先行して藪トラバースに突っ込んだはいいものの、逆茂木に引っ掛かって思うように進めない。
笹薮斜面には獣道もなく・・・。
まあ5月に行った山形の中央分水嶺と比べればましだが。
振り返ればみー猫さんがいるはずなのだが。
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藪トラバースでも下り気味にいけば楽理論であったが、実際のところ逆茂木を避けるために上下移動を強いられる。きたっちさん曰く灌木の根元の方が超えやすい。僕が手間取っている間にきたっちさんは先へ進んでいった。
地形図で谷間を二つほど超える必要がありそうだなと思っていたらやはりそうで。
一つ目は大したことなかったが、二つ目は少しの距離を上から巻く必要があった。
おちたらさよならなので慎重に。
ここの谷間は水が湧いているだけでもなく進むのが面倒なだけ。
急斜面を笹掴んで移動するろくでもないムーブだが、誰も撤退しましょうと言い出さない辺り手慣れてしまっている。
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谷間を超えて一息ついたところで目的の白滝沢左俣源頭付近についたようだ。
なんだかんだで1530mくらいをキープしており問題の滝よりも上にいる。
藪の下の方に水源上の枯れた沢床が見えた。きたっちさんは小尾根を利用して下流の方から下って行ったが、僕はそのまま急斜面を灌木つかみつつずりずりおりて、最後は上流へとトラバース気味に移動し無事沢床に着地。11:45。30分ほどのろくでもないムーブであった。
きたっちさん曰く二度と来たくないルート。
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見覚えのある沢形を一分ほど下るとちょろちょろと水が湧いているがこれはパス。
そのすぐ下で右岸からの湧き水を先についたきたっちさんが汲んでいた。
狙い通りの標高1510m辺り。以前この沢を白滝から遡行した経験がいきたな。
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この湧き水のすぐ下には黒光りしたヌメヌメの3段18mが控えている。
沢装備無しで登るのは無謀である。そのため今回の水場は滝上から来るしかなかったのだ。
ちなみに滝の下あたりで二俣になっており、今いるところは右俣。前回きたっちさんは左俣へ進んでから滝上へとトラバースした。僕はロープ垂らしてもらってゴボウで18m滝を登った。
左俣はもっと豊富に水が湧き出ていたらしいのだが、今回重荷で草斜面をトラバースする気にはなれず大人しくここで水をくむ。
きたっちさんがいつも持参しているクリアファイルを忘れたらしく集水力が足りない。
ここで僕がいつも持参しているのに出番が皆無なろうとを使う。ポジショニングが難しいがうまくはまるとそこそこの速度で汲めた。
きたっちさんは3.5L、みー猫さんは確か4Lに対して僕は6L汲む。
明日は田代山峠まで行ってしまえば林道の水場を知っているのでどうとでもなるのだが、炊事で水を使うため多めにほしかったのだ。結果から言うとがばがば飲んでも2L余ったのだが・・・。

昼食を取り大休止してから12:20、沢の源頭を詰めていく。
皆元々の重荷に水が加わり動きが鈍い。
枯沢はすぐ上で二俣になるがここは右へ。
急なガレ気味斜面で後続に石を落とさないかびくびくする。
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10分ほど詰めたところで藪突入。
なのだが段差があり、6L追加された重装備では足が上がらず。
じたばたした結果諦めて横の笹薮急斜面から這い上がることに。
まだついている間にきたっちさんが先行。
みー猫さんは段差を超えて進んでいった。
やっとのことで急斜面を這い上がるが、今度は灌木とツタに絡まってもがく。
馬鹿やっている間に二人は上の方へ。
絡みつく藪を振りほどくと、見渡す限りの笹薮がお出迎え。逃げ場はない。
ついでに急斜面。泳ぐようにかき分けて登る。
2年前は心臓が末期だったのでとても時間がかかったが、今日は荷物が重すぎて時間がかかる。
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しばらく進んだところで、先行く二人から獣道っぽいのがあるから同じところに来るよう声がかかるが、藪で隠れて見えなかった。
それでもなんとか合流して。獣道はあるようなないような。前行く二人のおかげで藪が少し倒れて進みやすいのか。
1620mくらいで白滝沢中間尾根の最上部についたのが13:07。
そしてほどなく栃木福島県境尾根に合流した。13:16。
前回きたっちさんときた時はここから北東へと県境尾根を進んだ。その時は踏み跡が割と辿れて捗ったのだが、1692m地点へ向かおうとするも踏み跡が薄い。
見つけたと思えばすぐどこかへ消えてしまう踏み跡に、僕のザックも困惑気味であった(重荷で寄れているだけ)。
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そんな面倒な区間であったが、尾根の南側を背が多少低めの笹薮ラインがとおる形になると展望も得られて気持ち足取りが軽くなる。調子に乗って先頭に出た。
空模様はよくないが、15時過ぎから雨がぱらつく予報なのでやむなし。
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1692m地点手前に13:43。
相変わらずの笹薮が広がるが、久々に平坦気味な地面たまらず重荷を下ろして小休止。
15分休んで歩きを再開。
1692m地点を過ぎて歩いていくと、不思議と踏み跡が辿れるようになった。登りでこれは助かる。
腹案としてはこの鞍部あたりから北の沢に水汲みというのもあったのだが、確実性と時間を取って今回は白滝沢左俣源頭の水場を選ぶことになった。結果的に成功だったと思う。
ろ過しても飲みたくない汚い池をスルーして、深い笹薮を歩いていく。
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小ピークを越えて進んでいくと背の高い灌木が消えて、枯木山南の肩手前では顔ちょい上の灌木たちがごちゃついておりうざさ倍付けであったが意外と進める。
枯木山南の肩には14:38であった。
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枯木山南の肩から一歩西に下り、背の高い灌木の下に笹薮が生える斜面に荷物をデポして枯木山ピストンへ。無雪期に一度登っているみー猫さん、福島の山には興味の薄いきたっちさんは枯木山はどちらでも・・・と言っていたのが、僕はこの機会を逃したくないのでピストン敢行を主張した。ギリギリ日没まで時間のある計算である。

二人は水とカメラのみもちザックごとデポ。
僕は食料・水2Lとカメラを持つためザックを背負ったままその他の中身を全部地面に置いた。
14:51、枯木山へと北進する。重力から解き放たれたかのように体が軽い。
獣道らしき踏み跡は尾根の西側少し下に続いている。
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しかし踏み跡はそのうち薄くなって。
きたっちさんは律儀にそちらを辿って行ったが稜線上に踏み跡あるんじゃないと期待する僕とみー猫さんはそちらへ。
踏み跡はなかったが東側の展望はいい。
西に戻って踏み跡辿ったり、展望やナゲとの触れ合いが欲しくて稜線に戻ったり。
適当に歩いていく。
しかし疲労がたまって足が痙攣しはじめて。
二人から遅れた僕は、すごすごと西側の踏み跡をたどっていった。
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15:26、枯木山山頂についた。疲労困憊の割には意外と肩から早かったな。藪が薄いおかげか。
先についていたきたっちさん、みー猫さんとともにナゲ達がお出迎え。
ナゲ、三角点、山頂票と基本をとりあえず抑えておく。
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晴れていても展望はいまいちだったか。
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あまり長居はせず、15:30、山頂を辞す。
日没は時間との勝負なので急いで戻るが、ここであしのあちこがつり始める。
最近10時間以上の歩きやテン泊歩きしてないからなあ。
水は飲んでいたが電解質が足りなくなったか。
さっききたっちさんも足が吊っていたほどのハードな歩きなのだから塩飴舐めればよかった。
足を引きづるようにして、時折消える踏み跡を心の目で追い、満身創痍で枯木山南の肩に戻ったのは16:12であった。
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ぐてっとしてこのまま横になりたい気分だか、サイト予定地までいかないといけない。
16:23、県境・枯木山分岐を後にする。
最初踏み跡をたどるが藪も踏み跡も薄いし下りなので無視したりして。
栃木側は展望がいいので晴れていたらなあと。
予報では雨なのでいい方に外れてはいるのだが。
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鞍部近くまで来るとしばし福島側に明瞭な踏み跡が続く。
この辺りからは2年前に三人で赤岩沢から下見に来た際に予習済みである。
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2年前も同時期に来たのだが、あの時の紅葉は素晴らしかった。
今年は紅葉が遅れておりいまいちだが。
以下数枚記事にするのが遅れに遅れている2年前の光景。
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1706m地点北東の1660m小ピークへと登っていく。
踏み跡微妙なので適当にトラバース気味に登ったり。
もう足はぴくぴく痙攣して限界である。
1660m小ピーク南西の鞍部から、福島側へと斜面を軽く下るとそれなりに平坦でテントが寝ている間にずれ落ちる危険性がない場所が広がっている。貴重なサイト適地である。
笹薮の上だが場所を選べばそこまで気にならない。17:13。
やはり下見しておいて正解だった。日没迫るこの時間でも、サイト地に目星がついてるので安心してのそのそと歩けた。きたっちさんは先にテントを張り始めている。
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みー猫さんはツェルト、珍しくツェルトではなくテントな僕も張り始める。
しかし僕のテント、買ってから10年が経過し、ポールをつなぐナイロンロープっぽいやつが経年劣化でだるだるである。
無理やり押し込んでテントを張るが、末端のポールは曲がったまま。超適当な傾いたテントの出来上がり。寒さをシャットダウンできるよう密閉できていればそれでいいのだ。
でも流石に買い替えようと思った。近年は自立式ツェルトばかり使用して影の薄いこいつであるが今日のように出番があることはあるのだ。
すっかり日が暮れた笹薮サイト。
手前がみー猫さんのツェルト。左奥がきたっちさん、真ん中にきたっちさんの常夜灯で右奥が僕の傾いたテント。
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スマホの電波は入らないがラジオは受信可。
早速膨らませたエアマットの上に寝袋を出して足を突っ込んだら眠くなった。
しかし栄養を取らないと明日歩けない。
渋々這い出ると上半身が寒い。折角持ってきたので上着とダウンを重ね着した。
笹薮が個室を作っているのですぐそばにいるけどそれぞれ晩飯。
オーソドックスにミートスパゲティ(レトルト)と適当な行動食で満腹。
まだ20時前だが寝袋に入りぐてっとする。テントを締め切り寝袋に入ると今度はダウンとかが暑い。
明日は5時半起き、6時半出発目標で(夜明け前だと寒そうだから)、と決めて眠りにつく。
疲れているせいで普段の山泊よりよく眠れた。

初日の軌跡
初日の軌跡

二日目に続く