トラバースを続けていった結果、うまいこと目的の尾根へと導かれ、555m辺りの鞍部にポンと出た。
14:13。
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下り方面に鞍部から一段岩場へと上がるとアカヤシオがちょっと集っている。
でもこの程度では対岸からは目立たないだろう。上を目指せばいいようだ。
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一息ついて鞍部へ戻り登り方向を見上げてみる。
尾根の上には恐竜の背のように大岩が立ち並んでいた。この上は歩きたくない。
しかし幸いにして大岩の左側には獣道があり、登っていくことができた。
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少し登ると大岩が左にもせり出してきたので岩の基部を巻いて左、上へと進む。登りきるところはホールドになる灌木が微妙だったのでえいやで行く。
580mくらいで安全地帯に出て露岩ゾーンを見下ろすとやはり危険なゾーンだけあってアカヤシオが繁茂している。花付き〇。
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ここからの登りは安全ではあるが露岩と松が目立つ。こうなるとアカヤシオ期待値は上がっていくしかない。
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右下を見ているとアカヤシオの咲きっぷりがいいので中々先へ進めない。
意を決して登っていくと今いる尾根上も右手から合わさってくる小尾根もアカシヤオの宝庫で?
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アカヤシオが大量にいるので少し登っては振り返り写真を撮り・・・とやっていたのだがそれはあまり意味のある行為ではなかった。
14:33、尾根が合わさる610m辺りにつくと一段とアカヤシオ密度が上がってしまったのだ。
今いる場所は全方位アカシヤオ包囲網が敷かれ、花付きも素晴らしくいい。小友はまだこんな引き出しを隠していたのか・・・。慄く僕はザックを下ろし10分間の休憩を取らざるを得なかった。
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いつまでもここにいるわけにも甲いかないし空も晴れてこないしと重い腰を上げて先へ進む。
前にアカヤシオ回廊を振り返る。正直このスポットだけで十分だったのでは?という感じはする。
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戻るもヤシオ、進むもヤシオ、か。
アカヤシオの猛攻は640mくらいまで続いた。アカヤシオ独禁法に引っかかるかと思った。
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途中の単発ヤシオは悪くはなかったのだが極力スルーして670m級小ピークに14:52、ここから先もヤシオはいるようだ。さらに写真ではわかりにくいが奥の方にアカシヤオがたむろしている小尾根が見えてしまった。困った。
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実はここまで来る途中、東支尾根の600m辺りから派生する支尾根にアカヤシオの巨木を発見し、そちらの様子を見つつ下山する腹積もりになっていた。
しかしここより上にアカシヤオがいるとなると話は変わってくる。
少し悩んだ結果結局まだ登ることに。
その前に支尾根つまみ食い。
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奥の方にピンクゾーンが隠し暮れていない小尾根。
これは対岸からではわからない奴だ。まだ隠し持っているのか。
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尾根上のヤシオをつまみ食いしつつ、西の鞍部へ下る。
そのまま北西にトラバースしていくと北支尾根に身を寄せ合うアカヤシオの姿が。
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この支尾根も素晴らしいアカヤシオゾーン。
もう少し調べたい気持ちもあるが15時近いので今日はあっさりと。
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主尾根に戻ると南サイドにもアカシヤオがそこそこ固まっていて。
しばらく賑やかなところが続いた。
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存分に戯れたところで15:03。
さて下山をどうするか。
さっきスルーした東支尾根に下っていくのが一番早いだろう。
しかし実は対岸から見ていて気になっていた小尾根があと一つある。
789m地点へ登り、南へ下って660m辺りから東北東に派生する尾根だ。あそこも薄紅色に染まっていた。
もう少し足を延ばせる時間はあるがどうしようかと思っていると尾根の上の方から重低音。たぶん雉だな。そうは思ったがさっき下の方でドタドタと獣が走っていく跡音を聞いており少し敏感になっている。万が一熊だとしたら・・・。少し身がすくみ足が止まる。
10分以上考え込んだが15:17、先へ進むことにした。
植林が一時混じった尾根からはアカヤシオは姿を消し、等高線が密になる720m辺りは警戒したが普通に登っていける。
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そして750mくらいからはまたアカヤシオがわさわさと。これは予想していなかった。
789m地点は南北に通過したことが二度あるはずなのだが手前のここは気づかなかった。
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何を警戒しているのか知らないが、主稜線手前でアカヤシオはすっと姿を消し、そのまま地味尾根を登れば15:34、789m地点。
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さてここから南の下りは過去歩いているので問題ない。
さっさと下山予定の支尾根まで下ってしまおう。
藪のない地味尾根は歩きやすい。単発ヤシオはスルーしていくが今日はいかない620m平坦ゾーンにアカヤシオがいるのが見えたり、670mくらいからアカヤシオがちょっとずつ増えているのが気がかりになったり。しかしその誘惑には乗らない。僕は心を鬼にして660mから東北東支尾根に入っていく。
すると早速群れている者たちの姿が。
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対岸から見えていたのはこいつらだったか。
まあこれだけいれば目立つわな。
花付き、タイミング、文句なし。
問題はこの支尾根で下山できるかどうかだがこれはもう少し下ってみないとわからない。
おっかなびっくり露岩の小尾根を降りていく。
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アカヤシオが繁茂していたのは590mくらいまでだったか。
事態に急になる小尾根に不安になり、左下の植林にさっさと逃げようかと思ったが中々標高差が縮まらない。
580mくらいで離脱するならここしかないという弱点を見つけてトラバースからの木の根ロープで降りた。
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そこから植林の谷間に逃げ込めば後はセーフゾーン。
左からぐるりと回り込んだ支尾根末端は崖だったので、やはりさっさと逃げて正解だったか。16:13。
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そのまま植林の谷間を降りていくとお墓と針葉樹の落ち葉で埋もれた参道あり。
何かでかい花咲いてるなあ。ってよく見たらお前らナゲじゃないか。
どうしてこんなところに・・・。
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参道を下っていくが道脇にぽつぽつとナゲ。昔の人が並木として植えたのだろう。廃屋の庭にもナゲが繁茂しており、人がいなくなったのをいいことに勢力を広げる腹積もりらしい。
アズナゲ達はこの辺りなら標高1300mくらいの涼しいところでないと自生していないはずだが、そのわりに標高の低いこの辺りでも暑さに耐えられるらしい。肥料ももらえてないのに。いずれ谷間をナゲ達が埋め尽くす日が来るのだろうか。
そんなことを考えながら歩いて行くと石灯籠のところへ行く橋の手前で道に出た。駐車地はすぐそこだ。結局午後になっても晴れ渡ることはなかった。
16:29、駐車地につくと着替えて帰途に就いた。
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今回の軌跡
この地図は電子地形図25000(国土地理院)を加工して使用しています(令和元年手続改正により申請適用外)
無題2
小友のことは大体わかった気でいたのだが、少しいつもと違うルートどりをしてみればそこにはまたとんでもないアカヤシオ軍団が身を潜めていたりして。
花付きのいい年に木々の隙間から見渡すとアカシヤオが固まっている小尾根が分かりやすいのが今回の勝因。回り切れないところもあったのだがまあこれはまた今度か。
小友は開花時期さえ分かっていればまず外れ無しなのでなんだかんだ来年もお世話になるのだろう。
これでこの週の暖かさが続けば翌週末は座間峠となる。
しかし寒さが戻ってしまい怪しい感じがしたので標高が緩く移り変わるみどり市市境を歩いたのが今日。外れの尾根も歩いてしまったが、当たりの尾根がこれまたよかった。