下っていくと思ったより傾斜も藪もない。
これなら尾根沿いに下ればよかったなと思いつつ、途中で作業道跡に何度かであったのでそれを利用して東に移動していく。
雷電山へ続く尾根に乗り300mくらいまで下ると藪も傾斜も落ち着いてしまった。
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雷電山への登りは落葉樹林となり明るい。藪も大してない。
ただし灌木があるので少し回り込むように上ったが、よく見たら踏み跡が正面に続いていた。
適当に踏み跡をたどり14:10、雷電山山頂周辺。
山名板もなにもないためここが山頂だとは断言できず。
まあいいかと先へ進むことにする。帰ってから調べたらもう少しだけ南にあったようだ。
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毘沙門山へ高低差少なく行くためには、250m近辺を西へトラバースしていくことになる。
実際のところは藪を避けて一度ふもとに降りたほうが早い気もするが細かいことは気にしない。
岩の隙間を縫うように北西へ下り、再び植林帯の藪めいたゾーンへ入る。
少し下り気味にトラバースを始めると鮮明な小道が現れたが、これをたどると麓に降りてしまう。
泣く泣く藪へと入り込む。
ちょっと水平だから作業道の跡だろうとトラバースしていくが気のせいだったかもしれない。
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一時的に藪が低くなりすっきりしたり、谷間を巻いたら踏み跡が出てきたりと歩きやすい場面もあったが結局踏み跡らしき踏み跡をたどり続けることはできなかった。
まあそう濃い藪ではなく足元もお留守なので大体250mあたりをトラバースして鬼山南面を西に回り込んだ。
薄暗い針葉樹林を抜けて明るくなったなと思った矢先に背丈を超える笹薮登場。
背中からゴミが入るから地味に嫌な奴らである。
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軽くガサると密な個所は抜けだしたので、やれやれとトラバースを続けていくとほどなく第二波に捕まった。
もう毘沙門山は近いし、20mも下れば並行して林道がとおっている。
意地はって笹薮漕ぎを続ける理由はないので、ちょうど足元にあったほぼ水の流れていない沢沿いに林道へと下った。14:32、林道離脱。やれやれである。
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折角林道に出たのだが、ちょっと林道を進めばすぐに毘沙門山の北鞍部へのとりつきである。
幸いこちらは笹薮が密ではなかった。
尾根上に出るとさらに疎になり明るい感じに。
山頂手前の大岩は左から通ると尾根上に戻れそうにないので右斜面を登る。
毘沙門山に14:42。
日没まで余裕があるので腰を下ろしてだらだら休んだ。
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10分休んだので下山にかかる。
どうとでも下れるだろうと特に調べてこなかったのだが、地形図上では南西に階段のようなマークがあるためそちらを目指して下っていく。
大岩の隙間を滑るように下るところが出てきたのには面食らった。
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一応地形図の階段のようなところを目指したつもりではいたのだが、適当に踏み跡を追っていくとすぐ下に舗装路が見えていて。
適当に藪を漕いで下ったら、階段を避けて舗装路に出てしまった。
まあ下れたからいいか。15:03。
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後は4kmほど舗装路歩いて帰るだけ。
チャリ利用で戻るパターンも多いようだが僕は自転車を持っていないし体力づくりの為歩いて戻る。
田んぼの間を突っ切る舗装路をだらだらと歩いていくと、今日上った山々や雲のかかった日光の山が見えた。
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コイン精米所の角を曲がり、広い道路を歩いていくと、横から視線を感じた。
道横の民家の庭を覗くと見慣れた地味なイキモノの姿が。
(本来は)藪の番人、シャクナゲさんである。飼いナゲの身に甘んじているようだが?
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そこから民家の横を通るたびに注意深く見てると、逃亡を図ろうとしているナゲと鉢合わせた。
栄養状態は悪くなさそうに見えるのだが。
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その後も一軒の庭に複数のナゲが群れているのを目撃した。
どうもこのあたりはナゲ達を飼う風習があるらしい。
みどり市の奥地でもナゲ達を飼う風習があるのは知っているが、標高の低いこの辺りでも意外と状態は悪くなかった。水と栄養さえあればたくましく暮らしていけるらしい。
脱走を企てていたナゲ以外は大人しくしているようにも見えたが、その実ナゲ達は下剋上を狙っている。
みどり市の奥地、住人がいなくなり廃屋と化した敷地で、我が物顔で繁茂し我が世の春を謳歌するナゲ達の姿を僕は何度か目撃している。
少子高齢化が進む現代日本、過疎地では空き家が増えているという。政府の予想以上の速さで出生率は低下しており、このままでは日本の人口はますます減少していくだろう。無理やり本来の住処から民家の軒先に連れてこられたナゲ達。各地の山間の集落でナゲ達の逆襲が始まるのは、そう遠い日ではないのかもしれない。

16:05、駐車地に帰還。
15時くらいには戻ってこれると思っていたのだが、意外に時間がかかってしまった。
やっぱり体力落ちてるなあと実感する。膝が痛むのは筋力低下の証拠だ。
最後藪漕ぎした割にはマダニの姿はなかった。獣道さえもなかったからか。
久々に温泉でも入って帰ろうかと思ったが、そこまで汗をかいたわけでもない。湯冷めしそうだしそのまま帰宅することにした。こうして2023最後の登山は思いがけずナゲとの再会で終わった。

今回の軌跡。ほぼ登山道でわりと人が歩いている場所なので概要。
この地図は電子地形図25000(国土地理院)を加工して使用しています(令和元年手続改正により申請適用外)
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篠井富屋連峰はあえて藪に突っ込みさえしなければ藪漕ぎもなく、面倒な場所にはロープもあるので初心者が軽くトレーニングするにはいい場所だと思った。まあ周回するには自転車利用したほうがいいだろうが。あえて藪を突っ切ろうとすると局所的に背丈を超す笹薮なゾーンもあるので注意が必要である。出てきたらさっさと林道に逃げたほうが早い。
しかし7時間半近くもかかったのはいただけなかった。先日社山縦走に出かけた際も、最後は足が痛かったし以前と比べてかなり時間がかかったから体力低下は自覚していたのだが。最近は登山の頻度を上げてはいるのだが、一度落ちた筋肉は簡単には戻らないらしい。今はとても12時間歩きができるとは思えない。1月半ばの診察が問題なければ登山は続けるつもりでいるので、少しずつ距離と標高差を伸ばしていきたいところである。