1565m鞍部に向けて適当に笹薮を下る。
青空の下漕ぐ笹薮は気持ちがいい、なんてことはないが朝方の濡れ藪と比べたら快適。
しかし秋の気温だからいいが夏に来たら地獄だなと思う。
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1535m地点くらいまで下りてきて、もはやお馴染みの崖際笹薮ラインとなる。
前方の小ピーク、灌木かき分けて登るの面倒だなと困ったら福島側の法則にしたがい北側に獣道を探ると、人工的な道型跡に飛び出て驚いた。
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こうなってしまえば余裕シャクナゲさんである。
笹薮が生えているが足元がお留守なので高速道路。
ほどなく田代山峠に飛び出した。12:42。水は2L余っている。
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僕の計算上大体ここまで6時間を見込んでいたので予定通り。少なくとも日没までに三河沢ダムの林道へ降りるのは余裕だろう。
この先田代山林道の水場で休憩するつもりだったが、きたっちさんがちょいと一服ということで一休み。
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12:51、歩きを再開。
田代山林道を南進していく。
ところどころで沢が流れ込むがベストな水場はまだ先だ。
つい最近のバイクの轍があり驚く。
30分ほど歩いて13:20、1714m地点と1684m地点の中間点北側辺りの水場に到着。
2年前もお世話になったところだ。
ここは流れが三つあるのだが、一番左だけすぐ上で湧いている。
2L余った水を捨てて、新たに2L汲む。
遅めの昼食をとる。
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13:56、重い荷物を再び背負い歩き出す。
するとすぐ先で絶賛工事中で林道が掘り下げられていた。こそこそと突破。
自転車もここで撤退を余儀なくされる個所である。
12/5までの工事らしいが終わるのだろうか。
あちこち舗装されていて9年前と比べたら快適には走れそうであるが。
ムラサキヨメナがあちこちに咲いていた。
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14:15、下山に利用予定の1118m地点経由尾根に到着。
下調べろくにしてこなかったが、まあいけるでしょという根拠のない自信。帰ってから調べたら既にshige-ponさんが歩かれていた。
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いざ尾根へと降りていくと、笹薮は薄く尾根真ん中に踏み跡あり。
しかし尾根左サイドに明瞭な道型があり折角だからとそちらに降りてみるも、折れ曲がって道型は引き返していった。騙しやがってと舌打ち一つ尾根上に戻る。
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踏み跡は薄いが、藪も薄いので特に気にならない歩きやすい尾根だ。
ベルトライン(中層)のナゲ達もたむろしているがシャクナゲートは形成しておらず横から通れる。
しかしこの辺りのナゲ達はあまり栄養状態が良くなさそうなのが多かった。
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1450m先で尾根分岐。左の尾根へ進む。
明瞭な道型が尾根左に続くが、つづら折れしながら降りていくため、あまり使わず尾根上を下っていく。
ここ数日の熊糞を見つけて緊張が高まる。
気づけば尾根右側は植林帯となっており、自然林との境が少し拓けている。ナゲ達はいつのまにかいなくなった。
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1340m辺りの尾根分岐はどうもシャク然としなかったが、しばらく真っすぐ降りてから、トラバース気味に右の尾根へ乗った。
急な植林尾根を下っていく。
休憩した水場からは体が冷えて合羽を羽織っていたのだが暑くなってたまらず脱いだ。
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1118m地点を過ぎて傾斜が緩んだ細尾根を降りていくと、ひょっこりにょろりとナゲ達が現れた。下層のナゲである。
右側が植林なせいか尾根上に藪はなくすっきりとしているが、そうでなければナゲ達が占拠していたのかもしれない。
左側は崖なので討伐を免れたようだ。
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ナゲと別れてその先の少し急なところを降りると、右手から林道もどきが合流する。
地形図ではわからない小ピークには登らずすみそうで右から回り込んでみる。
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沢沿いの崖上に細い道がとおる。
腐ってそうな木橋は跨いで渡る。振り向いたらさほど古くないロープが渡してあって、みー猫さんはそれを利用していた。林業の仕事経のようだ。
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その先で踏み跡は沢へと下っていく。
下らずに少し先を探るが沢に降りられなくなりそうだ。適当に下り沢に出る。
するとほどなく橋が見えて、渡渉した先の踏み跡から一藪抜けると、そこは林道だった。15:31。
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きたっちさんとみー猫さんは沢で顔を洗っているらしいくしばしまつ。
三人そろってしばらくぶらぶら歩いていくと、地形図にも記載のある権現の滝にきたっちさんが興味を示す。
標識もあるしもしや上から見れるのかと辿っていくが、藪でよくわからなかった。
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一人落ち口まで下ったきたっちさん曰く、落差がなくてがっかりした。
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林道に戻ったところでぐったりと休む。空身とはいえもうないと思っていた登り返しをしてしまったのだ。水は無駄に余っており、心に余裕は持てたが疲労は蓄積させたなと思う。
三河沢ダムまで下りてきて、折角なので観察。
貯水量の設定が元々大してないらしく水面が低い。きたっちさんとみー猫さんは酷評していた。
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僕が治療中の期間にみー猫さんときたっちさんが歩いたこの辺りのしょぼ沢の話をしつつ歩いていくと三河沢ダムの入り口到着。
少し坂を上り僕のレガシィについたのが16:52。
なんだかんだ田代山峠からも時間がかかったなという印象。ジャスト10時間歩きであった。
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安ヶ森キャンプ場近くの路肩にデポした二人の車を回収しに行く。
今日は温泉はいらずそのまま現地解散の予定だ。
湯西川温泉は意外と道を歩いている人が多く、それなりに繁盛しているようだ。
安ヶ森キャンプ場への道へと入り走っていくとハイカーとすれ違った。
へえ、物好きなハイカーもいるものだなあ・・・ってあれ朝藪ですれ違ったnakayamayuさんでは。二泊三日の予定を一泊二日で踏破したのか?
ここからバス→野岩鉄道と乗り継いで日光で乗り換えまでするのは時間がかかりそうである。どうせ僕の帰路なので乗っていってもらうことにした。
とりあえず二人を車まで送り届けて引き返す。
バス停に向けてい歩いていたnakayamayuさんに声をかけてピックアップ。
話を聞くとしっかり安ヶ森峠まで歩き、この時間ならバスに間に合いそうなので下りてきたそうだ。速い。
色々と話を聞いて、僕が既に歩いている裏那須の情報も話すが、番屋のコルや大川峠といった地形図に書かれていない地名は分からないとのこと。
考えてみれば当たり前のことで、僕はいかにして攻略しようか地形図と先人の記録を何度も何度も読み返した区間であるが、普通の人は裏那須の藪尾根にそこまで執念かけないのである。そもそもnakayamayuさんは裏那須についてこれから計画の為に準備を始めるところだし(今回枯木山突破できなかったら県境を諦めるのも考慮していたらしい)、栃木県民でもないし。まあ僕も栃木県民ではないのだが。
nakayamayuさんはドライブがそんなに好きではないらしくそれで車を持っていないのだとか。公共交通機関を使ってこの辺り来るのは大変なようで、昨日も最寄り駅に4時台についたのに登山口についたのが昼前で、会津高原尾瀬口駅からタクシーで一万三千円を超えたとか。そのあたりもあって県境縦走をどこまで続けるかは思うところがあるらしい。山仲間と協力して縦走時の車移動を楽できた僕は恵まれていると思う。そうでなければ細切れにしてつなげるスタイルではなく、テン泊でもっと一気につなぐ形に変えていただろう。

日光の市街地まで出てきて、僕はこの辺りの電車事情に詳しくないので近くにあった下今市駅まで送るとちょうどここで良かったらしい。nakayamayuさんとお別れして帰路に就いた。

今回の軌跡
1
2
ようやく念願の尾瀬から那須への藪漕ぎつなぎが完遂できた。
ネットでは全部無雪期に歩いた人は見たことがないので、全てのナゲをこの目に収めたのは僕だけかもしれない。まあ実際にはそんなことないのだろうが。

栃木藪漕ぎ一周の進捗は下記のようになる。
栃木一周
もう山間部はほとんど終わっていて、根本山の沢コースと白河市近く一部だけ。後は平野部で難所は残っていない。体の方に何事もなければ来年の春には完了予定だ。
問題は仕事が忙しすぎてアップしていない記録が溜まりすぎていることだ。栃木福島県境もいくつか挙げられていないし、茨城との県境についてはアップした記録が0レベルである。4年分たまっている。なんとかして最後の区間を歩くまでにまとめておきたいところだ。