと少しだなと歩いて行くと、一番見慣れたスタンダードナゲ、アズナゲ達がにょろりと現れる。花を携えて。
花株少なく豪華絢爛と言う感じではないが見頃っぽいので良し。
しかし本当なんでこいつらハクナゲより寒さに弱いくせに途中はいなかったんだろう。
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登山道なかったら灌木オールスターズとガチンコ勝負な三本槍岳へのルート。
登山道ハイカーは道のありがたみを本当に理解しているのだろうか。
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9:41、須立山・三本槍岳・大峠の分岐についた。休憩しようかと思ったがこのまま山頂まで行ってしまおう。
山頂辺りは雲が通過して晴れたり曇ったり。
登山道脇に残雪の塊。今年は雪が多かったからその名残か。
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強風で雲がすっと流れていく。
目まぐるしく状況が変わり、振り向きつつ歩いて行くがガスっていた旭岳方面が数分で青空メインへ。
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9:51雲がとれたタイミングで三本槍岳山頂へ。
2年振りで確か三回目。僕は三本槍と相性が悪いので過去二回は展望いまいちだったが今日は最高。
ぐるり見渡し展望を楽しむ。
一応今回の主目的県境歩きはこれでおしまい。登山道なのであっさり。ここから先はボーナスステージ。腰を下ろして一息。
しかしGB隊の到着により騒がしくなり、5分で僕は山頂を追いやられた。
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分岐に戻って10:01。
須立山方面へと歩いて行く。
鏡ヶ沼分岐まで結構下るなあと眺める。
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咲きかけフレッシュナゲ。
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ミネザクラを眺めていたらその先で残雪歩き。30秒で通過。
せっせと下って鏡ヶ沼分岐に10:20。
須立山への登り返しは緩そうだ。
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ここまで下るとナゲ達はくたびれ気味で。
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眺めのいい稜線なので足取りが軽い。
こんなにいい感じなのに人の姿が全然ない。表那須とは大違いだ。この日須立山・三本槍分岐から甲子山・旭岳分岐までの区間であった人は確か二人だけだったような。静かでいい山域である。
須立山にはあっさりと10:34に到着。
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前方に旭岳。北側から楽をして登りたいのであの先まで一旦歩かないといけない。結構距離があるように見えるが目標の12時半までにつくのだろうか。
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ガレた急斜面を鞍部まで下り振り返る。
この先アップダウンが何度かあって面倒。
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1638m地点へ登り返して。
この先また下って登り返しかとため息。
ここをピストンする人間と藪下って回避しようとしている僕。どちらがタフなのか難しいところだ。
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ムラサキヤシオやナゲ、展望に励まされつつアップダウンをこなすと坊主沼分岐に11:23。一応コースタイムよりは早いか。大して休憩してないので疲れてきた。
坊主沼は残雪に埋もれているので避難小屋方面へそのまま進む。
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11:26、タンポポ咲き誇る坊主沼避難小屋。
裏手に残雪がいっぱいあった。
休憩しようかと思ったが地図を見るともう少し先に水場があるらしい。そこまで行くか。
というか水場があるなら水4L背負う必要なかったな。相変わらずの修行僧プレイ。
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先へ進むと残雪が出てきて。標識も埋まっていたり。
稜線に雪がないのは確認していたが日陰の雪は確認してなかったな。まあ県境に雪はなかったから無雪期歩きはセーフと言うことで。
直進でいいのかと不安になるが途中ですれ違ったハイカーの足跡が心強い。
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この先急斜面で残雪あったら嫌だなあと思っていると"待った?"とばかりに谷間に残雪が詰まっていた。チェーンスパイクは持ってきていない。
トラロープは雪の下に埋もれていた。
仕方なく笹薮を掴んでそろりそろりと下った。
途中ですれ違ったハイカーのうち一人は犬連れだったのだがここ下れるのだろうか。
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その先は雪もなくトラバースをゆるゆると。
いくつか沢を横切りこいつらで水を汲んでも良いのではと思いつつ先へ。
すると分岐の近くで水場。沢を一段下ると左岸から水がわいておりわかりやすくパイプも差してある。冷たい水でうまい。12:02。
持ってきた水は2L以上余っているのだが全部捨てて冷たい水を汲みなおした。3.5Lあれば余裕だろう。ちょっと休憩。
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12:10、歩きを再開。
刈り払われて歩きやすい森の小道を歩いて行くと2分で甲子山・旭岳分岐についた。
時間があったら甲子山ピストンも考えていたが、藪の下りは時間が読めない。まあ余裕を持っておくかと僕は分岐から旭岳への登りに進んでいった。
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続く