2024.10.13(日) 同行者:みー猫さん、きたっちさん
テン場 -1660m級ピーク南西鞍部 -1706m地点 -1600m地点 -1660m級ピーク分岐 -1663.6m三角点 -1565m地点 -田代山峠 -田代山林道(栗山舘岩線) -水場 -1118m地点経由尾根 -三河沢 -三河沢ダム
-三河沢ダム入り口 -路肩駐車地
藪尾根でまさかの邂逅。
5:25、目覚ましが鳴る前に目が覚めた。
みー猫さんときたっちさんは既に活動開始しているようだ。
辺り一面ガスに包まれている。今日は晴れ予報のはずでは?
天気予報にガスは関係ないのだ。時折薄れて青空が見えそうで見えない。
みー猫さんが受信したNHKラジオの天気予報では今日は三連休で一番天気が良いらしいのでガスが取れてくることに期待する。
ここ数年テン泊時の朝食はチキンラーメンに餅が定番。昨日食べなかったウインナーを入れる。2袋持ってきてしまったので5本食べたが、予備にしてもこんなに要らなかった。
結露したテントであるが、ガスガスなので広げたところで乾くことにも期待はできず。
歩き出すまでにガス取れないかなあと少しのんびりしていたがガスは取れず。
ガスに濡れた藪を漕ぐのは嫌だなあとげんなりしつつ、カッパの上だけ羽織って歩き出す。6:51。
鞍部に戻らずトラバースできないかときたっちさん・みー猫さんが思案するが鹿道も見当たらずとりあえず鞍部へのぼる。
鞍部につくと踏み跡あり。
しかしそこから登り始めると踏み跡は薄くなっていくのであった。
濡れた手先が冷たい。
朝一モーニングナゲを横目に歩いていくと、みー猫さんよりも前の方から音がした。後ろのきたっちさんが別ルートで前に出たか?振り向くがそんなことはなかった。
首をひねりつつ、1700m級小ピーク手前まで登るとみー猫さんの話声。
なんと、こんな人外魔境に反対方面から歩いてきたハイカーが。
登山道だったら挨拶して素通りであるが、こんな藪中で出会ったら予定ルートを訪ねるのが礼儀というもの。それにこんなところに来るもの好きなんて一体全体どこのだれなんだ・・・と普通なら思うところであるが実のところ僕にはこのタイミングで出会う人物に心当たりがあった。
ともあれとりあえず素知らぬふりで話を聞いてみると、昨日の昼前に駅からタクシーで田代山登山口まできて、田代山峠からこちらに歩いてきたという。昨日は1600m鞍部付近に泊まったが何度か足がずり落ちたという。二泊三日で県境を安ヶ森峠まで抜ける予定だという。既に僕は通りし藪なので情報交換。
中央分水嶺歩きではなく県境歩きで、関東の県境を歩いているが埼玉・東京・千葉・神奈川の方は歩いてしまったのでこちらに足を延ばしているという。
ここでもう僕は相手が誰だか完全に特定できたのでHPやってますか?と聞く。
すると、山ノ中ニ有リというHPをやっているとの回答。
やっぱりね。YAMAPのHN、nakayamayuさんであった。
この方のHPは15年以上前から開設されており、僕は登山を再開した9年前からサイトを見ていた。
nakayamayuさんは数年前からYAMAPに記録を載せており、記録にコメントしたことあります、というとふみぃさんですか、と向こうも認識していてくれた。
お互い先は長いのでしはじ歓談してお別れ。
枯木山方面へ向かうnakayamayuさん。
僕らはお互いの歩いている姿を撮影して自分の写真を入手できるからか、あえて全員で並んで記念撮影することはまずしない。だから折角の出会いなのに記念撮影しましょうって考えに至らなかったのだ。
惜しいことをした。
1706m地点へ向かって歩いていく。
相変わらずのガスガスだ。
稜線の際を歩いて、藪が面倒になり福島側に入ると踏み跡が結構続く。
微妙になったらまた栃木側の崖際に繰り返し。
ガスが次第に薄れてきてこれはついに大展望かと期待が高まる。
しかし世の中甘くない。すっきりと晴れるのはまだまだ先だった。
2年前の下見ではここから北西に伸びる尾根で赤岩沢の二俣に降りた。踏み跡もあり意外と時間がかからず下れたことを覚えている。
5分間一息ついて先へ進む。相変わらずの濡れ藪で冷たい。
広い笹原となると踏み跡はよくわからない。
下りだしネマガリじゃないからどうとでもなるので適当に歩いていく。
色づきには少し早いのだが赤いやつも少しはいたり。
分け入れど分け入れど藪のままなのでこういうアクセントが欲しいのだ。
しかしようやくガスもすっきりしそうで、こうなったら展望のいい崖際でしょうと笹ラインを進んでいく。
きたっちさんがハズレルートを引いたので躱して先頭で1660m級ピークに駆け込む。8:43。
ちょいと藪がない空間がありこれは休憩でしょうとザックを下ろして大休止。ここまで2時間かからずいいペースである。
しかし日陰で風が吹くので寒い。
濡れた手袋をしている指先が凍えた。
笹薮の真ん中に上から見るとわからないが獣道が続く。
ちょいと針葉樹を潜り抜けて、背の低い笹と灌木にこれは隙ありと稜線上を歩く。
すっかり晴れ上がり展望がいい。目指す峠・林道はこうしてみるとまだ遠く。歩きにくくなったら福島側で獣道を。
きたっちさんは三河沢源頭の観察に余念がなかった。
1600mくらいまで下ると福島側に鮮明な獣道でこいつはいいやと歩きがはかどる。
しかし1590m級小ピークを北からまいて下っていくと獣道は消えた。
腰から胸高の笹原に踏み跡はなく。ため息一つ、僕は笹の海を泳ぎだす。気づいたらまた先頭にいた。
丁寧にかき分けていくとそれなりに進める。
大木の下は藪が薄くて一息。
福島方面の展望を眺めてまた藪に帰る。
木漏れ日の笹原は背丈が低くなり獣道も辿れてラッキー、と思ったら前に出たみー猫さんが見失ったという。
そのまま右に踏み跡を探しに行ったみー猫さんは道がないといいつつ藪を登っていった。
どうしたものかと登りに行きを整える僕を抜かしていったきたったさんが尾根左よりに獣道があると進んでいく。これ幸いとそのあとをついて行った。
僕はもう少し合羽を乾かそうとはおったまま。
少し先に進んで二人を待つ。
そこから展望がいいので栃木側の際を進んでいったのだが、ここはそこそこきつかった。
ここでぐったりと大休止。
11:10、歩きを再開。
展望の良さを慰めに笹薮を歩いていく。
でもこの区間はそこそこ高速道路を歩けた。
しかし1663.6m三角点ピークへの登りで現実に引き戻される。
まあ一応探しましょうと三人で散解するときたっちさんがあっさり発見。
どうやら三角点の周り、四つの石が囲むように置かれていてそれで見つけられたらしい。
1670m級ゾーンに12:11くらい。
その先でようやく田代山峠が射程距離に入った。
意気揚々と藪抜けに向かって僕らは足を進めていった。
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