2022.6.18(土) 同行者:みー猫さん、きたっちさん
県道栗山舘岩線(林道田代山線)入口の山の神辺り -水場 -田代山峠 -1677m地点 -1810m地点 -田代山湿原 -田代山 -帝釈山 -馬坂峠

テン泊装備かつ登りで行くのはお勧めできないゲロ藪。
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無雪期栃木福島県境歩き(中央分水嶺部分)も佳境に入ってきた。
記録公開をさぼっているが、もう尾瀬から那須の間で残っているのは田代山湿原-田代山峠-枯木山南の肩-白滝沢・ヌーグラ沢中間尾根合流地点、この区間だけである。
無雪期にこだわったおかげで年に数回ちびちびしか歩けず大分時間はかかったがようやく終わりが見えてきた感じだ。
今回歩くのは田代山峠から田代山湿原の区間。
田代山湿原-田代山-帝釈山の区間は県境歩きを考えてもいなかった7年前、後輩達と歩いている
帝釈山から引馬峠は記録公開していないが去年みー猫さんと歩いた。
田代山峠から田代山湿原の間の記録についてはいつもの参考にしている烏ヶ森さんは歩いていないのだが、無雪期の記録もネットで何件か見つかる。しかしながら通しでの歩きはいずれも下りである。登りについてはきりんこさん、shige-ponさんが残雪期に歩いているほか、サル沢を遡行して1810m地点先の鞍部から上を藪漕いだという記録は雪田爺さん他何件か見つかった。ネマガリゲロ藪のため日帰り装備でも1.5-2時間はかかるようで、田代山峠から田代山湿原に出るまでは5-6時間は見ておいた方がよさそうだ。

そういう区間なので福島側の猿倉登山口から田代山湿原に登り、日帰り装備で田代山峠へと下るのが最適解だろう。だが僕らはそうしなかった。きたっちさんが栃木側から登ることにこだわっていること、無砂谷左岸尾根無雪期で下るというルート取り、これが面白く感じたのだ。
そんなわけであえてテン泊装備を担ぎ、県道栗山舘岩線を栃木側から10.5km歩いて田代山峠-田代山、帝釈山-馬坂峠-無砂谷左岸尾根下りと言う修行をすることなった。
天気予報はころころ変わるが帝釈山か田代山湿原で雷に打たれなければ死なないだろうと、とりあえずきたっちさんと示し合わせて出かけることに。みー猫さんを誘ったら朝四時集合に起きられたら・・・とのことであったが確実に来てくれるだろうと確信していた。こんなとこ一人で行く気にはならないからである。

6/18、栗山ふるさと物産センター周辺の路肩に3時半くらいについた。集合時間は四時。
朝飯を食べて仮眠しているとみー猫さん、きたっちさんが到着。
とりあえず県道栗山舘岩線入口まで移動して、さらに下山予定の馬坂沢沿い1118m地点近くに僕のレガシィをデポ。
県道栗山舘岩線入口付近に戻り準備開始。
きたっちさんが4L程度、みー猫さんが2.5L程度水を持参すると言っており、大して僕が2Lというと驚かれる。僕には策があった。Yoshiさんが田代山林道の田代山峠から少し南くらいで沢がいくつか流れているという記録を予習していたのだ。林道歩きは少しでも荷物を軽くしたいので僕はそれらの沢にかけることにした。
5:07、山の神の鳥居横を通過し林道へと歩き出す。
7年前に車で通った際は基本未舗装でかなり気を使って走ったのだが、今回歩いてみるとわりと真新しい舗装箇所がちょくちょくと。今は車両通行禁止だが原因となっている路肩崩壊も修復されたようで。数年後には7割方舗装されて通行可能になっているかもしれない。
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重い荷物に10.5kmの林道歩き。微妙なアップダウンがあり4時間かかるかなと想定していたが、三人で話しつつ歩いて行くとわりと早い。一人できたらここが退屈で核心かもしれない。
林道が尾根の東側を通るようになり少し歩いて行くと、ジムニーは通れるけどレガシィでは走りたくないなあと言う感じに。でも意外とフラットである。残雪がいてどきっとする。僕は無雪期歩きをしたいのだ。ただの意地だが。
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7:23、1714m地点と1684m地点の中間北辺りの林道を歩いていると、綺麗な小沢が現れた。
おっ、こいつはと駆け寄ってみると冷たい水。一段上で流れは三つに分かれており、一番左の奴はすぐ上から湧きだしていた。当然の如くここで水を補給することにした。
水を多くかついできている二人は補給しないが、ちょぅどいいのでここで休憩。
冷たい水を存分に飲みほし、合計3.8Lくらい担いでいくことにした。休憩中は虫がうざかった。
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7:45、歩きを再開。
路面状況は倒木や落石をどかせば多少の溝くらいで。ジムニーなら問題なく走れるんだろうなあと言う程度。思ったより荒れていない。
沢はいくつか見受けられたが、すぐ上で湧いてるさっきの沢がベストな気がした。
8:18、思っていたよりも早く県境の田代山峠に到着。これなら藪中で日没デッドエンドはなさそうだ。
今日は行けたら三段田代先、おそらく馬坂峠まで、最悪田代山の避難小屋泊りという想定でいるのだが、馬坂峠まで行く余裕は十分だろう。
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法面が思ったよりも角度がなかったため、ここは県境沿いに登り上げる。
僕が先頭で行く。どうせ最後はバテて最後尾になるので序盤に露払いをしておかないと見せ場がないのだ。
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藪入り直後は法面脇を行くが、うっかり落ちたら怖いので少し離れて。
胸高の笹薮だが、崖際から離れると獣道もあるのかないのかわからず少し手こずる。散開してみたら結局崖際に獣道があり歩きやすいという結論に。
胸高なのでまあなんとかという感じだが10分経ってもまだ林道が横にいるとみー猫さん。
別ルートをさぐっていたきたっちさんは頭だけ見えている。
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これくらいなら1750mまでは順調かな。
そう思っていたのだが、"世の中甘くないぜ?"とばかりにナゲ達が藪のキワに手を伸ばしてくる。
ナゲ達を掴んでのトラバースは微妙に手間。
この日は暑くて風の吹く藪の際が気持ち良い。しかし福島側、ナゲ達から一歩薮を北に入ると明瞭な獣道が通っており、その誘惑には勝てずに僕らは獣道へと逃げ込んだ。
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獣道楽々ゾーンも長くは続かず。
5分くらいで結局稜線の際に逆戻り。
なんとなく踏み跡はあるしそう深くはない笹薮なので進めるのだが。
笹の花が咲いており、来年くらいに来たら笹が枯れて歩きやすかったのでは説が流れた。
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そこからも藪の際を歩いたり、灌木の隙間を通ったり(獣道も割とあり)しつつ進んでいく。
すると1660mくらいでなんとなく岩場っぽいところが。
登りだとなんということもないのだが、下りで来てここを巻いてそのまま県境稜線を離れたという記録もあった。写真は鞍部にいるのだが、左上の崖上から見ると下りれないようにも思えるらしい。きりんこさんの記録にもあるが、栃木側からいけば下りでもなんということはないだろう。
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相変わらずそれなりに獣道があるのでそれなりに進める藪。
しかし踏み跡分岐を間違えて岩の下に出ている間に辺りに抜かされてしまった。早くも最後尾につく。
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1700m手前くらいからは背の高い樹林帯に入る。
すると笹薮は少し背が低くなり、薄い踏み跡もあり歩きやすい。
1730mくらいまできて9:34、少し藪が薄いので休憩。
暑くて虫がいるので居心地は良くない。
ペースは順調なので良しとする。
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9:50、歩きを再開。
きたっちさん、僕、みー猫さんの隊列で行く。
古の破線路が地形図に残る1750mピーク辺りにつくと、きたっちさんが道跡があるという。
確かにこれが地形図の破線ではと言う感じで。
これ辿れば楽勝?なんてことはなく、不明瞭区間。
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明瞭区間。
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といったように落差が激しい。
不明瞭なところはネマガリ藪で面倒。
まあネマガリ藪もいまのところモンスターではなく胸高くらいでそれなりに進んでいける。
みー猫さんが遅いなと思ったら、ネマガリのタケノコを掘っていたとのこと。
その後タケノコ探しつつの歩きとなる。
まあこのころは踏み跡も結構利用できたし皆余裕があった。きたっちさんは生タケノコをかじって繊維質だから外れかなどと品評会をしていた。
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1677m地点を過ぎて1690m級ピーク西の鞍部におりたのが10:28。
この辺りは踏み跡がよくわからずネマガリとの心温まる触れ合いゾーン。
しかしまだ心に余裕のあった僕らは太いネマガリ=タケノコゾーンとばかりにせっせと質のいいタケノコを探して、周辺に7分ぐらい滞在していた。
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しかし鞍部からの登り返しでネマガリダケの逆襲を食らう。
モンスターネマガリの登りはきつく、傾斜が緩んで方角が変わる1760m先までいくのに30分要した。
歩きやすいところを探して歩いていてもネマガリと蔓、たまに灌木に絡めとられて先頭を歩いていた僕は横で踏み跡もじきを見つけたみー猫さんに抜かされて。みー猫さんはこの藪区間で唯一の石柱も見たらしい。
背丈を超すネマガリが次第に胸高になり、1760m先で広場を発見した時はもちろん休憩した。
藪の中のオアシス。
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11:20、歩きを再開。
ここからしばらくはそれなりに踏み跡が拾えてそこそこ捗った区間。
最初みー猫さんの後ろを歩いていたが、途中でみー猫さんが外れの踏み跡を引いたんだったかできたっちさん先頭、僕、みー猫さんの順になっていた。
11:45くらいに1810m地点を過ぎるがその先踏み跡いまいちわからず。
ネマガリ藪だが下りなので適当に行く。ようやく田代山湿原の縁が見えた。
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11:58に鞍部を通過し登り返しに入る。
後150mも標高稼げば湿原の縁に出るし、鞍部は踏み跡らしきものもある。
これは意外と楽に登れるか。
そんなことはなかった。いつだって現実は非情だ。
みっちりつまったネマガリ達がお出迎え。
地形図見ればわかるが登っていくと傾斜がきつくなり、踏み跡も拾えないので逆目のネマガリと真っ向勝負になる。テン泊装備なこともあり足が重く遅々として進まないのであった。
きたっちさんはずんずん進んでいくが、本人曰く過去一つらい藪と後で聞いた。
終いに僕はネマガリで滑ってひっくり返った。
ザックが重くて本当に起き上がれない。亀の気持ちが分かった。
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なんとか起き上がるもネマガリ藪の中で燃え尽きた男。
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しかしこんなところでへたるわけにはいかない。
先に進まないと生きて帰れないのだ。
ゲロ藪だけど標高100m少々上げるだけだし・・・。
なんとか立ち上がり、僕はきたっちさんの背中を追った。
暑いし荷物重いし藪うざいしで、花にも心はいやされず。
今日も気分は修行僧であった。
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続く