2024.5.11(土)
1070.8m地点の駐車場 -法師温泉 -赤沢峠 -稲包山 -キワノ平ノ頭 -長倉山 -三国峠 -1070.8m地点の駐車場

マイペースを崩すと痛い目に合う。
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GWは久々のテン泊歩きでも支障はなかったのだが、あれは距離も標高差もゆるゆる登山であった。真の藪テン泊に至るには少しずつ距離と歩行時間を伸ばして体力を取り戻さないといけない。
そんな中、残雪が消えていそうでいいところ無いかなと探していると、三国峠-稲包山間の中央分水嶺を歩いていないことに気が付いた。谷川辺りはどうも藪や沢の歩きたいところを優先してきた結果、主稜線が未踏ばかりになっている。稲包山を周回で歩くとなれば赤沢峠を経由になるが、暖かくなるとヤマビル地獄らしい。うかうかしていると次はまた来年になりそうだ。出かけることにした。

5/11、三時過ぎに家を出たものの赤城高原SAで蕎麦を食べていたら新三国トンネル南の1070.8m地点にある駐車場につくのは余裕で五時を回ってしまった。
気温10℃を下回ってるし早朝はいないだろうと思いつつも、珍しく短いスパッツを足首につけてヤマビル対策とする。
5:30、まだ僕以外誰もいない駐車場を後に歩き出す。
まずは法師温泉へと下るのだが、一旦新三国トンネル方面に国道を歩くと、すぐに法師温泉へと下る案内板が現れた。
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鉄塔巡視路をつづら折りに下っていくと、沢の上部を下流へと下る道になった。
下りでは心臓の負荷が軽いのでせっせと歩いていくとぼろそうな木橋で沢を渡ることに。腐ってはいなかった。沢沿いでヤマビルを警戒するがまだ涼しいので姿を現さない。
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さらに橋を渡り進んでいくとにょろりとしたイキモノが現れた。
朝一モーニングナゲ。
既に標高は850mを下回っており、ナゲ達の生活圏ではなさそうなのだが、沢沿いは涼しいのか元気そうである。でも花を咲かせる気はナゲのようだ。
ニセナゲじゃないよな・・・と葉をめくるがちゃんとアズナゲだった。
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大分法師温泉が近づいてきたところでまた橋を渡るが、これは折れたりしないのかドキっとした。
その先で体が温まってきたのでカッパを脱いで一休み。
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6:18、法師温泉まで下ってくると、ナゲのお出迎え。
とても綺麗に花を咲かせている。
花の色と葉の裏から見るにハクナゲなのだが、こんな標高低いところでも暮らしていけるのか。それとも別の品種なのか。ただ今年の野良ナゲ達の散々な咲きっぷりと比べて考えると栄養状態がいいのかもしれない。飼いナゲとしていい暮らしをしているようだ。
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法師温泉を通り抜けて下っていく。
建物の横にはアズナゲがいたのだがこちらは咲いていなかった。アズナゲとハクナゲで気分が違うのだろうか。
赤沢スキー場入口で6:35。赤沢スキー場方面へと舗装路を登り返していく。
5分後、赤沢スキー場のゲート前についた。関係者以外立ち入り禁止とあるがその奥に赤沢登山口みたいな古い標識もある。
入っちゃいけないのか登山口なのかどっちだよ。
左の林道は地形図にもあるやつでこちらからは遠回りなはずだ。一応少しそちらも探るがやはり登山道ではない。
仕方ないのでゲートの先を探ることにした。
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舗装路を少し登ってみると古い案内地図があった。
やはり登山道はこちらでいいようだ。気温も少し上がってきたし、いよいよヤマビルとのご対面もありうる。2時間くらい座って休むこともできなそうなので一度ザックを下ろし一休みした。
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6:45、歩き出す。
ゲレンデの端にある道をのそのそと登っていく。この赤沢スキー場、ちょうどこの3月で閉鎖されたらしい。じゃあもう関係者いないじゃないかと思った。
四万温泉こちらの案内板に従いゲレンデ端から離れて山道へ。
ヤマビルおるかー?
"まだやで"
よし。
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緩い傾斜で上がっていくと850mくらいに朽ちたベンチ。
ここに座っていると、油断するなよとヤマビル達がたかってくるのだろう。
恐ろしい場所である。
しかしヤマビルの恐怖さえなければ新緑の気持ちのいい山道である。
傾斜は緩いし歩きやすい。心臓にやさしい。
ときたま鉄塔巡視路が分岐するがそちらに迷い込まなければ問題ないし。
順調に歩いて7:36、林道を横切る。標高1050mくらいで地形図にも実線で書かれている奴である。
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相変わらずゆるい傾斜なのでいいペースで歩いていく。
一瞬植林帯を通ったがすぐに広葉樹林になる。
この道、笹がしっかりと刈り払いされており好感が持てる。ヤマビルがいなければもっと歩く人が増えていい道だ。不思議なことにこの区間、ヤマレコだと年に1件しか記録がなかったりするのに、YAMAPだとそれなりに歩いている人がいた。YAMAPも大分改悪されて有料会員じゃないと使いにくいのだが、それでもカジュアルさで人が多いのだろうか。
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標高1200mくらいまであげたところでしばらく進むと道は下り始める。
どうせ登るんだから下るなと思ったが、岩ゾーンが立ちふさがっていたのでこれはやむなしかと引き下がる。
下ったところで水の流れる沢。ここまで何度も谷地形を横切ってきたのに水が流れているところはなかった。8:19。
気温も上がってきているだろうが、標高も上がったしまあ大丈夫だろうとザックをおろして一息ついた。
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オオカメノキやムラサキヤシオを横目に歩いていくと、沢沿いを一瞬だけ登る場所になる。
ここの沢水はすぐそこで湧いているようで水場として使えそうだ。
まあ今日は4L背負ってきてほとんど飲んでないから汲まないのだが。
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そこから鉄塔巡視路に引き込まれないように歩いていくと、10分くらいであっさりと赤沢峠についた。9:03。
東屋で一息つきたいところだが、ここで休んでいたらヤマビルにたかられたという恐怖体験談もあるので油断できない。
進行方向とは逆、南の赤沢山方面へ少し進んでみると、ナゲ達がおいすー^^と待ち構えていた。
まあ今日はこのナゲ達とは遊ばないのだが。
赤沢山へは藪漕ぎになるとはいえ、ナゲをよけて笹を漕げばいけそうだし往復一時間あれば余裕だろう。でも今の僕では今日の周回コースを歩き切るのにここで体力を使うわけにはいかないのでスルー。またいつか、であるがヤマビルいるしその日はこないかもしれない。
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ヤマビルが湧く前にさっさと進もうと稲包山方面へ。
こちらも登山道わきにシャクナゲの姿がぽこぽこと。
しかしどいつもこいつもやる気ナゲ。
お前ら年に一度の見せ場だって自覚はないのか?オオカメノキを見習えと発破をかけるが、素知らぬ顔でナゲ達は佇んでいる。
木々の隙間から見える山の向こうには、富士山の頭も覗いていた。
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1479m地点を超えて、微妙なアップダウンがつらい。
歩きやすくて明るい道なのはいいのだが。しかし背の高木々が生えていて思っていたより稜線歩きって感じではないな。
1440m級ピークが二つあるところで今日初めてニンゲンとすれ違った。
この時間に下ってくるとは足が速い。
相変わらずな登山道わきのやる気ナゲ達を白い目で見ていると、藪の中でこそっと咲いているやつを見つけた。何隠れてんだよと捕獲(撮影)する。
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木々の隙間からようやく稲包山が見えた。最後ぐぐっと登るようでげんなりとする。
綺麗に刈り払われた道は歩きやすい。しかし傾斜がきつい時点で僕の心臓には優しくないのである。
秋小屋沢橋からの破線路が合流する少し手前、1430mくらいでザックを下ろし15分休んだ。
最後の登りを前にカロリー補給。わりと足も疲れていた。
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10:20、歩きを再開。
分岐を過ぎて一息登り、1510mの平坦ゾーンを過ぎるといよいよ最後の急登だ。
病気になる前はなんとも思わなかったような登りが今では心臓と足に大ダメージ。のそのそと登り上げていく。ここにきて展望が良いのが救い。
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虫の息で稲包山山頂手前までやってくると、おい遅せえぞとばかりにナゲ達が待ち構えていた。
まだ蕾なのか萎れているのかなんとも微妙なありさまだが。
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10:51、息も絶え絶えで稲包山山頂に到着。
座り込みたい気持ちでいっぱいだったが狭い山頂に三人ハイカーがいたので、これから後もハイカーがくることを考えるとあまりゆっくりしたい場所ではない。
写真だけ取って三国峠方面へと下ることにした。
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続く