2023.7.16(日)
コインパーキング -古河駅 -バス移動 -旭町BS -栃木茨城県境 -東北本線踏切 -雀神社 -三国橋
-渡良瀬遊水地 -三県境 -柳生駅

久々歩きは灼熱地獄。


5月半ばに手術してから一か月間、病院と自宅で療養していた。
3週間たったところで泌尿器科と内分泌科の外来に行くと仕事復帰の許可が出たので翌週から仕事復帰。
帰ってきたら自分の居場所はありませんでしたー、なんて事はなく良くも悪くもやるべき仕事はいくらでもあって。なんなら復帰初日からDR会議二連発だったし。初週は20時程度に会社を出られた気がするのだが、翌週からは22時になったから帰るか・・・という生活をしていたらあっという間に一月立っていた。最初の頃は傷跡がまだ痛痒いというか疼いていたが次第に気にならなくなった。それどころではなく忙しかったともいう。
会社を出るのが21-22時なのでトータルとしては焼け石に水みたいなものだが、フレックスを利用して毎朝10時前くらいに出社するようにした。起床時と就寝前に血圧と心拍数を図るのだが、起床時だけ血圧と心拍数が高い。寝る前は逆にかなり低めでいたって健康になるのだが。心臓の薬を飲むのが朝だからなのかもしれない。起きてからエンジンかかるまで時間がかかるまで時間がかかるのだと解釈している。手術前に飲んでいた低血圧になる薬がなくなったおかげで立ち眩みはなくなったのだが。

7月に入り摘出した左副腎褐色細胞腫の病理診断が出た。
PASS(副腎の褐色細胞腫スケールスコア)は2点らしい。4点超えたら転移する危険性高らしいので、ひとまずはセーフ。でも転移するまで悪性かわからないから(褐色細胞腫はそういう病気)3ヶ月後にCTスキャンね、と言われる。ホルモン検査は先立って12月に予約している。今後一生経過観察。そういう体になった。転移・再発したら完治する治療法はまだ確立されていない。30年後に再発例もあるらしい。緩やかにいつ来るかわからない死刑宣告を待つ身だが、誰だっていつ死ぬかなんてわからないのだからその点は同じだ。日本人の平均寿命までまだ40年以上ある。寿命まで逃げ切るか、再発するまでに治療法が確立されれば僕の勝ちだ。少なくとも現時点では心臓が少し弱いだけの一般人に戻れたのだ、まだ投げ出すわけにはいかない。盆前までびっしりうまったスケジュール表を見てため息をついた。やっぱ投げ出して遠くへ行きたい。


そんな感じで日々を過ごしつつ三連休を迎えた。
手術痕も疲れた時に疼く程度だし、そろそろリハビリ歩きを始めたほうがいい気がする。心臓の先生から許可出てないから山へはいけないのだが。
そうなるとやることは二つに一つ、栃木県境平野部歩きか利根川歩きで河口まで、だ。
どちらも療養中にあまりに暇だったから治ったら何しようかと考えているうちに思いついた計画だ。
ブログでは一度もアップしていないのだが、2020-2022にかけて栃木茨城県境の山間部を歩いており、実は後一回で歩き終わるところまで来ている。ここまでくると平野部もつなぎたくなるのが人情。わりと電車やバス使える箇所も多いからピストンしなくてよいのが魅力。利根川歩きよりこちらにすることにした。

7/16、すっかり早起きが苦手になった僕は7時前に何とか起きだして身支度を整えた。
駅前の(というには少し離れた)よく使う駐車場にレガシィを停めると古河駅まで歩きだす。7:46。
この時間なのに暑い。でも日陰は涼しいし少し風があるからいける。
7:51、古河駅。最寄り駅なので見慣れた光景だ。まあ僕は出張の時しか来ないから利用機会はそこまで多くないのだが。
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実のところ、古河駅は県境から少し離れている。ではなぜわざわざ立ち寄ったかといえば、古河駅発のバスが県境近くまでのせていってくれるからだ。5分で。この目的で使う人間はまずいないだろうが。ちなみに今回参考にしたお馴染みきりんこさんは古河駅から県境まできっちり歩いている。僕も早起き出来たら所詮2km程度なので歩くつもりだった。しかし眠気に負けて今8時前だ。
昼に近づくと気温が上がり、今日は最高気温38度らしい。対応より上でアスファルトからの照り返しを食らうと絶対にやばい。だから僕はバスで時短をする。不可抗力である。

さて、バス停はどこかな?と探すとすぐに見つかった。
古河に来てから14年がたつが未だかつて今回の茨急バスに乗ったことがなかった。
基本移動は自動車だし、バスに乗るとしてもメインストリートはJRバスで事足りる。僕的に茨急バスの出番はないのであった。今日までは。
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中に乗り込むとエアコンが効いており涼しいというか少し寒い。ぱっと見はJRバスと大して変わらないな。スイカをピっとするやつは・・・ない。あれ?家で調べた時は交通系ICカード使えると書いてあったはずだが。運転手に聞こうとしたらバスを降りて少し先で談笑していた。発車は8:01なので時間があるのだ。
まあいいかとスマホで調べてみると古河周辺のバスはICカード非対応らしい。田舎かな?いや古河は田舎か。料金はちょうど200円なのでわかりやすくてよかったが・・・。

定刻通りにバスは発車。乗客は僕一人であった。
8:06、旭町BSで降りる。
ザックから帽子を取り出して被る。熱中症対策。
ちなみに今日は大体街中歩きなので山の格好はしていない。
半袖のTシャツ、ジーパン、スニーカー、ビジネスザックにスポーツドリンク2Lだけ。
街中でデジカメを構えていると余計なトラブルに巻き込まれかねないので今日はスマホで撮影。
身支度整えて歩き出す。暑い。
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歩き出してすぐに県境到着。
と、思ったら県境は一本北のしょぼい橋の対岸からであった。
砂利道を歩いて県境に8:10
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さて、橋を渡って対岸の北東方面へも県境は伸びているのだがそちらは公共交通機関が利用しづらい。
今日のところは西方面を攻める。
とりあえずは向堀川沿いに北へ。
川というかただの用水路。
対岸の栃木側は田んぼが広がってるが西側の茨城サイドは住宅街だ。変な動きはできない。
大人しく左岸の舗装路をぶらぶらと歩いていく。
カルガモもが僕に驚いて逃げていった。
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用水路沿いに道がなくなったので住宅街の中の道を歩いていく。きっちり県境をたどろうという考えはない。
左へ曲がり歩いてくとほどなく広い道路に突きあたり鉄塔を横目に右折。
気温はすでに30度超え。暑いのだが住宅街は日陰があるし風が吹き抜けるので意外といける。
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そのすぐ先で一本北の道に移った方がより県境に近いのだがアバウトな僕は直進。
次のセブンがある十字路で北へ曲がり、またすぐに西へ。
県境と道は一致なんかしていないので地形図とにらめっこしながらじゃないと県境から離れてしまう。
アバウトにいくといってもそれなりには県境近くを行かないとあまりに意味がない。
突き当りで北へ曲がり、Y字路の分岐を左に進むとパチンコ屋の手前に松の木。きりんこさんの記録で予習してきたやつだ。そういえばきりんこさんは気づいたら蜉蝣になって温泉巡りに精を出していた。膝の湯治なのかもしれない。
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しょぼい野球グラウンドの横を通り、お墓を回りこむように西へ曲がると東北本線の踏切が見えてきた。
ちょうど貨物列車が通過していく。今日歩く県境の区間では今いるあたりが一番北。
空が青いなあ。暑い。
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東北本線の踏切を通過。8:32。
道路に沿ってくねくねと南西へ歩いていく。
なぜかくっきりと栃木側は田んぼ、茨城側は住宅街という構図なのは古河駅が近いからなのか。
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里芋畑の横にある鉄塔を回り込むように西進。
突き当りで県境は正面の民家と斜め右へ進む道路の真ん中を通るようになっている。
ここを県境沿いに無理やり歩く選択肢はないので、民家の南側にある狭い砂利道で西進。しかし車が走ってきたのには驚いた。
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ほどなく一段上がって旧四号を横断。
栃木県の標識よりファイブイズホームの標識の方が目立っていたり。8:40。
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旧4を渡っても西進。本当の県境は少し北で畑を突っ切っている。
途中で少し北へ進める砂利道があったのだが私有地立ち入り禁止と書いてあったのでスルー。
道なりに西進していくとマーケットシティにぶつかった。
僕は古河駅西口サイドの住民ではないのでここに来たことは一度しかない。
開店前なので人気がない。
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このあたりの県境はマーケットシティの北側から西側、そして南側へと回り込んでいくのである意味わかりやすい。
僕もマーケットシティ周りの道路をぶらぶらと歩いていく。
するとぐるりん号のバス停が。こんなところにも通っていたのか・・・。西側は用がないから本当によく知らない。ぐるりん号とは古河におけるさーのって号、あしバスあっしーみたいなものである。
JRバスでカバーできない場所を走っており利用価値はある・・・と思うのだが基本自動車移動な僕には無縁の存在だ。
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マーケットシティの南側に回り込み、銃猟禁止の看板を見てヨシッとしつつ歩いていく。
この先県境は舗装路を外れて少し東の変なところを通る。
きりんこさんはそちらへ行かれていたので僕も・・・と思ったがキャベツ畑でおじさんが作業中だったので明瞭な舗装路で南進した。
東に曲がり、このあたりで県境、きりんこさんが狭い道があると言いつつフェンス横をすり抜けた箇所が合流するはずだが・・・と様子をうかがう。
しかしそこには狭い道とかフェンス以前に何もなかった。
???と思ったが帰ってから思い出した。ここにあった結婚式場が去年くらいにコロナでつぶれたんだった。
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ここからも県境は住宅、畑を縦断し南へ向かうのだが、僕は物理的に通過できないので東の広い道路(261号)を南進していく。
するとほどなくオアシス発見(セブンイレブン)。
トイレも行きたかったし暑いから冷たい飲み物が欲しかったんだよな。
アイスボックスにコーラを流し込む技を久々に使った。
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行儀悪くもコーラを飲みつつ歩いていくと変則四差路についた。
ここを右行ってカーブしながら西進か?
しかし実際は一本手前の細い道で西進したほうが県境に近い。
一つ南の道に入ってしまった僕は寺の横を歩いていき、そして道がなくなった。
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道はなくなったのだが、用水路の上にコンクリの蓋がかぶさった暗渠になっており西進して行ける。
大体県境沿いなので良し。
ちょっと藪がかぶさってきてジーパンだといやなん感じだがまあよし。
そのまま舗装路に突き当たるまで歩いて行った。
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舗装路をすぐに曲がって堤防沿いを北へ。
路地の隙間からうまい事堤防へ上がれた。9:27。
堤防を上がると、そこは草原だった。
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まあ草原なのは堤防の向こう側なのでどうでもいい。
いや正確に言えば県境はあの草原を突っ切っていくのでよくはないのだがその先県境は川の真ん中を通るためどのみち進めない。よって堤防を南進していけばいい。
遮るもののない堤防上は容赦なく日差しが降り注ぐ。
風が多少吹いているだけましだが天気が良すぎる。
山に行けない夏日はずっと曇りでいいのに。
堤防上を歩いていけばいいからさっきまでのくねくねと違い単純で楽なのはいい。でも一気に駆け抜けていく体力も気力もない。
とはいえ突っ立っていては干からびるだけなので僕はしぶしぶ三国橋目指して南進を開始した。
気温は38度目指して順調に上がっていった。
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続く