藪入りした直後、左に作業道が現れた。そんな馬鹿なと思った。
この辺り、グーグルアースでは雪景色で道があるかどうかわからず、990m級ピークは岩峰なのでそんなとこわざわざ道を通さないだろうと思っていたのが・・・。この感じ、990m級ピークも道がとおっているのでは?
グーグルアースで1037m地点くらいからは作業道や風力発電設備があるのがわかっている。
そして今いる作業道、道にケーブルが続いている。ここから導き出される結論は一つ。ケーブルが1037m辺りの風力設備に続いている=そこまで作業道がつながっている。今日の旅路の難易度が大幅に下がった瞬間であった。
こうなってくるとやつに出くわすかどうかだけが今回の旅のカギを握っている。
新緑のお手軽ハイキング。
これでいいのか?という気がしなくもないが、今日の寝床は現地で探索予定なので余裕ができるのはいいことだ。
目前に迫った990m級ピーク。ああこれは正面の尾根は登れませんねといった感じで。
核心部は幻だったか・・・どう考えても残雪期より難易度が下である。
ロープなかったら面倒だっただろうがそれでも行き詰ることはなかったな。
岩尾根を右手に眺めつつ、僕らはなんなく990m級ピークに登り上げてしまった。
その先も作業道はしっかりとつづいていた。10:01。
展望もいいしこんな良い場所僕らが独占してもよいのだろうか。
この日はピーカンで気温も高かったのだが風が強くて吹き抜けの場所では肌寒い。カッパを脱いだり羽織ったり。
栃木の里山なんかだと悪いやつらに根こそぎ盗られたりするらしいがハイカーがまったくやってこないここではのびのびと暮らしている。
しばらく足元を気にする歩きとなった。
するとそこには「風況ポール」関係の残骸が横たわっていた。
ついでにここで休憩した。
この旅ではショウジョウバカマも結構見た。
こいつは先端付近が折れて落ちていた。
どうもこの辺りの風力に耐えきれなかったようだ。
疲労試験やらなかったのかなあと設計の不備を疑う。
ただしここから先は整備されて数年たっているらしく笹薮をはじめとして大分藪達が侵食しているようだ。
一般ハイカーならここで帰るところだが藪漕ぐつもりの僕らからしたらボーナスステージである。
たまに隠れている倒木にすねをやられつつも順調に進んでいった。
一か所ヘリを通るところは歩幅が狭くがけで危なかったがここもロープがとおしてあった。
ここから緩い沢を下っていき、湧き水とテン場をゲットしようという目論見である。
ここを歩かれた記録から、登山靴でも下れることは分かっているがテン場と水場は自分たちで探るしかない。
最初だけ灌木が煩わしいがすぐに気にならなくなった。
水が流れ始めるがちょうどいい水場はなくて。
過去の記録では6月頭でも存在した雪渓を心配していたのだが、積雪の少ない今年は目論見通り吹き溜まりにちょろっとある程度であった。
ここテント張れるのでは?でも三人だと狭いし河原が・・・。テン泊ポイントもとりあえずキープということでさらに下る。
ずっと一枚岩のナメで水量も少なく歩きやすい。
きたっちさん持参のクリアファイルで汲みやすくして皆水汲み。
沢の上で焚火もできそうだ。ここに決定とまだ時間は早いが荷物を下ろす。
しかし暑いのでテントの中に入る気にはならない。ついでに沢に入ってから虫が大量に集ってくるためテントを開け閉めして虫が入るのも避けたい。
15時半過ぎにはみー猫さんときたっちさんは酒に手が伸びて、ウィンナーも焼いて。
スマホはつながらないがきたっちさん持参のラジオはFMも入った。
しかし今度はとても寒い。ダウンを着込んで焚火に当たる。
この夜の最低気温は麓で7度を下回っていたようだ。
しかしやはり泊りは沢泊がいいな。水も簡単に手に入るし、沢の上で焚火をする分には山火事の心配をしなくていい。翌日の午後から近くの南陽市で山火事があり、記事を書いている現時点でも鎮火していないようだ。延焼の危険がある山中では火気厳禁である。
20時前まで焚火を楽しんだが寒くなったので僕はツェルトに入った。治療中の心臓は治りきっていないから、末端の血流が悪く冷え性気味なのだ。
ダウン+カッパで3シーズン用のシェラフ+カバーに入り込むと寒くはなく、翌朝まで何度か起きたがそれなりによく眠れた。
二日目に続く
コメント
コメント一覧 (2)
他にはあの山域にはあのオジサンの他にも、杭甲山で私たちの後入れ違いで来た人も居たようです。
案外偶然は重なるもんですね。
ふみふみぃ
がしました