2023.5.4(木・祝)
三本松駐車場-赤沼BS -バス移動 -西の湖入口BS -西の湖 -柳沢川沿いのナゲ達 -中禅寺湖 -千手ヶ浜BS -バス移動 -赤沼BS -三本松駐車場

半年ぶりのナゲ達は・・・。


4月に会社の組織再編があり、開発内でのチーム再編・異動が結構あったのだが、相変わらず僕は異動がなかった。やってる開発テーマ達もそのまま。組織名と上司だけが変わり僕は変わらない、いつものパターンであった。
病気のせいで力仕事ができないため、試作や実験は後輩に指示してデスクワーク中心なのだがやることが多すぎて手が回らない。毎日いくつも会議が入り書類仕事もままならず。コロナ化で他会社とのWEB会議が一般化して移動の時間が無くなったのはいいが、簡単にポンポンと打ち合わせがいれられる。それにしても何でこんなに忙しいのかと思うが、きっと過渡期な分野に入り込むべくあれもこれもやろうとしてテーマ選別ができていないのだと思う。定時はただの通過点で21時廻ったから22時前には帰るか・・・。そんな日々。僕のチームは上司も後輩もそろってこんな感じの毎日でこれ人的リソースの割き方間違ってるだろと思った。4月の残業代も見て苦笑い。金は要らないから時間が欲しい。

慌ただしく日々は過ぎてGWに入り、日常に疲れた僕は家でだらけていた。相変わらず体調は低空飛行で安定。医者に止められているとかいう以前に体力・心肺機能が終わっているので登山をする気には全くならなかった。
ならなかったのだが、連休の谷間、5/2も普通に仕事をして休みの間も書類仕事を家でやらないとなあなんて考えているとなんだかこんな日常が嫌になってきた。連休なのにどこか心が休まらない。
そんな中、夢で非日常の象徴、ナゲ達がささやく。
"登山はアウトでも山散歩はセーフ。違うか?"
せやな。
半年ぶりのザックを背負い、出かけることにした。

5/4、快晴・無風で今日出かけなければいつ出かけるのかという好条件。
7時半前に家を出て久々の奥日光へ向かう。
新4号の通行量は多いがまあまあ進める。
宇都宮IC前のファミマは超満員。こんなに止まってるのは初めて見た。
いろは坂も通行量が多い。いろは坂ビギナーたちがちんたら走っているので追い越し車線へ。走行車線の車よりもちんたら走るヘボバイカーもいたりして。GWはやはり恐ろしい。
赤沼駐車場も超満員。まあそうそうだろうなと思っていたのでそのまま三本松駐車場へ。
いそいそと準備をするが手袋が片方ない。久々だから忘れた。まあ今日は散歩だからいいか。
10時過ぎのバスに乗るため赤沼駐車場へと歩き出す。9時45分くらい。

歩き出してみるとザックが思ったよりも軽い。まあ今回は水を2.5Lしか持っていないのだが。最近出社する際ノーパソの入ったビジネスザックが非常に重くて体力やばいくらい落ちたなと思っていたのだが、腰でも支える登山バッグだとまあなんとかなるようだ。ここで重いようなら今日は帰ろうと思っていた。
道端からだけど久々に見る日光の山々。
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予定時刻前に赤沼駐車場につく。
2年ぶりの低公害バスに乗ろうとしたら何か見た目が違う。これJRバスでは?
2年の間に変わったのだろうか。
まあいいかと乗り込むと料金先払いといわれる。前は後払いだった気がする。やはり車体が変わったからか。
社内のガイド音声は変わっていなくてどこか安心。下りる時も以前は前からだったのに今は後ろから。僕が良く乗るJRバスは後ろから乗って前から降りることもあり違和感。

西の湖入口BSで降りる。僕のほかにも何組か下りた人たちがいたが見た目からして観光客であったハイカーではない。まあ今日の僕は観光客と大して変わらないのだが。
久々に履いた登山靴の紐をきつく縛りすぎたので調整して最後尾から歩き出す。10:29。
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新緑のカラマツ林を通り抜ける。カラマツは葉がスカスカだから新緑の眩しさは薄い。
満開の山桜がぽつりと。
西の湖へ向かう人だけではなくこちらへ戻ってく人も何組か。ここでこんなに人と会うのは初めてだ。まあいつも早朝バスの始発だしなあ。
しゃくしゃくと歩いていると先のバスを降りて前を歩いていた方々に道を譲られる。譲られてもなあと思う。こっちは心臓機能が常人の半分以下で運動不足も著しいというのに。幸いにしてゆるゆると平坦な道なので心臓に負荷はなくて問題なく歩けているのだが。日常生活でも階段上り下りや早足で歩いただけで息が切れるのが今の僕だ。
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10:45、西の湖。水がない・・・わけでもない。
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ちょうど一便前でやってきた観光客が帰ったところなので誰もいない。まあ後続がすぐに来るのだが。
さて、どうしようかなと考える。どこにでもいるようでどこにでもはないナゲ達。奥日光のシャクナゲ開花情報はろくに見つからなかったし、あまり奥に行くと体力的につらい。
どうしたものかとぶらぶら歩いていくと、西の湖の東端あたりに見慣れた地味なシルエットが。
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近づいていくと・・・やはりナゲ。約半年ぶりの再会。
しかしぱっと見いつもの地味な緑の装い。花開くにはまだ早かったか?
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心臓に負荷をかけないように一段登りナゲの横に行くと、あと数日で咲きます、といった感じのつぼみたちが。やる気ナゲではなかった。
今年はアカヤシオの当たり年らしいが、同じくツツジ科のナゲ達も花株が多いようだ。こいつらやる気がない時はカケラも花をつけない。
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しかしいくら花株が多くても咲いていてくれないと・・・。
ナゲ藪の奥を見ると少し奥の急斜面上では咲いているようだ。
大人しく下の方から開花すればいいものを相変わらず天邪鬼な奴らだ。
少し息を切らして登り写真に収める。
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後続の観光客たちは西の湖を眺めたり、乾燥した湖底を歩くので満足なようでナゲ達に会いに来ない。ナゲ達の年に一度の晴れ舞台だというのに・・・。相変わらず世間からのナゲ達の扱いは悪い。
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少し東に行くと斜面をナゲ達が我が物顔で占拠している。
こんなに花をつけているのに満開のやつらはまだいなくて。
数日後に来たらさぞ素晴らしく・・・。でもGW終盤は雨だ。
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そのあたりで唯一まともに咲いていたやつら。
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たった30分、少しの距離と少しの段差を登っただけなのに疲れてしまった。休憩。
心肺機能だけでなく基礎体力が本当に低下している。
医者からは体に負担のかかる運動は禁止、ただし体力低下を防ぐためにウォーキングはするように言われている。しかし冬は寒く、春は花粉症で外に出るのが嫌で年が明けてからまともにウォーキングさえしていなかった。というか平日は疲労困憊で出歩く体力も時間もなかったのだが。その結果がこれである。入院前、少しは歩くようにするかとナゲに囲まれつつ思った。
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ナゲにも会えたし体力はないし帰るか。
しかし来た道を戻るのもあれなのでぶらぶらと中山の裾野沿いに東へ。
枯沢に柳沢川が合流して水が出てきた。わたるのが面倒。
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右岸にわたり返して、そういえば昔中山からこのあたりの斜面を降りてきたなと回想しつつぶらぶらと歩いていく。
焚火もできるし高台もある。テン泊するにはいい場所だ。流石にこんなところでやったら大目玉だからやらないが。
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沢沿いに歩いていくと急に伏流に。渡渉を考えなくていいから楽なのだが情緒がない。
そういうことならと斜面に近づいていくとナゲ達はまだ蕾で塩対応。
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中山東尾根の北東末端、いかにもナゲが好んで住み着いていそう。
回り込んでみるとやはりナゲ達が好き勝手していた。
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高々この程度の斜面を登るにも今の僕は慎重を期す必要がある。さっき斜面の上を眺めていたら立ち眩みがして視界が白くなったばかりだ。
一旦座って落ち着いてからトラバース気味に尾根上へ。
シャクナゲ藪へご案内。名前も知らない木はシカの食害防止で網がまかれているのにナゲ達はノーガード。
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満開のやつはいないかとナゲ藪に入っていく。
くんずほぐれつしゃくなげっつ。以前ならなんということもなかったナゲとの触れ合いも一たび病に侵されると近くに行くことさえままならない。心臓がやられた入院した直後、原因がわかる前はもう二度とナゲには会えないかとさえ思っていた。本当に大切なものはいつだって失った後に気づくのだ。
一部だが満開の花株が見られて満足したので帰ることにした。
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時間は12時を回っていた。
中禅寺湖湖畔に出て千手が浜BSに行くと次のバスの時間にはちょうどいいくらいだ。
早めに遊歩道に出て歩いていくと12:23、中禅寺湖。
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湖畔に人がいない・・・。赤沼BSは満車だったしもっと人がいてもおかしくないのに。クリンソウの時期は無駄に賑わうくせしてナゲの時期には興味がないというのか。
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腑に落ちないまま橋を渡るとBSに近い湖畔には何組か寛ぐ人々がいてどこかほっとした。
千手ヶ浜BSに12:32。
2時間程度の歩きなのにすっかり疲れてしまった。
赤沼BSについてから歩いて三本松駐車場まで移動。帰る途中でいろは坂手前の1332m小ピークあたりにアカヤシオが残っているのが見えたが今日はいいかな。散々人々に見られているだろうし。車道近くで手垢にまみれたアカヤシオよりも、そこらの藪で好き勝手している自由なナゲ達を心に生きていきたい。手術がうまくいって心肺機能が戻ったらまた来よう。GWではあるが大した渋滞もなく順調に帰った。久々の歩きで疲れた僕は、晩飯も食べずに寝てしまった。

今回の軌跡。たったこれだけの歩きに2時間かかった。
この地図は電子地形図25000(国土地理院)を加工して使用しています(令和元年手続改正により申請適用外)
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