10月某日のことである。
左副腎褐色細胞腫摘出手術後数か月たったので、転移がないか確認するためCTスキャンを撮りに行った。
2週間後、CTスキャン結果を聞きに泌尿器科の診断を受けると「特に問題はないので次は半年後で」とのこと。まあ5か月程度で転移は起きないわなと一安心。
しかし待合室で会計のファイルを渡されるのを待っていると診察室にもう一度来てくださいと言われる。
これはよくない流れである。
思い返せば一年前、心電図・レントゲン心エコーの検査を受けて結果は来週と言われて帰ろうとしたら診察室になぜか呼び戻されて、その場で心機能の著しい低下を告げられたのがすべての始まりであった。
今回は何かと診察に戻ってみると、医師が「見返していたら脊椎の下部、腰の辺りに腫瘍がある」と言い出す。結構大きいらしい。でも転移ではないという。どうも去年心臓で入院してた際に別の病院でとったレントゲンにも映っていて、そこからサイズは変わってないから急ぎではないとのこと。去年の時点では褐色細胞腫を除去しないと他の手術もできないから後回しになったのではと言われるが、そんな話は聞いていない。
とりあえず脊椎は整形外科が専門だからそちらのカウンセリングを受けるようにと言われその日は帰った。

11月になり整形外科に行ってみるととりあえずMRIとりましょうという話になる。だったら診察前にMRI撮ってからでよかったのではと思ったが、11月末にMRIを撮影した。

12月頭にもう一つの転移の検査、血液検査によるホルモン濃度測定を終えた翌週、再び整形外科の診察を受けた。
MRIを見せてもらうと腰の辺り、脊椎が見えるはずのところにしっかりと腫瘍がいた。記念に印刷してもらい持ち帰った。その写真がこれである。
仙骨腫瘍
横に輪切りにした写真ももらったのだがそちらは素人が見てもよくわからなかった。

医師の言うことには、おそらく良性の腫瘍、神経鞘腫だろうとのこと。脊椎のかなり下部であり、排尿障害や足のしびれがないのであれば放置していいらしい。一応気になるなら一年後に又診察とのこと。障害が出ていないのに下手に手術して神経が傷つくリスクは避けた方が良いらしい。
最近腰が疲れやすいのはたぶんこいつのせいだなとは思ったが、他に支障はないし登山も8時間くらいならなんとか歩けているので手術は避けた方がいいのだろう。医師曰く酷く負荷をかけないのであれば登山していいらしいし。

じゃあまた一年後にお願いします、と診察室を後にして待合室でだらけていると診察室にもう一度来てくださいと言われる。三度目である。もう大体流れは分かっている。
覚悟して診察室に戻ると「おそらく神経鞘腫だとは思うが悪性の腫瘍、脊索腫の可能性もあるから生検すべきか今夜のカンファレンスで他の医師に相談する」と言われた。
まあそういうことならお願いしますと帰宅。果たして夜に電話がかかってきた。
「やっぱり生検をした方がいいという意見も出た。今度腫瘍の専門家とも話して方針を決めるので来月また来てほしい」とのこと。
ああ、はいお願いします。と電話を切った。素人には判断つかないので専門家で話し合ってさっさと決めてくれという感じであるが、痛くないのであれば生体検査を受けて白黒はっきりつけたいという思いはある。まあアウトにしろセーフにしろ結果が出るまではグレーゾーン。シュレーディンガーの腫瘍である。無視して週末は山に出かけることにした。

翌日、血液検査によるホルモン濃度測定結果を内分泌科に聞きに行った。
結果は全く問題なし。アドレナリンの血中濃度が二桁下がっていた。手術前はそれだけの量が常時分泌されていたわけで心臓も弱るわけである。ひとまず今のところ転移はない事は分かった。

そんなわけで褐色細胞腫の転移・再発はなかったが新たな独立した腫瘍が見つかった。
9割方放置していてもいいものらしいのでそちらに賭けたいところだがどうなることか。
気にしていても仕方がないので今日は富士山を見てきた。