2017.5.28(日)
林道基点 -西谷沿いの林道 -タカノス谷出合 -入渓 -ワレイワ谷出合 -石楠花沢左俣/右俣分岐 -右俣へ -30m大滝 -1250m辺りの奥二俣 -奥二俣中間尾根 -シャクナゲ集落 -長沢背稜
-長沢山 -石楠花ノ頭(柱谷ノ頭) -芋ノ木ドッケ(芋木ノドッケ) -白岩山 -お清平 -大陽寺方面下山路 -登山道をうっかり外れる -シャクナゲ畑 -林道基点

霧中のシャクナゲ日和


長沢背稜に石楠花ノ頭なる場所があると言う。通称は柱谷ノ頭らしいがナゲ達が巣食っていることは間違いないだろう。そんなわけで前々からナゲ達が花開く季節に歩こうと考えていたのだが調べてみるとどうもその近く、埼玉側に石楠花沢なる怪しげな沢があるようだ。どう考えても誘われているとしか思えない。
西谷流域では一番楽しい沢とか沢屋さんに評価されておりレベルはそんなに高くないらしいが写真を見ているとこれ本当に初級者向けか?と思う部分もある。巻ける滝は全部巻きたいところだが巻けるのか怪しげな谷間のようでもある。でも暑くなってきたしこの季節には良下げな感じだ。
途中まで沢を楽しんでからは地味尾根で長沢背稜を目指せばどこかナゲ達に会えるだろう。なにせ石楠花沢である。尾根の情報は皆無だがたぶんなんとかなる。行くことにした。

5/28、前日夜に実家から帰ってきたためゆっくり四時まで寝た。のろのろと準備をして五時半に家を出る。
奥秩父はどうやっていっても遠い。高速がうまく使えないし。寄居有料道路とやらを使ったことが無いので使ってみたらわりと快適に走れた(気がした)。今度も使おう。
コンビニに寄りつつ山の方へ入っていく。縁起悪い大血川沿いの舗装路を走る(まあ石楠花沢自体大血川の支沢なのだが)。
西谷沿いに西部の一番奥のカーブまで進み駐車する。途中に何台か停まっており、僕の停める前にも一台。沢登りか渓流釣りか・・。

8:24、歩きだす。カーブの先から始まる林道へ。チェーンで車は入れないが歩く分には問題なし。天気は生憎の曇りだがどうせ沢だしまあいいか。そのうち晴れれば。
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一つ目の橋はそのまま渡れ、二つ目の橋は扉の隙間から忍びこむ。
三つ目は隙間から忍びこめなかったので渡渉だ。と思ったら釣り人発見。渓流釣り人は気性が荒いらしいので刺激してはいけない。縄張りを荒らされたと針が飛んでくるとの噂もある。そっと橋の陰に隠れて沢靴(フェルト)に履き替えヘルメットを装着。橋の上流を探るもナメの急流かつ対岸の道に戻るのが面倒で。下流側からそっと行くかと回り込むと釣り人は消えていた。
しめしめと渡渉する。
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林道を歩いて行くと沢に下りる方向とトラバースが分岐。沢に下りる方に釣り人が見えたのでトラバースの方へそっと走り込む。
そのまま進むと最後の橋へと移動で来た。釣り人にばれないように先行。8:45。
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橋を渡ると林道終点。この辺りがタカノス谷出合。
踏み跡を辿り堰堤を右から巻いたら入渓。
川原っぽいなと思ったがすぐに沢っぽくなる。まだ水はそんなに冷たくない。
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水量は多いのか少ないのか。昨日雨だったようだし渇水ではないと思うけど。
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8:56、谷間でGPSが捕捉していないがたぶんワレイワ谷と石楠花沢の出会い。我らが石楠花沢は左。
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右のワレイワ谷もちゃんと水がある。
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左にガレ場を見つつ進むとほどなく谷間っぽくなってきて。
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9:07、石楠花沢の左俣/右俣分岐。両門の滝である。
左俣は15m3段、右俣は10m3段滝らしい。僕は見た目じゃ高さが分からない。
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左俣の滝は3秒で登るのを諦めるレベルだが右俣のこちらは水流を直登できるらしい。僕は喪中なんでやめておきますね・・。
そっと右手の岩場に回った。
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しゃくしゃくと苔むした岩を掴んでよじ登っていく。
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ちらりと下を覗きこむ。これは沢素人が水流いくべきじゃないね。僕の流血で大血川は避けたい。
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左の優しそうな小滝から超えて。
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流しそうめんに最適な4mトイ状は僕も流されそうなので苔むした岩をよじ登る。
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流されても滝壷で助かりそうな気もするが。
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3mCS滝。滝の直登は無理なので右から巻くのだがここが嫌らしくレベルの違いが試されるようだ。
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プロは簡単によじ登るようだが僕はというと帰ろうかな・・と思いつつミゾに取りついてみる。足の置き場は歩けどどうやって体を持ち上げるかと思っていたら丈夫な木の根がぶら下がっていた。まさに地獄に仏。ありがてえありがてえと手を合わせつつ上に出た。
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岩の上でも木の根を掴んで水平移動してから沢に下りる。
そして目の前に現れたのは石楠花沢右俣随一の見どころ、30m大滝。当たり前だがこんなところ登ろうと言う思いは無い。プロ達がPTで登るところだ。9:19。
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滝屋の瀑泉さん達なら時間をかけて撮影するところだろうが僕はナゲ屋なのでさっさと先へ行く。左に回り込むと巻けるらしいのだが、これか・・。
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一段気合でよじ登らなければならないようで。フェルト靴のおかげで沢中では滑らずに快適だがこういうとこは緊張するな。膝を立ててなんとか溝の上に出て上がった。
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さてこのまま尾根を登るか滝の上で沢に戻るかどうしようかなーととりあえず土の斜面を歩いて行くと沢の方の崖上に見慣れたシルエットが。
藪の番人、シャクナゲさんである。残念ながら花は散っていた。
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ナゲが藪先案内人だったのかは知らないがふと左を見るとどうやら沢に下りるルートがあるようだ。幅はあるがぬかるんだ土なので必要以上に緊張しつつ慎重に滝上トラバースして懸垂下降なしでそっと斜面を降りて滝の上に出た。
ちょっと滝を覗きこむ勇気は出ないなあ。9:35。
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そして小滝ゾーンに突入。左岩をよじ登る。
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ナメはおいしく頂いて行く。フェルト靴できて正解だった。
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続く